[令和5年4月1日現在法令等]

対象税目

所得税

概要

この制度は、青色申告書を提出する事業者である個人が、令和6年3月31日までに拡充型事業の計画または移転型事業の計画の認定を受けた地域再生法に定める認定事業者であって、適用年の12月31日における特定業務施設の雇用者の数が適用年の前年の12月31日における特定業務施設の雇用者の数に比して2人以上増加していることなどについて証明がされるなど一定の要件を満たす場合、税額控除が認められます。

(注)ここでいう拡充型事業とは、地域再生法17条の2第1項第2号に定める整備事業をいい、移転型事業とは、同条第1項第1号に定める整備事業をいいます。

税額控除限度額等

(1)税額控除限度額

次の区分に応じて算出された金額を控除することができます。

イ 令和2年4月1日以降、地域再生法第17条の2第3項の認定を受けた者

次のAおよびBで算出された金額の合計額です。

A 30万円×地方事業所基準雇用者数のうち特定新規雇用者数に達するまでの数

(移転型特定新規雇用者がある場合には、20万円に特定新規雇用者基礎数に達するまでの数を乗じた金額を加算)

B  20万円×地方事業所基準雇用者数から新規雇用者数を控除して計算した数

(移転型非新規基準雇用者数が零を超える場合には、移転型非新規基準雇用者数に達するまでの数を加算した数)

ロ 令和2年3月31日までに地域再生法第17条の2第3項の認定を受けた者

次のとおり算出します。

(イ)基準雇用者割合が8パーセント以上の場合

次のAおよびBで算出された金額の合計額です。

A 60万円×特定新規雇用者基礎数

B 50万円×[非特定新規雇用者数のうち新規雇用者総数の40%までの数+(地方事業所基準雇用者数-新規雇用者総数)]

(ロ)基準雇用者割合が5パーセント以上の場合(移転型事業に限る)

次のAおよびBで算出された金額の合計額です。

A 30万円×(特定新規雇用者基礎数+特定新規雇用者基礎数のうち移転型特定新規雇用者数までの数)

B 20万円×[(非特定新規雇用者数のうち新規雇用者総数の40%までの数(a)+(a)のうち移転型非特定新規雇用者数に達するまでの数×1.5+(地方事業所基準雇用者数-新規雇用者総数)(b)+(b)のうち移転型非新規基準雇用者数に達するまでの数×1.5]

(ハ)上記(イ)および(ロ)以外

次のAおよびBで算出された金額の合計額です。

A 30万円×特定新規雇用者基礎数

B 20万円×[非特定新規雇用者数のうち新規雇用者総数×40%までの数+(地方事業所基準雇用者数-新規雇用者総数)]

(2)地方事業所特別税額控除限度額

移転型事業で、上記(1)の規定の適用を受ける年であるか、または適用期間内で既に適用を受けた年がある場合で下記「控除の適用を受けるための要件」の(1)または(2)の要件を満たす場合には、次により算出された金額を控除することができます。

ただし、認定事業者の認定日以降の年分で、基準雇用者数または地方事業所基準雇用者数が零に満たない年以後は適用できません。

40万円(特定業務施設が地域再生法第5条第4項第5号ロに規定する準地方活力向上地域内にある場合には30万円)×地方事業所特別基準雇用者数

(注1)地方活力向上地域等において特定建物等を取得した場合の特別償却または所得税額の特別控除の適用を受ける年分については、上記(1)の制度は適用できません。

(注2)税額控除限度額は、調整前事業所得税額(租税特別措置法第10条第8項第4号に規定する金額をいいます。)の20パーセントを限度とします。

(注3)地方事業所特別税額控除限度額は、調整前事業所得税額の20パーセントを限度とします。

なお、上記(1)および地方活力向上地域等において特定建物等を取得した場合の税額控除の適用により控除される金額がある場合には、調整前事業所得税額の20パーセントからこれらの金額を差し引いた残額が税額控除限度額となります。

(注4)特定新規雇用者基礎数とは、地方事業所基準雇用者数のうち特定新規雇用者数に達するまでの数をいいます。

(注5)非特定新規雇用者数とは、新規雇用者総数から特定新規雇用者数を控除した数をいいます。

(注6)移転型特定新規雇用者数とは、地域再生法に規定する移転型事業の計画の認定を受けた者の、当該計画の認定に係る特定業務施設(「移転型特定業務施設」という。)において、適用年に新たに雇用された特定雇用者で適用年の12月31日において当該移転型特定業務施設に勤務するものの数をいいます。

(注7)移転型非特定新規雇用者数とは、移転型新規雇用者総数から移転型特定新規雇用者数を控除した数のうち非特定新規雇用者数に達するまでの数をいいます。

(注8)移転型新規雇用者総数とは、移転型特定業務施設において適用年に新たに雇用された雇用者で適用年の12月31日において当該移転型特定業務施設に勤務するものの総数をいいます。

