【照会要旨】

 勤務先から子会社への出向命令があり、これに伴い転居することになりました。
 住宅借入金等特別控除の再適用の要件に、居住の用に供さなくなったことが、「給与等の支払をする者からの転任の命令に伴う転居その他これに準ずるやむを得ない事由」に基因していることとされていますが、出向命令に伴い転居した場合でも、住宅借入金等特別控除の再適用を受けることができますか。

【回答要旨】

 照会の場合は、再適用に係る一定の要件を満たしていれば、住宅借入金等特別控除の再適用を受けられます。

 住宅借入金等特別控除の再適用が認められるためには、「給与等の支払をする者からの転任の命令に伴う転居」又は「その他これに準ずるやむを得ない事由」に基因して家屋に居住しないこととなったことが、要件の一つとされています(租税特別措置法第41条第26項)。
 ここでいう「その他これに準ずるやむを得ない事由」とは、「給与等の支払をする者からの転任の命令に伴う転居」が一つの事由として示されているように、自己の都合に基因するものではなく、従わざるを得ないやむを得ない事由に限られることになります。
 照会の出向命令に伴う転居は、自己の都合によるものではなく、勤務先からの命令によりやむを得ず転居したものであり、「給与等の支払をする者からの転任の命令に伴う転居その他これに準ずるやむを得ない事由」に該当すると考えられますので、将来、その家屋に再居住した場合には、転居する日までに家屋の所在地を所轄する税務署長に「転任の命令等により居住しないこととなる旨の届出書」を提出するなど再適用に係る一定の要件を満たしていれば、住宅借入金等特別控除の再適用を受けられます(租税特別措置法第41条第27項)。

【関係法令通達】

 租税特別措置法第41条第26項、第27項

注記
 令和5年8月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
 この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。