[令和2年4月1日現在法令等]

1 制度の概要

「中小企業技術基盤強化税制」は、中小企業者等が各事業年度において、損金の額に算入される試験研究費の額がある場合に、その試験研究費の額に一定割合を乗じて計算した金額を、その事業年度の法人税額から控除することを認めるものです。

(注) この制度は、「試験研究費の総額に係る税額控除制度」との重複適用はできません。

2 適用対象法人

この制度の適用対象法人は、青色申告書を提出する中小企業者又は農業協同組合等です。

中小企業者とは、次に掲げる法人をいいます。なお、平成31年4月1日以後に開始する事業年度においては、中小企業者のうち適用除外事業者(その事業年度開始の日前3年以内に終了した各事業年度の所得金額の年平均額が15億円を超える法人等をいいます。)に該当するものは除かれます。

  1. (1) 資本金の額又は出資金の額が1億円以下の法人のうち次に掲げる法人以外の法人
    • イ その発行済株式又は出資(平成31年4月1日以後に開始する事業年度においては、自己の株式又は出資を除きます。以下同じです。)の総数又は総額の2分の1以上を同一の大規模法人に所有されている法人
    • ロ 上記イのほか、その発行済株式又は出資の総数又は総額の3分の2以上を複数の大規模法人に所有されている法人
    • (注) 大規模法人とは、次に掲げる法人をいい、中小企業投資育成株式会社を除きます。なお、(3)及び(4)に掲げる法人については、平成31年4月1日以後に開始する事業年度において、大規模法人となります。
      • (1) 資本金の額又は出資金の額が1億円を超える法人
      • (2) 資本又は出資を有しない法人のうち常時使用する従業員の数が1,000人を超える法人
      • (3) 大法人(次に掲げる法人をいいます。以下同じです。)との間にその大法人による完全支配関係がある法人
        • イ 資本金の額又は出資金の額が5億円以上の法人
        • ロ 相互会社及び外国相互会社のうち、常時使用する従業員の数が1,000人を超える法人
        • ハ 受託法人
      • (4) 100%グループ内の複数の大法人に発行済株式又は出資の全部を直接又は間接に保有されている法人((3)に掲げる法人を除きます。)
    • ハ 受託法人
  2. (2) 資本又は出資を有しない法人のうち常時使用する従業員の数が1,000人以下の法人(受託法人を除きます。)

3 適用対象年度

この制度の適用対象年度は、次に掲げる事業年度以外の事業年度です。

  1. (1) 「試験研究費の総額に係る税額控除制度」の適用を受ける事業年度
  2. (2) 解散(合併による解散を除きます。)の日を含む事業年度
  3. (3) 清算中の各事業年度

4 試験研究費の額

この制度の対象となる試験研究費とは、製品の製造若しくは技術の改良、考案若しくは発明に係る試験研究のために要する一定の費用又は対価を得て提供する新たな役務の開発に係る試験研究(以下「新サービス研究」といいます。)として次に掲げるものの全てが行われる場合のその試験研究のために要する一定の費用をいいます。ただし、試験研究費に充てるために他の者から支払を受ける金額がある場合には、その金額を控除した金額が試験研究費の額となります。

  1. (1) 大量の情報を収集する機能を有し、その機能の全部、主要な部分が自動化されている機器又は技術を用いて行われる情報の収集
  2. (2) その収集により蓄積された情報について、一定の法則を発見するために、情報解析専門家(※)により専ら情報の解析を行う機能を有するソフトウェア(これに準ずるソフトウェアを含みます。)を用いて行われる分析

    (※) 情報解析専門家とは、情報の解析に必要な確率論及び統計学に関する知識並びに情報処理に関して必要な知識を有すると認められる者をいいます。

  3. (3) その分析により発見された法則を利用した新サービスの設計
  4. (4) その発見された法則が予測と結果の一致度が高い等妥当であると認められるものであること及びその発見された法則を利用した新サービスがその目的に照らして適当であると認められるものであることの確認

