[令和8年4月1日現在法令等]
法人税
「中小企業技術基盤強化税制」は、中小企業者等が各事業年度において、試験研究費の額がある場合に、その試験研究費の額に一定割合を乗じて計算した金額を、その事業年度の法人税額から控除することを認めるものです。
この制度の適用を受けようとする事業年度において、その他特別税額控除制度の適用を受けようとする場合については、コード5450「法人税の額から控除される特別控除額の特例」を参照してください。
なお、通算法人は適用関係が一部異なります。
(注) この制度を適用する事業年度は、コード5442「一般試験研究費の額に係る税額控除制度」を適用することはできません。
この制度の対象となる試験研究費の額とは、次の1および2に掲げる金額の合計額(その金額に係る費用に充てるため他の者から支払を受ける金額がある場合には、その金額を控除した金額とし、その法人が内国法人である場合のその法人の国外事業所等を通じて行う事業に係る費用の額を除きます。)をいいます。
1 次に掲げる費用の額(売上原価等の原価の額を除きます。)で各事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入されるもの
(1) 製品の製造または技術の改良、考案もしくは発明に係る試験研究(新たな知見を得るためまたは利用可能な知見の新たな応用を考案するために行うものに限ります。)のために要する費用(研究開発費として損金経理をした金額のうち、下記2の固定資産または繰延資産の償却費、除却による損失および譲渡による損失を除きます。以下(2)において同じです。)で次に掲げるもの
イ その試験研究を行うために要する原材料費、人件費(専門的知識をもってその試験研究の業務に専ら従事する者に係るものに限ります。)および経費
ロ 他の者に委託をして試験研究を行う法人(人格のない社団等を含みます。)のその試験研究のためにその委託を受けた者に対して支払う費用(注2)
ハ 技術研究組合法第9条第1項の規定により賦課される費用
(2) 対価を得て提供する新たな役務の開発に係る試験研究として、次に掲げるもののすべてが行われる場合のその試験研究(その役務の開発を目的として、次のイ(イ)の方法によって情報を収集し、またはその情報を取得する場合には、その収集または取得を含みます。)のために要する費用で一定のもの(注1)
イ 次に掲げる情報について、一定の法則を発見するために、情報解析専門家(※)により専ら情報の解析を行う機能を有するソフトウエア(これに準ずるソフトウエアを含みます。)を用いて行われる分析
(イ) 大量の情報を収集する機能を有し、その機能の全部または主要な部分が自動化されている機器または技術を用いる方法によって収集された情報
(ロ) (イ)に掲げるもののほか、その法人が有する情報で、その法則の発見が十分見込まれる量のもの
(※) 情報解析専門家とは、上記の情報の解析に必要な確率論および統計学に関する知識ならびに情報処理に関して必要な知識を有すると認められる者をいいます。
ロ 上記イの分析により発見された法則を利用したその役務の設計
ハ 上記ロの設計について、その法則が予測と結果の一致することの蓋然性が高いなど妥当であると認められるものであることおよびその法則を利用したその役務がその目的に照らして適当であると認められるものであることの確認
(注1) 「一定のもの」とは、次の費用をいいます。
① その試験研究を行うために要する原材料費、人件費(情報解析専門家でその試験研究の業務に専ら従事する者に係るものに限ります。以下①において同じです。)および経費(外注費にあっては、これらの原材料費および人件費に相当する部分ならびにその試験研究を行うために要する経費に相当する部分(外注費に相当する部分を除きます。)に限ります。)
② 他の者に委託をして試験研究を行うその法人のその試験研究のためにその委託を受けた者に対して支払う費用(上記①の原材料費、人件費および経費に相当する部分に限ります。)(注2)
(注2) 他の者に委託する試験研究(契約または協定により委託する試験研究でその委託に基づき行われる試験研究が国外において行われるものに限ります。)に係る試験研究費の額にあっては、令和8年度税制改正にて、次の試験研究費の額の区分に応じた金額が税額控除の対象とされました。
① 医薬品、医療機器又は再生医療等製品(以下「医薬品等」といいます。)に係る試験研究のうちその医薬品等の有効性および安全性の確認のために行う臨床試験(科学的な質および成績の信頼性が確保されていると認められる一定のものに限ります。)の委託に係る試験研究費の額については、その試験研究費の額の全額
② 上記①以外(以下「国外委託試験研究」といいます。)の試験研究費の額については、その試験研究費の額の50パーセント相当額(令和8年4月1日から令和9年3月31日までの間に開始する事業年度については70パーセント相当額、令和9年4月1日から令和10年3月31日までの間に開始する事業年度については60パーセント相当額)
2 上記1(1)または(2)に掲げる費用の額で各事業年度において研究開発費として損金経理をした金額のうち、棚卸資産もしくは固定資産(事業の用に供する時において上記1(1)の試験研究または上記1(2)の試験研究の用に供する固定資産を除きます。)の取得に要した金額とされるべき費用の額または繰延資産(上記1(1)の試験研究または上記1(2)の試験研究のために支出した費用に係る繰延資産を除きます。)となる費用の額
