[平成31年4月1日現在法令等]

 役員や使用人が海外の支店などに1年以上の予定で転勤した場合には、一般的には所得税法でいう非居住者、1年未満であれば居住者になります。
 ここでは、年の中途で非居住者になった役員や使用人に対する源泉徴収のしかたについて、海外に出国する前と出国した後に分けて順に説明します。

 まず、扶養控除等(異動)申告書を提出した居住者で、その年の年末調整の対象となるその年中に支払うべきことが確定した給与等の支給額が2,000万円以下である者が、1年以上の予定で海外に転勤することになった場合には、給与等の支払を行う者は、その居住者が海外に出国する日までに、年末調整をしなければなりません。
 なお、社会保険料生命保険料などの控除は、出国する日(居住者であった期間)までに支払われたものだけに限られます。
 しかし、扶養控除配偶者(特別)控除(年末調整に際して「配偶者控除等申告書」の提出が必要です。)などは、出国の時に控除の対象となる者に係る所得控除額を控除できます。控除対象となるかどうかは次により判定します。

  • (1)生計を一にしていたかどうか及び親族関係にあったかどうか・・・出国の時の現況
  • (2)合計所得金額の判定・・・出国の時の現況により見積もったその年の1月1日から12月31日までの合計所得金額

 次に、非居住者となった役員や使用人に出国後に給与等を支払う場合ですが、役員と使用人では、その取扱いが異なります。
 海外勤務に対する報酬であっても、内国法人の役員として受ける報酬は、国内源泉所得に該当することから、20.42%の税率で源泉徴収が必要です。
 ただし、その役員が、海外支店の支店長など使用人としての立場で常時海外において勤務している場合には、源泉徴収の必要はありません。
 非居住者となった使用人の海外における勤務に対する給与等は、国内源泉所得に該当しないことから源泉徴収の必要はありません。
 しかし、海外で勤務している使用人や使用人として常時海外で勤務している役員に対して国内において賞与、ボーナスなどが支払われ、その計算期間内に日本で勤務した期間が含まれている場合には、日本での勤務期間に対応する金額に対して20.42%の税率で源泉徴収が必要です。
 なお、給与等の計算期間の中途において居住者から非居住者となった場合、給与等の計算期間が1か月以下であれば、給与等の計算期間のうちに日本での勤務期間が含まれていても源泉徴収をしなくてもよいことになっています(給与等の全額が日本での勤務に対応する場合には、20.42%の税率で源泉徴収が必要です。)。

(所法2、7、85、161、162、164、190、212、213、所令285、復興財確法28、所基通85-1、161-41、161-42、190-1、212-5)

参考: 関連コード

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