[令和5年4月1日現在法令等]

対象税目

所得税

概要

住宅借入金等特別控除または特定増改築等住宅借入金等特別控除(以下「住宅借入金等特別控除等」といいます。)の適用を受けるための要件の1つとして、個人が、住宅ローン等を利用して居住用家屋の新築もしくは取得または増改築等(以下「住宅の取得等」といいます。)をした日から6か月以内にその者の居住の用に供し、かつ、その年の12月31日まで引き続きその者の居住の用に供していることが必要とされています。

しかし、家屋の所有者が、転勤等のやむを得ない事情により、その住宅の取得等の日から6か月以内にその者の居住の用に供することができない場合や年末まで引き続き居住することができない場合もあります。

このような場合であっても、一定の要件を満たす場合に限り、住宅借入金等特別控除等の適用を受けることができます。

なお、住宅借入金等特別控除等の適用を受けるためのその他の適用要件等については、それぞれのコード(関連コード参照)で説明していますのでご確認ください。

控除の適用を受けるための要件

転勤等により家屋を居住の用に供することができない場合で、住宅借入金等特別控除等の適用を受けることができるのは、次に掲げるときです。

(1) 単身赴任等の場合

家屋の所有者が、転勤、転地療養その他のやむを得ない事情により、配偶者、扶養親族その他生計を一にする親族と日常の起居を共にしない場合において、その家屋の取得等の日から6か月以内にその家屋にこれらの親族が入居し、その後も引き続き居住しており、当該やむを得ない事情が解消した後はその家屋の所有者が共にその家屋に居住することと認められるときは、その家屋の所有者が入居し、その後もその家屋の所有者が引き続き居住しているものとして取り扱われ、この特別控除等の適用を受けることができます。

なお、この取扱いは、転勤先が国外である場合は、次のとおりとされます。

イ 平成28年3月31日以前に住宅の取得等をした場合

この制度の適用対象者が「居住者」に限られているため、家屋の所有者の転勤先が国外で「非居住者」に該当する非居住者期間中は、この取扱いの適用はありません。しかし、居住者期間中に住宅の取得等をして、その後、帰国してその家屋に居住する生計を一にする親族とともに年末まで引き続き居住の用に供した場合には、残存控除期間につき、この特別控除等の適用を受けることができます。

ロ 平成28年4月1日以後に住宅の取得等をした場合

家屋の所有者が居住者であるか非居住者であるかにかかわらず、その者と生計を一にする親族がその家屋に年末まで引き続き居住していれば、この取扱いの適用を受けることができます。ただし、居住期間中の給与所得や出国後の国内不動産所得などの総合課税の対象となる国内源泉所得がある年分に限られます。

(2) 住宅借入金等特別控除等の適用を受けていた者が、家族と共にその家屋を居住の用に供しなくなった場合(再び居住の用に供した場合の再適用)

その者が居住の用に供しなくなった日の属する年以降、住宅借入金等特別控除等の適用は受けられませんが、次のすべての要件を満たす場合は、その家屋を再び居住の用に供した日の属する年(その年において、その家屋を賃貸の用に供していた場合には、その年の翌年)以後、残存控除期間につき、この特別控除の再適用を受けることができます。

イ 勤務先からの転任の命令その他これに準ずるやむを得ない事由があること。

ロ 家屋を居住の用に供しなくなる日までに、一定の手続を行っていること。

(3) 居住の用に供した日の属する年の12月31日までに、家族と共にその家屋を居住の用に供しなくなった場合(再び居住の用に供した場合の適用)

次のすべての要件を満たす場合は、当初居住の用に供した日の属する年以後(平成24年12月31日以前に居住の用に供しなくなった場合には、当初居住の用に供した日の属する年の翌年以後)、その家屋を再び居住の用に供したときは、その再び居住の用に供した日の属する年(その年において、その家屋を賃貸の用に供していた場合には、その年の翌年)以後、残存控除期間につき、この特別控除の適用を受けることができます。

イ 勤務先からの転任の命令その他これに準ずるやむを得ない事由があること。

ロ 平成21年1月1日以後に、その家屋をその者の居住の用に供しなくなったこと。

ハ 当初、住宅の取得の日から6か月以内にその者の居住の用に供していること。

なお、上記(2)および(3)の取扱いは、転勤先が国内・国外いずれにおいても同様とされます。

手続き

申告等の方法

(1) 住宅借入金等特別控除等の適用を受けていた者が、家族と共にその家屋を居住の用に供しなくなった場合(再び居住の用に供した場合の再適用)

イ その家屋を居住の用に供しなくなる日までに必要な手続等

次の書類を、その家屋の所在地の所轄税務署長に提出します。

(イ) 「転任の命令等により居住しないこととなる旨の届出書

(ロ) 未使用分の「年末調整のための(特定増改築等)住宅借入金等特別控除証明書兼給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書」(税務署長から交付を受けている場合に限ります。)

ロ 再び居住の用に供した日の属する年以後、再適用をする最初の年分の手続等

必要事項を記載した確定申告書に次の書類を添付して、納税地の所轄税務署長に提出します。

(イ) 「(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書

(ロ) 住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書(2か所以上から交付を受けている場合は、そのすべての証明書)

(2) 居住の用に供した日の属する年の12月31日までに、家族と共にその家屋を居住の用に供しなくなった場合(再び居住の用に供した場合の適用)

イ その家屋を居住の用に供しなくなる日までに必要な手続等

手続等は不要です。

ロ 再び居住の用に供した日の属する年以後、適用をする最初の年分の手続等

必要事項を記載した確定申告書に、住宅借入金等特別控除等に係る添付書類のほか次の書類を添付して納税地の所轄税務署長に提出します。

(イ) 「(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書

(ロ) 転任命令その他これに準ずるやむを得ない事由によりその家屋に居住しなくなったことを明らかにする書類

(注1) 住宅借入金等特別控除等に係る添付書類については、それぞれのコード(関連コード参照)で説明していますのでご確認ください。

(注2) 給与所得のある方について、平成31年4月1日以後、給与所得の源泉徴収票は、確定申告書への添付または確定申告書を提出する際の提示が不要となりました。ただし、確定申告書を作成する際には引き続き給与所得の源泉徴収票が必要となりますので、税務署等へお越しになる際には忘れずにお持ちください。

申告先等

所轄税務署

注意事項

単身赴任等の場合で住宅借入金等特別控除等の適用を受ける者がその適用を受ける年の12月31日において、家族と共にその家屋を居住の用に供しなくなった期間については、住宅借入金等特別控除等の適用はありません。

また、住宅借入金等特別控除等の控除期間は延長されませんので、再び居住の用に供した場合で住宅借入金等特別控除等の適用または再適用を受けることができるのは、残存控除期間がある場合に限ります。

根拠法令等

措法41、41の3の2、措通41-1、41-2、41の3の2-5

関連リンク

◆パンフレット・手引き

確定申告書等の様式・手引き等

◆各種様式

申告書・申告書付表と税額計算書等 一覧(申告所得税)

(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書

◆関連する質疑応答事例《所得税》ひらく

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