[令和5年4月1日現在法令等]

対象税目

所得税

概要

エンジェル税制とは、スタートアップに対する投資の促進を図る観点から、特定中小会社(注1)、特定株式会社(注2)および特定新規中小会社(注3)(以下、これらを併せて「特定中小会社等」といいます。)への投資を行った個人投資家について講じられた税制上の特例措置です。

(注) 復興指定会社が発行した株式を取得した場合の課税の特例については、所要の措置が講じられた上、指定期限(令和3年3月31日)の到来をもって廃止されました。

(注1)「特定中小会社」とは、次に掲げる法人などをいいます。

イ 中小企業等経営強化法第6条に規定する特定新規中小企業者に該当する株式会社

ロ 内国法人のうちその設立の日以後10年を経過していない株式会社(中小企業基本法第2条第1項各号に掲げる中小企業者に該当する会社であることその他の一定の要件を満たすものに限ります。)

ハ 内国法人のうち、沖縄振興特別措置法第57条の2第1項に規定する指定会社で平成26年4月1日から令和7年3月31日までの間に同項の規定による指定を受けたもの

(注2)「特定株式会社」とは、次の要件を満たす法人をいいます。

イ 中小企業等経営強化法第6条に規定する特定新規中小企業者に該当する株式会社

ロ その設立の日以後の期間が1年未満の株式会社であることその他の要件を満たすもの

(注3)「特定新規中小会社」とは、次に掲げる法人をいいます。

イ 中小企業等経営強化法第6条に規定する特定新規中小企業者に該当する株式会社(その設立の日以後の期間が1年未満のものその他の一定のものに限ります。)

ロ 内国法人のうちその設立の日以後5年を経過していない株式会社(中小企業基本法第2条第1項各号に掲げる中小企業者に該当する会社であることその他の要件を満たすものに限ります。)

ハ 内国法人のうち、沖縄振興特別措置法第57条の2第1項に規定する指定会社で平成26年4月1日から令和7年3月31日までの間に同項に規定による指定を受けたもの

ニ 国家戦略特別区域法第27条の5に規定する株式会社

ホ 内国法人のうち地域再生法第16条に規定する事業を行う同条に規定する株式会社

(注4) 上記(注1)ハおよび(注3)ハを「経済金融活性化特区版エンジェル税制」、(注3)ニを「国家戦略特区版エンジェル税制」、(注3)ホを「小さな拠点税制」と呼ぶこともあります。

特定中小会社等へ投資した年に受けられる特例措置

特定中小会社等へ投資した年に受けられる特例としては、次のものがあります。

(1)特定投資株式の取得に要した金額の控除等の特例

特定中小会社が発行した株式(以下「特定株式」といいます。)の払込み(株式の発行に際してするものに限ります。以下同じです。)による取得(いわゆるストック・オプション税制の適用を受けるものを除きます。以下同じです。)に要した金額の合計額のうち一定の金額を、一般株式等に係る譲渡所得等の金額または上場株式等に係る譲渡所得等の金額の計算上控除することができます。

なお、この特例の適用を受けた場合には、原則として、その適用を受けた特定株式の取得価額について一定の調整計算が必要となります。

詳しくは、コード1530「特定投資株式の取得に要した金額の控除等の特例(エンジェル税制)」を参照してください。

(2) 設立特定株式の取得に要した金額の控除等の特例

特定株式会社が設立の際に発行する株式(以下「設立特定株式」といいます。)で、発起人であること、自らが営んでいた事業の全部または一部を承継させた個人等に該当しないことなどの要件を充たす居住者等の払込みによる取得に要した金額の合計額のうち一定の金額を、一般株式等に係る譲渡所得等の金額または上場株式等に係る譲渡所得等の金額の計算上控除することができます。

なお、この特例の適用を受けた場合には、上記(1)の特例措置とは異なり、原則として、その適用を受けた設立特定株式の取得価額について一定の調整計算が不要です。

(3) 特定新規中小会社が発行した株式を取得した場合の課税の特例(寄附金控除)

特定新規中小会社が発行した株式(以下「特定新規株式」といいます。)の払込みによる取得に要した金額のうち一定の金額(800万円(令和2年分以前は1,000万円)を限度とします。(注))については、寄附金控除の適用を受けることができます。

(注)令和3年3月31日までに指定を受けた指定会社が発行する株式で一定の要件を満たす場合には、寄附金控除の適用を受けることができる金額の限度額は1,000万円となります(令和2年改正法附則74③)。

なお、この特例の適用を受けた場合には、その適用を受けた特定新規株式の取得価額について一定の調整計算が必要となります。

※ 上記(1)から(3)までの各特例措置については、同一の年分において同一銘柄の株式について重複して適用することはできません。

特定投資株式の売却により損失が生じた場合に受けられる特例措置

特定株式の売却により損失が生じた場合に受けられる特例としては、次のものがあります。

(1)払込みにより取得した特定株式の売却により生じた損失の金額のうち、一般株式等に係る譲渡所得等の金額の計算上控除してもなお控除しきれない部分の金額がある場合には、上場株式等に係る譲渡所得等の金額を限度として、上場株式等に係る譲渡所得等の金額の計算上控除することができます。

詳しくは、コード1532「特定投資株式に係る譲渡損失の損益の計算の特例(エンジェル税制)」を参照してください。

(2) 払込みにより取得した特定株式の売却により生じた損失の金額のうち、上記(1)の特例を適用してもなお控除しきれない部分の金額がある場合には、翌年以後3年間にわたり、一般株式等に係る譲渡所得等の金額および上場株式等に係る譲渡所得等の金額から繰越控除することができます。

詳しくは、コード1533「特定投資株式に係る譲渡損失の繰越控除の特例(エンジェル税制)|を参照してください。

特定投資株式が株式としての価値を失った場合の特例措置

特定中小会社が解散し清算結了したことや、破産手続開始の決定を受けたことにより、特定株式が株式としての価値を失ったことによる損失が生じた場合には、その特定株式を譲渡したことと、その損失の金額はその特定株式を譲渡したことにより生じた損失の金額とそれぞれみなして、一般株式等に係る譲渡所得等の金額を計算するとともに、上記「特定投資株式の売却により損失が生じた場合に受けられる特例措置」の特例を適用することができます。

詳しくは、コード1531「特定投資株式が株式としての価値を失った場合の特例(エンジェル税制)」を参照してください。

対象者または対象物

特定中小会社、特定株式会社または特定新規中小会社の株式を払い込みにより取得した方

根拠法令等

措法37の13、37の13の2、37の13の3、41の19、措令26の28の3、25の12、25の12の2、25の12の3、措規18の15、18の15の2、18の15の2の2、19の10の6、措通37の13-5、旧震災特例法13の3、令2改正法附則74、令3改正法附則93

関連リンク

◆パンフレット・手引き

確定申告書等の様式・手引き等

申告のしかた(譲渡・山林所得関係)

◆各種様式

申告書・申告書付表と税額計算書等 一覧(申告所得税)

申告書添付書類一覧(所得税及び復興特別所得税(譲渡所得・山林所得関係)申告書添付書類)

◆関連する質疑応答事例《譲渡所得》

エンジェル税制の適用対象となる株式会社と特例有限会社

◆内閣府ホームページ

沖縄振興特別措置法に基づく沖縄の特区・地域制度について

国家戦略特区における課税の特例措置関係

小さな拠点税制

◆経済産業省ホームページ

エンジェル税制

◆中小企業庁ホームページ

エンジェル税制のご案内(令和2年4月1日から令和5年3月31日までの出資について)

関連コード

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