1. 税理士の使命
  2. 税理士の業務
  3. 所属税理士
  4. 書面添付・意見聴取制度
  5. 税理士事務所
  6. 税理士法違反行為
  7. 税理士法人

 この「税理士制度のQ&A」は、税理士の方々が、税理士業務を行う中で、適正な業務運営を行っていただけるよう、税理士の業務、所属税理士制度、書面添付制度、税理士法違反行為及び税理士法人制度について分かりやすい形でお示しするため、Q&A形式により取りまとめたものです。このQ&Aでは、税理士の権利や使命及び税理士・税理士法人等に課せられた税理士法上の義務の内容、その義務違反を行った場合等の税理士・税理士法人に対する懲戒処分等の内容について、多数の具体事例を紹介し、説明しています。

 また、税理士法は、一定の場合を除いて、税理士・税理士法人でない者が税理士業務を行うことについても禁止していますが、これらの内容についても盛り込んでいます。

 さらに、平成14年4月に施行された税理士法は、所属税理士制度(旧補助税理士制度)・税理士法人制度の創設等大幅な改正内容となっていたため、国税庁と日本税理士会連合会との間で、双方の担当者による意見交換等(フォローアップ検討会)を行う場を設け、税理士法等に規定された事項をより明確化し、主要事項に関するポイントを示すとともに、関連する事項のQ&Aを示しておりました。その内容についても所要の整備を行った上で、このQ&Aに盛り込んでいます。

 なお、このQ&Aは、令和4年11月30日現在の法令等(税理士法関係規定については、令和4年度税制改正による税理士制度の見直しのうち令和5年4月1日施行する法令等)に基づいて作成しており、使用する略語・略称の意義は、次のとおりです。

略語・略称 意義
 税理士法(昭和26年6月15日法律第237号)
 税理士法施行令(昭和26年6月15日政令第216号)
 税理士法施行規則(昭和26年6月15日大蔵省令第55号)
告示  税理士等・税理士法人に対する懲戒処分等の考え方(平成20年3月31日財務省告示第104号)
基通  平成14年3月26日付官総6−11ほか1課共同「税理士法基本通達の制定について」(法令解釈通達)
税務署等  税務署及び国税局をいいます。
税理士  税理士法第18条の規定により、税理士名簿に登録を受けた者をいいます。
元税理士  税理士法第48条第1項に規定する税理士であつた者をいいます。
税理士法人  税理士法第48条の9の規定等により、税理士業務を組織的に行うことを目的として、税理士が共同して設立の登記をすることによって成立した法人をいいます。
通知弁護士  税理士法第51条第1項の規定により、国税局長に通知して税理士業務を行う弁護士をいいます。
通知弁護士法人等  税理士法第51条第3項の規定により、国税局長に通知して税理士業務を行う弁護士法人又は弁護士・外国法事務弁護士共同法人をいいます。
臨税許可者  税理士法第50条の規定により、国税局長に申請し、国税局長から租税の申告時期等において2月以内の期間を限り、かつ、国税局長から指定された租税に関して無報酬で申告書等の作成及びこれに関連する課税標準等の計算に関する事項について相談に応ずることを許可された者をいいます。
非税理士  税理士又は税理士法人(税理士法第50条、第51条又は第51条の2の規定により一定の税理士業務を行うことができる者を含みます。)でない者をいいます。
申告等  税理士法第2条第1項第1号に規定する、税務官公署(税関官署を除くものとし、国税不服審判所を含みます。以下同じです。)に対する租税に関する法令若しくは行政不服審査法の規定に基づく申告、申請、請求若しくは不服申立て(これらに準ずるものとして税理士法施行令第1条の2で定める行為を含むものとし、酒税法第2章の規定に係る申告、申請及び審査請求を除きます。)をいいます。
申告書等  税理士法第2条第1項第2号に規定する、税務官公署に対する申告等に係る申告書、申請書、請求書、不服申立書その他租税に関する法令の規定に基づき、作成し、かつ、税務官公署に提出する書類(その作成に代えて電磁的記録を作成する場合における当該電磁的記録も含みます。)で税理士法施行規則第1条で定めるものをいいます。
所属税理士  税理士法施行規則第8条第2号ロに規定する、税理士法第2条第3項の規定により税理士又は税理士法人の補助者として当該税理士の税理士事務所に勤務し、又は当該税理士法人に所属し、同項に規定する業務に従事する者をいいます。

