[令和8年4月1日現在法令等]

対象税目

所得税

概要

日本国内の会社に勤めている給与所得者が1年以上の予定で海外の支店などに転勤すると、一般的には、日本国内に住所を有しない者と推定され、所得税法上の非居住者となります。

このように海外勤務等により非居住者となる人に、国内にある不動産の貸付けによる所得や国内にある資産の譲渡による所得などの、日本国内で生じた一定の所得(以下、「国内源泉所得」といいます。)があるときは、その国内源泉所得について納税の義務が生じることから、日本で確定申告が必要になる場合があります。

非居住者が納付すべき税額の課税方法は、総合課税の方法(申告分離課税の方法を含みます。)により計算したところで申告等を行うか、総合課税によらずに他の所得と区分して源泉分離課税の方法により源泉徴収のみで課税を完結させるかに区分されます。
いずれの方法によるかは、国内源泉所得の種類と恒久的施設(PE)を有するかどうかにより決まります。

次に掲げる国内源泉所得は、いずれも総合課税の方法で納税額を計算し確定申告をする必要があります。

1 国内にある資産の運用または保有により生じる所得(源泉徴収されない取引)

2 国内にある資産(不動産一定の株式等など)の譲渡により生じる所得

3 国内にある不動産等の貸付けにより受け取る対価(不動産所得)

4 国内にある営業所等を通じて締結した保険契約等に基づく一時金

確定申告が必要となる場合には、納税管理人を定め、「所得税・消費税の納税管理人の選任・解任届出書」を、その非居住者の納税地を所轄する税務署長に提出しなければなりません。

納税管理人とは、確定申告書の提出や税金の納付などを非居住者に代わってする人のことです(納税管理人は法人でも個人でも構いません。)。

手続き

非居住者の申告等の方法

(1) 年の中途で転勤により海外に転出した者で、転出の時までに納税管理人を指定した場合

その年1月1日から転出する日までの間(以下「居住者期間」といいます。)に生じたすべての所得と、転出した日の翌日からその年12月31日までの間(以下「非居住者期間」といいます。)に生じた国内源泉所得 の合計額について、翌年2月16日から3月15日までの間に納税管理人を通じて確定申告および納税をする必要があります。

(2) 年の中途で納税管理人を指定しないで「出国」する場合

居住者期間に生じたすべての所得について、「出国」(納税管理人を指定せずに非居住者になることをいいます。)の時までに確定申告(準確定申告)をする必要があります。

そして、この準確定申告をしたとしても、「出国」後の非居住者期間に国内源泉所得が生じる場合には、居住者期間に生じたすべての所得と非居住者期間に生じた国内源泉所得との合計額について、納税管理人を通じて、翌年2月16日から3月15日までの間に確定申告および納税をする必要があります。

(3) 年を通じて海外に勤務している場合

海外勤務となった年の翌年以後も、日本国内に国内源泉所得があり、その所得の金額が所得控除の合計額を超える場合には、原則として、翌年2月16日から3月15日までの間に納税管理人を通じて確定申告をする必要があります。

(税額計算をする際の注意事項)

イ 所得控除

上記(1)および(2)においては、医療費控除、社会保険料控除、小規模企業共済等掛金控除、生命保険料控除または地震保険料控除の額は、居住者期間内に支払った金額を基に計算します。

配偶者(特別)控除、扶養控除、特定親族特別控除、障害者控除、寡婦控除、ひとり親控除または勤労学生控除の適用については、上記(1)においてはその年の12月31日、上記(2)においてはその「出国」の日で判定します。

雑損控除、寄附金控除および基礎控除(注)については、上記(1)から(3)のいずれも適用できます。ただし、非居住者期間における雑損控除の対象となる損失は、国内にある資産について生じた損失に限られます。

(注)控除額についてはコードNo.1199「基礎控除」を参照してください。

ロ 税額控除

配当控除および外国税額控除の適用を受けることができる場合には、この控除を行い、控除後の所得税を計算します。

なお、非居住者の方の外国税額控除の適用に当たっては、コード1241「非居住者に係る外国税額控除」を参照してください。

住宅借入金等特別控除については、引き続き居住していることが要件のひとつですが、転勤等のやむを得ない事情がある場合には一定の要件を満たせば適用を受けることができます。

(注)詳しくはコード1234「転勤と住宅借入金等特別控除等」を参照してください。

ハ その他

国内にある不動産の賃貸料については、原則として、非居住者がその支払を受ける際に20.42パーセントの税率により計算した額の所得税および復興特別所得税(令和9年分以後は所得税、防衛特別所得税および復興特別所得税)が源泉徴収されますが、この源泉徴収税額の還付を受けるための申告を行うこともできます。

ただし、土地、家屋等を自己またはその親族の居住の用に供するために借り受けた個人が支払うものは、源泉徴収されません。

非居住者期間中の不動産所得の金額の計算方法は、居住者の計算方法と同じです。

申告先等

所轄税務署

根拠法令等

所法2、5、7、8、85、102、120、122、126、127、161、164~166、212、所令258、292、所基通85-1、165-1、165-2、措法41の16の2、 通法117、復興財確法8、9、28、防衛財確法5の4、5の5、5の26、実特法5の2の2

関連リンク

◆パンフレット・手引き

確定申告書等の様式・手引き等

◆関連する税務手続

[手続名]所得税・消費税の納税管理人の選任又は解任届出手続

◆通達・情報

条約相手国の社会保障制度の下で支払った保険料に関する租税条約実施特例法の改正について(情報)

◆各種様式

申告書・申告書付表と税額計算書等 一覧(申告所得税)

関連コード

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