[令和6年4月1日現在法令等]
所得税
納税者と生計を一にしている配偶者その他の親族が納税者の経営する事業に従事している場合、納税者がこれらの人に給与を支払うことがあります。これらの給与は原則として必要経費にはなりませんが、次のような特別の取扱いが認められています。
(1)青色申告者に係る「青色事業専従者給与」
青色申告の方は、生計を一にする配偶者やその他の親族(15歳未満の人を除きます。)で、専らその事業に従事している人に給与を支払っている場合、その支払った金額のうち、相当であると認められる金額を必要経費とすることができます。
(2)白色申告者に係る「事業専従者控除額」
白色申告の場合、生計を一にする配偶者やその他の親族に支払った給与等を必要経費に算入することができませんが、これらの方が専ら事業に従事している場合には、事業専従者控除として、配偶者は最高 86 万円、15 歳以上のその他の親族は最高 50 万円を必要経費として差し引くことができます。
(注1)青色申告者の事業専従者として給与の支払を受ける人または白色申告者の事業専従者である人は、控除対象配偶者や扶養親族にはなれません。
(注2) 不動産所得の場合、青色申告者に係る青色事業専従者給与または白色申告者に係る事業専従者控除額については、不動産貸付けが事業として行われている場合は適用がありますが、それ以外の場合には適用がありません。
青色事業専従者給与として認められる要件は、次のとおりです。
(1)青色事業専従者に支払われた給与であること。
青色事業専従者とは、次の要件のいずれにも該当する人をいいます。
イ 青色申告者と生計を一にする配偶者その他の親族であること。
ロ その年の12月31日現在で年齢が15歳以上であること。
ハ その年を通じて6か月を超える期間(一定の場合には事業に従事することができる期間の2分の1を超える期間)、その青色申告者の営む事業に専ら従事していること。
(2)「青色事業専従者給与に関する届出書」を納税地の所轄税務署長に提出していること。
提出期限は、青色事業専従者給与額を必要経費に算入しようとする年の3月15日(その年の1月16日以後、新たに事業を開始した場合や新たに専従者がいることとなった場合には、その開始した日や専従者がいることとなった日から2か月以内)までです。
この届出書には、青色事業専従者の氏名、職務の内容、給与の金額、支給期などを記載することになっています。
また、専従者が増える場合や、給与を増額する場合など、届出の内容を変更するためには、「青色事業専従者給与に関する変更届出書」を遅滞なく納税地の所轄税務署長に提出していること。
(3)届出書に記載されている方法により支払われ、かつ、その記載されている金額の範囲内で支払われたものであること。
(4)青色事業専従者給与の額は、労務の対価として相当であると認められる金額であること。
なお、過大とされる部分は必要経費とはなりません。
(1)事業専従者控除額は、次のイまたはロの金額のいずれか低い金額です。
イ 事業専従者が事業主の配偶者であれば86万円、配偶者でなければ事業専従者一人につき50万円
ロ この控除をする前の事業所得等の金額を事業専従者の数に1を足した数で割った金額
(2)白色事業専従者控除を受けるための要件は、次のとおりです。
イ 白色申告者の営む事業に事業専従者がいること。
(注)事業専従者とは、次の要件のすべてに該当する人をいいます。
1 白色申告者と生計を一にする配偶者その他の親族であること。
2 その年の12月31日現在で年齢が15歳以上であること。
3 その年を通じて6か月を超える期間、その白色申告者の営む事業に専ら従事していること。
ロ 確定申告書にこの控除を受ける旨やその金額など必要な事項を記載すること。
青色申告者、白色申告者
所轄税務署
所法2、56、57、所令164、165、所規36の4
◆パンフレット・手引き
◆関連する税務手続
国税に関するご相談は、国税局電話相談センター等で行っていますので、税についての相談窓口をご覧になって、電話相談をご利用ください。