《目 次》

1 税理士の使命

  1. 問1-1 税理士の使命とはどのようなものですか。

2 税理士の業務

  1. 問2-1 税理士業務とは、具体的にどのような業務なのですか。
  2. 問2-2 税理士業務を「業」として行うとはどういうことですか。
  3. 問2-3 税理士業務に付随しない会計帳簿の記帳の代行等は税理士法違反となるのですか。
  4. 問2-4 「税理士の業務の電子化等の推進」とは具体的にどういうことですか。

3 所属税理士

  1. 問3-1 税理士の登録は、開業税理士、所属税理士、社員税理士の3つに区分されていますが、登録する税理士はどのような判断基準をもって選択することになるのですか。
  2. 問3-2 所属税理士は、従事する税理士等が委嘱を受けた事案について、自らの名において税理士業務を行うことができることになっていますが、「自らの名において税理士業務を行う」とは具体的にどのようなことをいうのですか。
  3. 問3-3 法第30条の税務代理権限証書は、どのような税理士が提出するのですか。
  4. 所属税理士は提出することができるのですか。
  5. 問3-4 開業税理士が、他の税理士又は税理士法人の補助者として税理士業務を行うことはできるのですか。
  6. 問3-5 所属税理士が、従事する開業税理士又は税理士法人とは別の開業税理士等の補助者として税理士業務を行うことはできるのですか。
  7. 問3-6 所属税理士が補助者としてではなく、納税者と直接委嘱契約を行って税理士業務を行うことはできるのでしょうか。

4 書面添付・意見聴取制度

  1. 問4-1 書面添付制度の趣旨はどのようなものですか。
  2. 問4-2 書面添付制度の効果はどのようなものですか。
  3. 問4-3 法第33条の2の書面を申告書に添付して提出した場合には、当該申告書に係る税務調査は省略されるのですか。
  4. 問4-4 法第33条の2の書面を添付した申告書に係る納税者が調査対象とならない(意見聴取の対象とならない)場合、国税当局において、当該書面はどのように活用されるのですか。
  5. 問4-5 意見聴取はどのように行われるのですか。
    税理士から意見を述べるだけで、税務署・国税局から質問等は行われないのですか。
  6. 問4-6 事前通知前の意見聴取の際に非違事項が指摘されることはあるのですか。
    また、その指摘を受けて修正申告書を提出した場合には、加算税が賦課されることになるのですか。
  7. 問4-7 事前通知前の意見聴取はいつ頃行われますか。
  8. 問4-8 法第30条の書面の税理士と法第33条の2の書面の税理士とが異なる場合は、どちらの税理士に対して事前通知前の意見聴取が行われることになるのですか。
  9. 問4-9 税務代理権限証書を提出した開業税理士(又は税理士法人)に従事する所属税理士が、意見聴取の場に出席して意見を述べることはできますか。
  10. 問4-10 事前通知前の意見聴取が行われる場合、納税者を同席させてもよいのですか。
  11. 問4-11 事前通知前の意見聴取が行われた結果、帳簿調査(実地調査)が行われないこととなった場合、税理士に対して連絡はありますか。
  12. 問4-12 反面調査が行われる場合、当該反面調査先の申告書に法第33条の2の書面が添付されているときには、当該反面調査先の税理士に対して事前通知前の意見聴取は行われますか。
  13. 問4-13 法第33条の2の書面にはどのような内容を記載すればよいのですか。
    また、実際の事前通知前の意見聴取において、どのように意見を述べればよいのですか。
  14. 問4-14 法第33条の2の書面の1から4の欄に掲げる事項に記載することがない場合でも、同書面を提出することはできますか。
  15. 問4-15 法第33条の2の書面は、税理士独自の判断で添付することができますか。
  16. 問4-16 申告書を提出する際に申告書の作成に関する計算事項等記載書面及び申告書に関する審査事項等記載書面を添付し忘れた場合、後から同書面のみを提出することはできますか。
  17. 問4-17 法第33条の2の計算事項等記載書面等に、計算や整理等をした事項に関する書類を参考資料として添付して提出することはできますか。
  18. 問4-18 法第33条の2の書面を提出した後に、当該書面の誤りに気付いた場合、同書面を取り下げたり内容を修正したりすることはできますか。
  19. 問4-19 連結納税制度を適用している連結グループの各法人について、税務代理権限証書は各々どのように作成することとなりますか。
  20. 問4-20 連結子法人の個別帰属額等の届出に関して税務代理の委嘱を受ける税理士等は、税務代理権限証書を提出する義務がありますか。
  21. 問4-21 連結確定申告書に、法第33条の2に規定する添付書面を添付することができますか。
  22. 問4-22 連結子法人が提出する「個別帰属額等の届出書」には、法第33条の2に規定する書面を添付することができますか。
  23. 問4-23 連結所得に対する法人税に関し、連結法人に事前に通知して帳簿書類の調査が行われる場合、関与税理士等に対する法第34条の規定による通知はどのように行われますか。
  24. 問4-24 連結所得に対する法人税に関し、連結法人に事前に通知して帳簿調査を行う場合、連結確定申告書に法第33条の2に規定する書面が添付されていたときには、法第35条の規定による意見聴取はどのように行われますか。
  25. 問4-25 連結納税制度において、連結親法人が連結子法人の個別帰属額等の届出書を作成することは、法第52条に違反しませんか。
     また、連結子法人が連結親法人の連結確定申告書や他の連結子法人の個別帰属額の届出書を作成することは、法第52条に違反しませんか。
  26. 問4-26 連結納税制度を適用している法人の関与税理士等が法第33条の2に定める書面や税務代理権限証書を作成する際、一般の法人と違う記載をする必要がありますか。
  27. 問4-27 グループ通算制度を適用している通算グループ内の各通算法人について、税務代理権限証書は各々どのように作成することとなりますか。
  28. 問4-28 グループ通算制度を適用している通算グループ内の各法人に事前に通知して帳簿書類の調査が行われる場合、関与税理士等に対する法第34条の規定による通知はどのように行われますか。
  29. 問4-29 グループ通算制度において、通算親法人が通算子法人の確定申告書を作成することは、法第52条に違反しませんか。
  30. 問4-30 通算法人に事前に通知して帳簿調査を行う場合において、帳簿調査の対象となる事業年度のうちに連結事業年度が含まれているときにおける法第35条の規定による意見聴取はどうなりますか。

