[令和3年9月1日現在法令等]

対象税目

法人税

概要

「一般試験研究費の額に係る税額控除制度」は、各事業年度において、試験研究費の額がある場合に、その試験研究費の額に一定割合を乗じて計算した金額を、その事業年度の法人税額から控除することを認めるものです。

(注) この制度は、コード5444「中小企業技術基盤強化税制」との重複適用は認められません。

試験研究費の額

この制度の対象となる試験研究費の額とは、次の1および2に掲げる金額の合計額(その金額に係る費用に充てるため他の者から支払を受ける金額がある場合には、その金額を控除した金額となります。)をいいます。

1 次に掲げる費用の額(売上原価等の原価の額を除きます。)で各事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入されるもの

(1) 製品の製造または技術の改良、考案もしくは発明に係る試験研究(新たな知見を得るためまたは利用可能な知見の新たな応用を考案するために行うものに限ります。)のために要する費用(研究開発費として損金経理をした金額のうち、下記2の固定資産または繰延資産の償却費、除却による損失および譲渡による損失の額を除きます。)で次に掲げるもの

イ その試験研究を行うために要する原材料費、人件費(専門的知識をもってその試験研究の業務に専ら従事する者に係るものに限ります。)および経費

ロ 他の者に委託をして試験研究を行う法人(人格のない社団等を含みます。)のその試験研究のためにその委託を受けた者に対して支払う費用

ハ 技術研究組合法第9条第1項の規定により賦課される費用

(2) 対価を得て提供する新たな役務の開発に係る試験研究(以下「新サービス研究」といいます。)として次に掲げるもののすべてが行われる場合のその試験研究のために要する一定の費用(注)

イ 大量の情報を収集する機能を有し、その機能の全部、主要な部分が自動化されている機器または技術を用いて行われる情報の収集

ロ その収集により蓄積された情報について、一定の法則を発見するために、情報解析専門家(※)により専ら情報の解析を行う機能を有するソフトウェア(これに準ずるソフトウェアを含みます。)を用いて行われる分析

(※) 情報解析専門家とは、情報の解析に必要な確率論および統計学に関する知識ならびに情報処理に関して必要な知識を有すると認められる者をいいます。

ハ その分析により発見された法則を利用した新サービスの設計

ニ その発見された法則が予測と結果の一致度が高い等妥当であると認められるものであることおよびその発見された法則を利用した新サービスがその目的に照らして適当であると認められるものであることの確認

(注) 上記の「一定の費用」とは、次の費用をいいます。

① その試験研究を行うために要する原材料費、人件費(情報解析専門家でその試験研究の業務に専ら従事する者に係るものに限ります。)および経費(外注費にあっては、これらの原材料費および人件費に相当する部分ならびにその試験研究を行うために要する経費に相当する部分(外注費に相当する部分を除きます。)に限ります。)

② 他の者に委託をして試験研究を行うその法人のその試験研究のためにその委託を受けた者に対して支払う費用(①の原材料費、人件費および経費に相当する部分に限ります。)

2 上記1(1)または(2)に掲げる費用の額で各事業年度において研究開発費として損金経理をした金額のうち、棚卸資産もしくは固定資産(事業の用に供する時において試験研究の用に供する固定資産を除きます。)の取得に要した金額とされるべき費用の額または繰延資産(試験研究のために支出した費用に係る繰延資産を除きます。)となる費用の額

(注) 令和3年4月1日前に開始した事業年度については、上記2の額がこの制度の対象となる試験研究費の額に含まれず、新たな知見を得るためまたは利用可能な知見の新たな応用を考案するために行う試験研究に該当しない試験研究のために要する費用の額がこの制度の対象となる試験研究費の額に含まれるなど、対象となる試験研究費の額が異なります。

税額控除限度額

令和3年4月1日から令和5年3月31日までの間に開始する事業年度

1 税額控除限度額

税額控除限度額は、試験研究費の額に次の区分に応じそれぞれ次により計算した税額控除割合(小数点以下3位未満切捨て)を乗じて計算した金額となります。

(1) 試験研究費割合が10パーセント以下の場合

イ 増減試験研究費割合が9.4パーセントを超える場合(ハに掲げる場合を除きます。)

税額控除割合(14%を上限)=10.145%+{(増減試験研究費割合-9.4%)×0.35}

ロ 増減試験研究費割合が9.4パーセント以下である場合(ハに掲げる場合を除きます。)