1 中小企業者等税額控除限度額
中小企業者等税額控除限度額は、控除対象試験研究費の額(国外委託試験研究に係る試験研究費の額に一定の割合(上記「試験研究費の額」(注2)②参照)を乗じた金額と国外委託試験研究以外の試験研究に係る研究開発費との合計額をいいます。)に次の(1)から(4)までに掲げる事業年度応じ、それぞれ次により税額控除割合(小数点以下3位未満切捨て)を乗じて計算した金額となります(税額控除割合は17パーセントが上限)。
(注) 用語については、コード5442「一般試験研究費の額に係る税額控除制度」の「用語の説明」を参照してください。
(1) 以下(2)から(4)までのいずれにも該当しない事業年度
税額控除割合=12パーセント
(2) 増減試験研究費割合が12パーセントを超える事業年度(設立事業年度、比較試験研究費の額が0である事業年度および試験研究費割合が10パーセントを超える事業年度を除きます。)
税額控除割合=12%+{(増減試験研究費割合-12%)×0.375}
(3) 試験研究費割合が10パーセントを超える事業年度(設立事業年度および比較試験研究費の額が0である事業年度のいずれにも該当しない事業年度で増減試験研究費割合が12パーセントを超える事業年度を除きます。)
税額控除割合=12%+(12%×控除割増率(※))
(※) 控除割増率(上限10パーセント)=(試験研究費割合-10%)×0.5
(4) 増減試験研究費割合が12パーセントを超え、かつ、試験研究費割合が10パーセントを超える事業年度(設立事業年度および比較試験研究費の額が0である事業年度を除きます。)
税額控除割合=(上記(2)の割合)+{(上記(2)の割合)×控除割増率(※)}
(※) 控除割増率(上限10パーセント)=(試験研究費割合-10%)×0.5
2 中小企業者等税額控除上限額
上記1の中小企業者等税額控除限度額がその事業年度の調整前法人税額の25パーセントに相当する金額を超える場合には、その25パーセントに相当する金額が税額控除の上限額となります。
ただし、その事業年度が次に掲げる事業年度に該当する場合には、上記の25パーセントに相当する金額にそれぞれ次の金額を加算した金額が、その事業年度の税額控除上限額となります。
なお、下記の(1)と(2)については、重複適用することができません((1)が優先適用されます。)。
(1) 増減試験研究費割合が12パーセントを超える事業年度
上乗せ額=調整前法人税額×10%
(2) 試験研究費割合が10パーセントを超える事業年度
上乗せ額=調整前法人税額×{(試験研究費割合-10%)×2}(※)
(※) {(試験研究費割合-10%)×2}の割合は、10パーセントが上限(小数点以下3位未満切捨て)
3 繰越税額控除限度超過額の繰越し(繰越税額控除制度)
上記1の中小企業者等税額控除限度額が、上記2の中小企業者等税額控除上限額を超えるために、その事業年度において中小企業者等税額控除限度額の全部を控除しきれなかった場合には、その控除しきれなかった金額(以下「繰越税額控除限度超過額」といいます。)について3年間の繰越しができます。ただし、繰越税額控除の適用を受けようとする事業年度において試験研究費の額が比較試験研究費の額を超える場合に限り適用できます。また、一般試験研究費の額に係る税額控除制度の適用を受ける事業年度は適用できません。
この制度の適用対象法人は、青色申告書を提出する中小企業者または農業協同組合等です。
中小企業者とは、基本的に資本金1億円以下の法人をいいますが、詳細については、コード5432「措置法上の中小法人及び中小企業者」の「研究開発税制に規定する中小企業者」を参照してください。
この制度の適用対象年度は、次に掲げる事業年度以外の事業年度です。
1 コード5442「一般試験研究費の額に係る税額控除制度」の適用を受ける事業年度
2 解散(合併による解散を除きます。)の日を含む事業年度
3 清算中の各事業年度
1 税額控除の適用を受けるためには、控除の対象となる控除対象試験研究費の額、試験研究費の額および控除を受ける金額を確定申告書等に記載するとともに、その金額の計算に関する明細書を添付して申告する必要があります。
2 繰越税額控除限度超過額の繰越税額控除を受けるためには、繰越税額控除限度超過額が生じた事業年度以後の各事業年度(繰越税額控除の適用を受けない事業年度を含みます。)の確定申告書に繰越税額控除限度超過額の明細書を添付して申告する必要があり、かつ、繰越税額控除限度超過額の繰越税額控除を受けようとする事業年度の確定申告書等に、控除の対象となる繰越税額控除限度超過額、控除を受ける金額およびその金額の計算に関する明細書を添付して申告する必要があります。
減価償却資産の取得価額のうちに試験研究費の額が含まれる場合において、その試験研究費の額について本制度による税額控除の適用を受けたときは、その減価償却資産については、他の制度による特別償却または他の制度による税額控除の規定の重複適用は認められません。
措法42の4、53、措令27の4、措規20、令8改正法附則51
国税に関するご相談は、税についての相談窓口をご覧ください。