5 税理士事務所

  1. 問5-1 「税理士業務を行うための事務所」とは、どのようなものをいいますか。
  2. 問5-2 税理士業務の「本拠」とは、どのようなものですか。
  3. 問5-3 外部に対する表示がなければ、二ヵ所事務所に該当しませんか。
  4. 問5-4 税理士事務所を登録する際に留意すべき事項はありますか。

6 税理士法違反行為

  1. 問6-1 非税理士により行うことが禁止されている税理士業務とはどのようなものですか。
  2. 問6-2 他人の求めに応じ、業として、事業者から個人番号関係事務を受託し、事業者に代わり番号の収集、本人確認及び収集した番号を法定調書などに記載することは、非税理士により行うことが禁止されている税理士業務に該当しますか。
  3. 問6-3 他人の求めに応じ、業として、申告書等の作成ソフトを開発又は販売することは、非税理士により行うことが禁止されている税理士業務に該当しますか。
  4. 問6-4 税理士が遵守すべき税理士法上の義務等には、どのようなものがありますか。
  5. 問6-5 税理士法人が遵守すべき税理士法上の義務等には、どのようなものがありますか。
  6. 問6-6 税理士に対する懲戒処分の種類には、どのようなものがありますか。
  7. 問6-7 税理士に対する懲戒処分は、どのような場合に行われるのですか。
  8. 問6-8 税理士法人に対する処分は、どのような場合に行われ、どのような内容となるのですか。
  9. 問6-9 元税理士に対する処分は、どのような場合に行われますか。
  10. 問6-10 税理士、元税理士及び税理士法人に対する懲戒処分等は、どのような手続で行われるのですか。
  11. 問6-11 税理士及び元税理士や税理士法人に対する懲戒処分等は、どのような基準により、どのような考え方で行われるのですか。
  12. 問6-12 元税理士に対する「懲戒処分を受けるべきであつたことの決定」を受けた場合、どのような効果がありますか。
  13. 問6-13 法第45条第1項(故意による不真正の税務書類の作成等)の規定による懲戒処分は、どのような内容ですか。
  14. 問6-14 法第45条第2項(過失による不真正の税務書類の作成等)の規定による懲戒処分は、どのような内容ですか。
  15. 問6-15 「法第33条の2第1項若しくは第2項の規定により添付する書面に虚偽の記載」があったとして行われる法第46条の規定による懲戒処分は、どのような内容ですか。
  16. 問6-16 法第37条違反(自己脱税)があったとして行われる法第46条の規定による懲戒処分は、どのような内容ですか。
  17. 問6-17 法第37条違反(多額かつ反職業倫理的な自己申告漏れ)があったとして行われる法第46条の規定による懲戒処分は、どのような内容ですか。
  18. 問6-18 法第37条違反(調査妨害)があったとして行われる法第46条の規定による懲戒処分は、どのような内容ですか。
  19. 問6-19 法第37条違反(税理士業務を停止されている税理士への名義貸し)があったとして行われる法第46条の規定による懲戒処分は、どのような内容ですか。
  20. 問6-20 法第37条違反(業務け怠)があったとして行われる法第46条の規定による懲戒処分は、どのような内容ですか。
  21. 問6-21 法第37条違反(税理士会の会費の滞納)があったとして行われる法第46条の規定による懲戒処分は、どのような内容ですか。
