[令和6年4月1日現在法令等]

対象税目

消費税

概要

消費税においては、中小事業者の納税事務負担などに配慮して、その課税期間の基準期間における課税売上高が1,000万円以下の事業者については、納税義務を免除することとされています。新たに設立された法人については、設立1期目および2期目の基準期間はありませんので、設立1期目および2期目は原則として納税義務が免除されます。なお、設立3期目以後の課税期間における納税義務の有無の判定については、原則どおり、基準期間における課税売上高で行うこととなります(注)。

ただし、適格請求書発行事業者は、基準期間における課税売上高にかかわらず、納税義務は免除されません。詳しくは、コード6498「適格請求書等保存方式(インボイス制度)」をご参照ください。

(注)その課税期間の基準期間における課税売上高が1,000万円以下であっても特定期間(※1)における課税売上高が1,000万円を超えた場合など一定の事由に該当する場合には、当課税期間について納税義務は免除されず課税事業者となります。

 なお、特定期間における1,000万円の判定は、課税売上高に代えて、給与等支払額の合計額により判定することもできます。ただし、令和6年10月1日以後に開始する課税期間から、その課税期間の初日において国外事業者(※2)である場合は、特定期間における1,000万円の判定を、給与等支払額の合計額により行うことはできません。

※1 特定期間とは、個人事業者の場合は、その年の前年の1月1日から6月30日までの期間をいい、法人の場合は、原則として、その事業年度の前事業年度開始の日以後6か月の期間をいいます。

※2 国外事業者とは、所法第2条第1項第5号《定義》に規定する非居住者である個人事業者及び法法第2条第4号《定義》に規定する外国法人をいいます。

新設法人の納税義務の免除の特例

その事業年度の基準期間がない法人(社会福祉法人を除きます。)のうち、その事業年度開始の日における資本金の額または出資の金額が1,000万円以上である法人(以下「新設法人」といいます。)は、その課税期間の納税義務は免除されません(注)。

(注)令和6年10月1日以後に開始する課税期間から、その事業年度の基準期間がある外国法人が、当該基準期間の末日の翌日以後に、国内において課税資産の譲渡等に係る事業を開始した場合には、当該事業年度は基準期間がないものとみなすこととされました。このため、当該事業年度の開始の日における資本金の額又は出資の金額が1,000万円以上である場合並びに資本金の額又は出資の金額が1,000万円未満であって次に記載した特定新規設立法人の要件を満たす場合は、当該事業年度に含まれる各課税期間の納税義務が免除されないこととされています。

※ 外国法人とは、法法第2条第4号《定義》に規定する外国法人をいいます。

特定新規設立法人の納税義務の免除の特例

その事業年度の基準期間がない資本金1,000万円未満の法人(社会福祉法人を除きます。以下「新規設立法人」といいます。)のうち、その事業年度開始の日において特定要件に該当し、さらにその新規設立法人が特定要件に該当する旨の判定の基礎となった他の者および他の者と特殊な関係にある法人のうちいずれかの者(判定対象者)のその新規設立法人のその事業年度の基準期間に相当する期間(基準期間相当期間)における課税売上高が5億円を超える法人(注)(以下「特定新規設立法人」といいます。)については、その課税期間の納税義務は免除されません。

なお、「特定要件」および「特定要件に該当する旨の判定の基礎となった他の者および他の者と特殊な関係にある法人」については、国税庁質疑応答事例「特定新規設立法人の納税義務免除の特例(特定要件の判定)」および「特定新規設立法人の納税義務免除の特例(特殊関係法人の範囲)」をご参照ください。

(注)令和6年10月1日以後に開始する課税期間から、判定対象者の基準期間相当期間における課税売上高が5億円を超える場合又は売上金額、収入金額その他の収益の額の合計額が、国外におけるものも含め50億円を超える場合となります。この「売上金額、収入金額又はその他の収益の額の合計額」とは、国内において行われる資産の譲渡等の対価の額に限らず、国外において行われる資産の譲渡等の対価や資産の譲渡等の対価以外の収入も含みます。

新設法人および特定新規設立法人に該当することとなった場合の届出

基準期間のない事業年度開始の日において新設法人に該当することとなった場合には、「消費税の新設法人に該当する旨の届出書」を、また、特定新規設立法人に該当することとなった場合には、「消費税の特定新規設立法人に該当する旨の届出書」を納税地の所轄税務署長に提出することとされていますが、新設法人については、法人設立届出書に消費税の新設法人に該当する旨および所定の記載事項を記載して提出した場合には、「消費税の新設法人に該当する旨の届出書」の提出があったものとして取り扱われます。

基準期間がない課税期間中に調整対象固定資産を取得した場合の納税義務の免除の特例

新設法人および特定新規設立法人が、基準期間がない各課税期間中に調整対象固定資産(注)の課税仕入れや調整対象固定資産に該当する課税貨物の保税地域からの引取りを行い、かつ、その仕入れた日の属する課税期間の確定申告を一般課税で行う場合には、その調整対象固定資産の仕入れ等の日の属する課税期間の初日から原則として3年間は免税事業者となることはできません。また、その調整対象固定資産の仕入れ等を行った課税期間の初日から3年を経過する日の属する課税期間の初日の前日までの期間は「消費税簡易課税制度選択届出書」を提出することもできません。

(注) 「調整対象固定資産」とは、棚卸資産以外の資産で、建物およびその付属設備、構築物、機械および装置、船舶、航空機、車両および運搬具、工具、器具および備品、鉱業権その他の資産で、一の取引単位の価額(消費税および地方消費税に相当する額を除いた価額)が100万円以上のものをいいます。

対象者または対象物

設立1期目および2期目で一定の要件に該当する法人

根拠法令等

消法9、9の2、12の2、12の3、57、消規26、消基通1-5-15~22、1-5-23、1-6-1

関連リンク

◆関連する税務手続

[手続名]消費税の新設法人に該当する旨の届出手続

[手続名]消費税の特定新規設立法人に該当する旨の届出手続

◆関連する質疑応答事例《消費税》

特定新規設立法人の納税義務免除の特例(特定要件の判定)

特定新規設立法人の納税義務免除の特例(特殊関係法人の範囲)

関連コード

お問い合わせ先

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