(注) 上記の「一定の費用」とは、次の費用をいいます。

  1. (1) 製品の製造又は技術の改良、考案若しくは発明に係る試験研究のために要する一定の費用
    1. イ その試験研究を行うために要する原材料費、人件費(専門的知識をもってその試験研究の業務に専ら従事する者に係るものに限ります。)及び経費
    2. ロ 他の者に委託をして試験研究を行う法人(人格のない社団等を含みます。)のその試験研究のためにその委託を受けた者に対して支払う費用
    3. ハ 技術研究組合法第9条第1項の規定により賦課される費用
  2. (2) 新サービス研究のために要する一定の費用
    1. イ その試験研究を行うために要する原材料費、人件費(情報解析専門家でその試験研究の業務に専ら従事する者に係るものに限ります。)及び経費(外注費にあっては、これらの原材料費及び人件費に相当する部分並びにその試験研究を行うために要する経費に相当する部分(外注費に相当する部分を除きます。)に限ります。)
    2. ロ 他の者に委託をして試験研究を行うその法人のその試験研究のためにその委託を受けた者に対して支払う費用(イの原材料費、人件費及び経費に相当する部分に限ります。)

(注) 新サービス研究に係る試験研究費は、平成29年4月1日以後に開始する事業年度分から対象となります。

5 中小企業者等税額控除限度額

  • (1) 平成31年4月1日以後に開始する事業年度
     中小企業者等のその事業年度の調整前法人税額から、次に掲げる場合の区分に応じて計算した中小企業者等税額控除限度額を控除します。
    • イ 増減試験研究費割合が8%以下又は適用を受ける事業年度が設立事業年度である場合
    •  中小企業者等税額控除限度額=試験研究費の額×12%
    •   この場合において、中小企業者等税額控除限度額が、中小企業者等のその事業年度の調整前法人税額の25%に相当する金額を超えるときは、その控除を受ける金額(税額控除上限額)は、その25%に相当する金額が限度となります。
    • ロ 増減試験研究費割合が8%超の場合の上乗せ措置
       12%に、増減試験研究費割合から8%を控除した割合に0.3を乗じて計算した割合を加算した割合(小数点以下3位未満切捨て、17%を超える場合は17%)を試験研究費の額に乗じて計算した金額
    •  中小企業者等税額控除限度額=試験研究費の額×{12%+(増減試験研究費割合-8%)×0.3}
      (12%≦控除割合≦17%)
       この場合において、中小企業者等税額控除限度額が、中小企業者等のその事業年度の調整前法人税額の35%に相当する金額を超えるときは、その控除を受ける金額(税額控除上限額)は、その35%に相当する金額が限度となります。
    • ハ 試験研究費割合が10%を超える場合
       イ及びロにより算出した割合に、その算出した割合に控除割増率(試験研究費割合から10%を控除した割合に0.5を乗じた割合(10%を上限とします。))を乗じて計算した割合を加算した割合(小数点以下3位未満切捨て)を試験研究費の額に乗じて計算した金額
      • (イ) 増減試験研究費割合が8%以下の場合
        中小企業者等税額控除限度額=試験研究費の額×[12%×{1+試験研究費割合-10%)×0.5}]
        (12%≦控除割合≦13.2%)
         この場合において、中小企業者等税額控除限度額が、中小企業者等のその事業年度の調整前法人税額の25%に相当する金額に、その調整前法人税額に試験研究費割合から10%を控除した割合に2を乗じて計算した割合(小数点以下3位未満切捨て、10%を超える場合は10%。)を乗じて計算した金額を加算した金額を超えるときは、その控除を受ける金額(税額控除上限額)は、その加算した金額が限度となります。
        税額控除上限額=調整前法人税額×{25%+(試験研究費割合-10%)×2}
        (25%≦上限割合≦35%)
      • (ロ) 増減試験研究費割合が8%超の場合