税額控除割合(2%を下限)=10.145%-{(9.4%-増減試験研究費割合)×0.175}

ハ 設立事業年度である場合または比較試験研究費の額が0である場合

税額控除割合=8.5%

(2) 試験研究費割合が10パーセントを超える場合

税額控除割合(上限14%)=(上記(1)イ、ロまたはハの割合)+{(上記(1)イ、ロまたはハの割合)×控除割増率(※)}

(※) 控除割増率(上限10%)=(試験研究費割合-10%)×0.5

2 税額控除上限額

上記1の税額控除限度額がその事業年度の調整前法人税額の25パーセントに相当する金を超える場合には、その25パーセントに相当する金額が税額控除の上限額となります。

ただし、その事業年度が次に掲げる事業年度に該当する場合には、上記の25パーセントに相当する金額にそれぞれ次の金額を加算した金額が、その事業年度の税額控除上限額となります。

なお、下記の(1)と(2)または(2)と(3)は重複適用できますが、(1)と(3)については重複適用することができません。

(1) 研究開発を行う一定のベンチャー企業に該当する事業年度

上乗せ額=調整前法人税額×15%

(2) 試験研究費割合が10パーセントを超える事業年度

上乗せ額=調整前法人税額×{(試験研究費割合-10%)×2}(※)

(※) {(試験研究費割合-10%)×2}は10パーセントを上限

(3) 基準年度比売上金額減少割合が2パーセント以上であり、かつ、試験研究費の額が基準年度試験研究費の額を超える事業年度

上乗せ額=調整前法人税額×5%

平成31年4月1日から令和3年3月31日までの間に開始した事業年度

1 税額控除限度額

税額控除限度額は、試験研究費の額に次の区分に応じそれぞれ次により計算した税額控除割合(小数点以下3位未満切捨て)を乗じて計算した金額となります。

(1) 試験研究費割合が10パーセント以下の場合

イ 増減試験研究費割合が8パーセントを超える場合(ハに掲げる場合を除きます。)

税額控除割合(14%を上限)=9.9%+{(増減試験研究費割合-8%)×0.3}

ロ 増減試験研究費割合が8パーセント以下である場合(ハに掲げる場合を除きます。)

税額控除割合(6%を下限)=9.9%-{(8%-増減試験研究費割合)×0.175}

ハ 設立事業年度である場合または比較試験研究費の額が0である場合

税額控除割合=8.5%

(2) 試験研究費割合が10パーセントを超える場合

税額控除割合(上限14%)=(上記(1)イ、ロまたはハの割合)+{((1)イ、ロまたはハの割合)×控除割増率(※)}

(※) 控除割増率(上限10%)=(試験研究費割合-10%)×0.5

2 税額控除上限額

上記1の税額控除限度額がその事業年度の調整前法人税額の25パーセントに相当する金を超える場合には、その25パーセントに相当する金額が税額控除の上限額となります。

ただし、その事業年度が、次に掲げる事業年度に該当する場合には、上記の25パーセントに相当する金額にそれぞれ次の金額を加算した金額が、その事業年度の税額控除上限額となります。

なお、下記の(1)と(2)については重複適用できます。

(1) 研究開発を行う一定のベンチャー企業に該当する事業年度

上乗せ額=調整前法人税額×15%

(2) 試験研究費割合が10%を超える事業年度

上乗せ額=調整前法人税額×{(試験研究費割合-10%)×2}(※)

(※) {(試験研究費割合-10%)×2}は10%を上限

(注1) 「増減試験研究費割合」とは、増減試験研究費の額(その適用を受ける事業年度の試験研究費の額から比較試験研究費の額を減算した金額)の比較試験研究費の額に対する割合をいいます。

(注2) 「比較試験研究費の額」とは、その適用を受ける事業年度開始の日前3年以内に開始した各事業年度の試験研究費の額の合計額をその各事業年度の数で除して計算した金額をいいます。

(注3) 「試験研究費割合」とは、その適用を受ける事業年度の試験研究費の額の平均売上金額に対する割合をいいます。

(注4) 「平均売上金額」とは、その適用を受ける事業年度およびその事業年度開始の日前3年以内に開始した各事業年度の売上金額(一定のものに限ります。以下同じです。)の平均額をいいます。

