[令和6年4月1日現在法令等]

対象税目

所得税

概要

事業所得等を生ずべき業務を行う居住者の方が、修理、改良その他その名目を問わず、その業務の用に供する固定資産について支出する金額で、資産の使用可能期間を延長させる部分又は資産の価値を増加させる部分のいずれかに該当する金額(そのいずれにも該当するときは、いずれか多い方の金額)を資本的支出とし、原則として、その資本的支出を行った減価償却資産と種類及び耐用年数を同じくする減価償却資産を新たに取得したものとして、償却費の額を計算します。

なお、資産の通常の維持管理又は資産の原状回復のいずれかに該当する金額は修繕費として、支出した年分の必要経費に算入します。

(注) 一般に修繕費といわれるものでも固定資産の使用可能期間を延長または価額を増加させたりする部分の支出は資本的支出とされ、修繕費とは区別されます(詳細は、コード1379「修繕費とならないものの判定」を参照してください。)。

資本的支出を行った場合の減価償却

資本的支出を行った場合の減価償却は次のようになります。

1 平成19年3月31日以前に行った資本的支出

その資本的支出を行った減価償却資産の取得価額に、その資本的支出に係る金額を加算して減価償却を行います。

2 平成19年4月1日以後に行った資本的支出

(1)原則

その資本的支出を行った減価償却資産と種類および耐用年数を同じくする減価償却資産を新たに取得したものとして、その資本的支出とされた金額を取得価額として減価償却を行います。

(2)特例

イ 平成19年3月31日以前に取得した減価償却資産に資本的支出を行った場合

上記(1)の原則にかかわらず、その資本的支出を行った減価償却資産の取得価額に、その資本的支出に係る金額を加算して減価償却を行うことができます。

なお、この加算を行った場合は、減価償却資産の種類、耐用年数および償却方法に基づいて、加算を行った資本的支出部分も含めた減価償却資産全体の償却を旧定額法または旧定率法により行うことになります。

ロ 定率法を採用している減価償却資産に資本的支出を行った場合

平成19年4月1日以後に取得した定率法を採用している減価償却資産に資本的支出を行った場合、資本的支出を行った翌年1月1日において、その資本的支出を行った減価償却資産の期首未償却残高と上記(1)の原則により新たに取得したものとされた減価償却資産(資本的支出の部分)の期首未償却残高の合計額を取得価額とする一の減価償却資産を新たに取得したものとして減価償却を行うことができます。

(注)平成23年12月の償却率の改正により、平成24年4月1日以後に取得したものとされる減価償却資産については200パーセント定率法を、平成24年3月31日以前に取得した減価償却資産は250パーセント定率法を適用することになります。

このように、異なる償却率が適用されることから、平成24年3月31日以前に取得した減価償却資産(以下「旧減価償却資産」といいます。)に平成24年4月1日以後に資本的支出を行った場合には、旧減価償却資産とその資本的支出を合算して一の減価償却資産を新たに取得したものとする特例の適用はありません。

ハ 同一年中に複数回の資本的支出を行った場合の特例

同一年中に複数回行った資本的支出につき定率法を採用している場合で、上記ロの適用を受けない場合には、資本的支出を行った翌年1月1日において、上記(1)の原則により新たに取得したものとされた減価償却資産(資本的支出の部分)のうち、種類および耐用年数を同じくするものの期首未償却残高の合計額を取得価額とする一の減価償却資産を新たに取得したものとして減価償却を行うことができます。

なお、平成24年中に複数回の資本的支出を行った場合は、平成24年3月31日までに行った資本的支出により新たに取得したものとされる減価償却資産と平成24年4月1日以後に行った資本的支出により新たに取得したものとされる減価償却資産とは、異なる種類および耐用年数の資産とみなされます。

根拠法令等

所令127、旧所令127、平19改正所令附則1、12、平23.12改正所令附則1、2

関連リンク

◆関連する質疑応答事例《所得税》ひらく

関連コード

お問い合わせ先

国税に関するご相談は、国税局電話相談センター等で行っていますので、税についての相談窓口をご覧になって、電話相談をご利用ください。