        中小企業者等税額控除限度額=試験研究費の額×[{12%+(増減試験研究費割合-8%×0.3}×{1+(試験研究費割合-10%)×0.5}]
        (12%≦控除割合≦17%)
         この場合において、中小企業者等税額控除限度額が、中小企業者等のその事業年度の調整前法人税額の35%に相当する金額を超えるときは、その控除を受ける金額(税額控除上限額)は、その35%に相当する金額が限度となります。
      • (注1) 調整前法人税額とは、研究開発税制など一定の規定を適用しないで計算した場合の法人税の額をいいます。
      • (注2) 税額控除割合に小数点以下3位未満の端数(%表示にあっては、小数点以下1位未満の端数)があるときは、これを切り捨てます。
      • (注3) 「増減試験研究費割合」とは、増減試験研究費の額(所得の金額の計算上損金の額に算入される試験研究費の額から比較試験研究費の額を減算した金額)の比較試験研究費の額に対する割合をいいます。 増減試験研究費割合の式
      • (注4) 「比較試験研究費の額」とは、当期の開始の日前3年以内に開始した各事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入される試験研究費の額の合計額をその3年以内に開始した各事業年度の数で除して計算した金額をいいます。
      • (注5) 「試験研究費割合」とは、所得の金額の計算上損金の額に算入される試験研究費の額の平均売上金額に対する割合をいいます。 試験研究費割合の式
      • (注6) 「平均売上金額」とは、当期の売上金額及び当期の開始の日前3年以内に開始した各事業年度(以下「売上調整年度」といいます。)の売上金額の合計額をその各売上調整年度の数+1で除して計算した金額をいいます。
  • (2) 平成29年4月1日から平成31年3月31日までに開始する事業年度
    中小企業者等のその事業年度の調整前法人税額から、次に掲げる区分に応じて計算した金額(中小企業等税額控除限度額)を控除します。
    • イ 増減試験研究費割合が5%以下又は適用を受ける事業年度が設立事業年度である場合
      中小企業者等税額控除限度額=試験研究費の額×12%
       この場合において、中小企業者等税額控除限度額が、中小企業者等のその事業年度の調整前法人税額の25%に相当する金額を超えるときは、その控除を受ける金額(税額控除上限額)は、その25%に相当する金額が限度となります。
       なお、試験研究費割合が10%を超える場合には、その控除を受ける金額(税額控除上限額)は、その25%に相当する金額に、その調整前法人税額に試験研究費割合から10%を控除した割合に2を乗じて計算した割合(少数点以下3位未満切捨て、10%を超える場合は10%。)を乗じて計算した金額を加算した金額が限度となります。
      税額控除上限額=調整前法人税額×{25%+(試験研究費割合-10%)×2}
      (25%≦上限割合≦35%)
    • ロ 増減試験研究費割合が5%超の場合
       12%に、増減試験研究費割合から5%を控除した割合に0.3を乗じて計算した割合を加算した割合(小数点以下3位未満切捨て、17%を超える場合は17%)を試験研究費の額に乗じて計算した金額
       中小企業者等税額控除限度額=試験研究費の額×{12%+(増減試験研究費割合-5%)×0.3}
      (12%≦控除割合≦17%)
       この場合において、中小企業者等税額控除限度額が、中小企業者等のその事業年度の調整前法人税額の35%に相当する金額を超えるときは、その控除を受ける金額(税額控除上限額)は、その35%に相当する金額が限度となります。

6 その他注意事項

この制度の適用を受けるためには、控除の対象となる試験研究費の額及び控除を受ける金額を確定申告書等に記載するとともに、その金額の計算に関する明細書を添付して申告する必要があります。

(措法42の4、旧措法42の4の2、措令27の4、措規20、平29改正法附則61)

参考: 関連コード

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