(注5) 「調整前法人税額」とは、研究開発税制など一定の規定を適用しないで計算した場合の法人税の額をいいます。

(注6) 「基準年度比売上金額減少割合」とは、その適用を受ける事業年度の売上金額が令和2年2月1日前に最後に終了した事業年度の売上金額に満たない場合のその満たない部分の金額のその最後に終了した事業年度の売上金額に対する割合をいいます。

(注7) 「基準年度試験研究費の額」とは、令和2年2月1日前に最後に終了した事業年度の試験研究費の額をいいます。

対象者または対象物

この制度の適用対象法人は、青色申告法人(人格のない社団等を含みます。)です。

対象期間

適用の対象となる期間(年度)

この制度の適用対象事業年度は、次に掲げる事業年度以外の事業年度です。

(1) 解散(合併による解散を除きます。)の日を含む事業年度

(2) 清算中の各事業年度

手続き

この制度の適用を受けるためには、控除の対象となる試験研究費の額および控除を受ける金額を確定申告書等に記載するとともに、その金額の計算に関する明細書を添付して申告する必要があります。

注意事項

中小企業者(注1)または農業協同組合等以外の法人が、平成30年4月1日から令和6年3月31日までの間に開始する各事業年度において次の1および2の要件のいずれにも該当しない場合(その事業年度の所得金額が前事業年度の所得金額以下である場合を除きます。)には、適用できません。

1 継続雇用者給与等支給額 (注2) > 継続雇用者比較給与等支給額 (注3)

2 国内設備投資額 (注4) > 当期償却費総額 (注5) × 30パーセント

(注1) 中小企業者とは、次のイおよびロに掲げる法人をいいます。ただし、中小企業者のうち適用除外事業者(その事業年度開始の日前3年以内に終了した各事業年度の所得金額の年平均額が15億円を超える法人等をいいます。)に該当するものは除かれます。

イ 資本金の額または出資金の額が1億円以下の法人のうち次の(イ)から(ハ)に掲げる法人以外の法人

(イ) その発行済株式または出資(自己の株式または出資を除きます。以下同じです。)の総数または総額の2分の1以上を同一の大規模法人(※)に所有されている法人

(ロ) 上記(イ)のほか、その発行済株式または出資の総数または総額の3分の2以上を複数の大規模法人(※)に所有されている法人

(ハ) 受託法人

ロ 資本または出資を有しない法人のうち常時使用する従業員の数が1,000人以下の法人(受託法人を除きます。)

(※) 大規模法人とは、次のイからニに掲げる法人をいい、中小企業投資育成株式会社を除きます。

イ 資本金の額または出資金の額が1億円を超える法人

ロ 資本または出資を有しない法人のうち常時使用する従業員の数が1,000人を超える法人

ハ 大法人(次の(イ)から(ハ)に掲げる法人をいいます。以下同じです。)との間にその大法人による完全支配関係がある法人

(イ)資本金の額または出資金の額が5億円以上の法人

(ロ)相互会社および外国相互会社のうち、常時使用する従業員の数が1,000人を超える法人

(ハ)受託法人

ニ 100パーセントグループ内の複数の大法人に発行済株式または出資の全部を直接または間接に保有されている法人(ハに掲げる法人を除きます。)

(注2) 継続雇用者給与等支給額とは、法人の適用年度および前事業年度の期間内の各月においてその法人の給与等の支給を受けた国内雇用者(雇用保険法の一般被保険者に限られ、高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の継続雇用制度の対象者を除くこととされています。以下「継続雇用者」といいます。)に対する適用年度の給与等の支給額(その給与等に充てるために他の者から支払を受ける金額(雇用安定助成金額を除きます。)(※)がある場合には、その金額を控除した金額になります。以下同じです。)をいいます。

(※)令和3年4月1日前に開始した事業年度については、上記の「給与等に充てるために他の者から支払を受ける金額」には雇用安定助成金額を含みます。

(注3) 継続雇用者比較給与等支給額とは、法人の継続雇用者に対する前事業年度の給与等の支給額をいいます。

(注4) 国内設備投資額とは、法人が適用年度において取得等をした国内にある法人の事業の用に供する法人税法施行令第13条各号に掲げる資産(時の経過によりその価値の減少しないものは除きます。)でその適用年度終了の日において有するものの取得価額の合計額をいいます。

(注5) 当期償却費総額とは、法人が有する減価償却資産につき適用年度においてその償却費として損金経理をした金額の合計額をいいます。

根拠法令等

措法42の4、42の13、措令27の4、27の13、措規20、令3改正法附則43

関連コード

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