  22. 問6-22 法第37条違反(その他反職業倫理的な行為)があったとして行われる法第46条の規定による懲戒処分は、どのような内容ですか。
  23. 問6-23 法第37条の2違反(非税理士に対する名義貸し)があったとして行われる法第46条の規定による懲戒処分は、どのような内容ですか。
  24. 問6-24 法第38条違反(秘密を守る義務違反)があったとして行われる法第46条の規定による懲戒処分は、どのような内容ですか。
  25. 問6-25 法第41条違反(帳簿作成の義務違反)があったとして行われる法第46条の規定による懲戒処分は、どのような内容ですか。
  26. 問6-26 法第41条の2違反(使用人等に対する監督義務違反)があったとして行われる法第46条の規定による懲戒処分は、どのような内容ですか。
  27. 問6-27 法第42条違反(業務の制限違反)があったとして行われる法第46条の規定による懲戒処分は、どのような内容ですか。
  28. 問6-28 税理士業務の停止処分違反があったとして行われる法第46条の規定による懲戒処分は、どのような内容ですか。
  29. 問6-29 法第40条第3項違反(2以上の事務所の設置)があったとして行われる法第46条の規定による懲戒処分は、どのような内容ですか。

7 税理士法人

  1. 問7-1 税理士法人の設立届出や、開業税理士又は所属税理士が税理士法人の社員税理士に就任する場合の税理士登録の変更手続は、いつまでに行う必要がありますか。
  2. 問7-2 税理士法人の業務の範囲を教えて下さい。
  3. 問7-3 法第2条の2により税理士が行える事務(補佐人)を税理士法人が受託するためには、定款の目的に記載する必要はありますか。
  4. 問7-4 税理士法人の業務の範囲として、例えば、保険代理店業務や不動産貸付業を行うことは認められるのですか。
  5. 問7-5 税理士法人が子会社や他の株式会社等に対して出資することにより、税理士業務以外の業務を行うことはできますか。
  6. 問7-6 税理士法人に課された権利や義務規定については、どのようなものがありますか。
  7. 問7-7 税理士法人の名称について、どのような規制がありますか。
  8. 問7-8 税理士法人に課せられた義務である「社員の常駐」とは、具体的にどのような状態でなければならないのですか。
  9. 問7-9 税理士法人の社員の禁止行為にはどのようなものがありますか。
  10. 問7-10 旧姓を使用している税理士が社員税理士となる場合、そのまま旧姓を使用することはできますか。
  11. 問7-11 税理士法人の社員は、一切個人としての税理士業務を行うことはできないのですか。
  12. 問7-12 会計業務を行う税理士法人の社員は、会計業務を行う他の法人の役員に就任することはできますか。
  13. 問7-13 税理士法人が懲戒処分を受けた場合、所属する社員税理士等にはどのような影響がありますか。
  14. 問7-14 社員税理士等が懲戒処分を受けた場合、当該社員税理士等が所属する税理士法人にはどのような影響がありますか。
  15. 問7-15 税理士法人が財務大臣による処分を受ける前に解散し、清算結了した場合はどうなるのですか。
  16. 問7-16 税理士法人の社員が死亡した場合、社員の地位の承継はどうなるのですか。