(注9)移転型非新規基準雇用者数とは、移転型特定業務施設のみを事業所とみなした場合における適用年の基準雇用者数から移転型新規雇用者総数を控除した数をいいます。

(注10)地方事業所特別基準雇用者数とは、認定事業者が認定を受けた日を含む年以後3年以内に本店(本社機能)を地方に移転して、これに伴い整備した特定業務施設(工場を除きます。)のみを個人の事業所とみなした場合における基準雇用者数をいいます。

対象者または対象物

青色申告書を提出する個人で地域再生法に定める認定事業者となっている方

控除の適用を受けるための要件

この制度の適用を受けるためには、次のすべての要件を満たしている必要があります。

(1)令和4年4月1日以降に地域再生法第17条の2第3項の認定を受けた者

イ 適用年および適用前年に事業主都合による離職した雇用者および高年齢雇用者がいないこと

(注1)雇用者とは、個人の使用人のうち雇用保険法第60条の2第1項第1号に規定する一般被保険者をいいます。

(注2)高年齢雇用者とは、個人の使用人のうち雇用保険法第37条の2第1項に規定する高年齢被保険者をいいます。

ロ 雇用保険法に規定する適用事業を行い、かつ他の法律により業務の規制および適正化のための措置が講じられている事業として定めるものを行なっていないこと。

(2)令和2年4月1日から令和4年3月31日までに地域再生法第17条の2第3項の認定を受けた者

イ 適用年および適用前年に事業主都合による離職した雇用者および高年齢雇用者がいないこと

(注1)雇用者とは、個人の使用人のうち雇用保険法第60条の2第1項第1号に規定する一般被保険者をいいます。

(注2)高年齢雇用者とは、個人の使用人のうち雇用保険法第37条の2第1項に規定する高年齢被保険者をいいます。

ロ 特定新規雇用者等数が2人以上であること

(注1)特定新規雇用者等数とは、「地方事業所基準雇用者数のうち特定新規雇用者数に達するまでの数+地方事業所基準雇用者数から新規雇用者総数を控除した数」で算出された数をいいます。

(注2)地方事業所基準雇用者数とは、認定事業者が認定を受けた日を含む年以後3年以内に地方活力向上地域に整備した特定業務施設(工場を除く。)のみを個人の事業所とみなした場合における基準雇用者数をいいます。

(注3)特定新規雇用者数とは、特定業務施設において適用年に新たに雇用された特定雇用者(雇用者のうち無期雇用かつフルタイムの要件を満たす者をいいます。)で当該適用年の12月31日において勤務するものの総数をいいます。

(注4)新規雇用者総数とは、特定業務施設において適用年に新たに雇用された雇用者で同年の12月31日において特定業務施設に勤務するものの総数をいいます。

(注5)基準雇用者数とは、「適用年の12月31日の雇用者数-適用前年の12月31日の雇用者数」で算出された数をいいます。なお、適用年の12月31日において高年齢雇用者に該当する者は、適用年末およびその前年末の雇用者数に含めません。

(注6)特定業務施設とは、地域再生法第5条第4項第5号に規定する特定業務施設で、同号に規定する地方活力向上地域において、同法第17条の2第6項に規定する認定地方活力向上地域特定業務施設整備計画に従って整備されたものをいいます。

ハ 雇用保険法に規定する適用事業を行い、かつ他の法律により業務の規制および適正化のための措置が講じられている事業として定めるものを行なっていないこと。

(3)令和2年3月31日までに地域再生法第17条の2第3項の認定を受けた者

イ 適用年および適用前年に事業主都合による離職した雇用者および高年齢雇用者がいないこと

(注1)雇用者とは、個人の使用人のうち雇用保険法第60条の2第1項第1号に規定する一般被保険者をいいます。

(注2)高年齢雇用者とは、個人の使用人のうち雇用保険法第37条の2第1項に規定する高年齢被保険者をいいます。

ロ 特定新規雇用者等数が2人以上であること

(注1)特定新規雇用者等数とは、「地方事業所基準雇用者数のうち特定新規雇用者数に達するまでの数+地方事業所基準雇用者数から新規雇用者総数を控除した数」で算出された数をいいます。

(注2)地方事業所基準雇用者数とは、認定事業者が認定を受けた日を含む年以後3年以内に地方活力向上地域に整備した特定業務施設(工場を除く。)のみを個人の事業所とみなした場合における基準雇用者数をいいます。

(注3)特定新規雇用者数とは、特定業務施設において適用年に新たに雇用された特定雇用者(雇用者のうち無期雇用かつフルタイムの要件を満たす者をいいます。)で当該適用年の12月31日において勤務するものの総数をいいます。

(注4)新規雇用者総数とは、特定業務施設において適用年に新たに雇用された雇用者で同年の12月31日において特定業務施設に勤務するものの総数をいいます。

(注5)基準雇用者数とは、「適用年の12月31日の雇用者数-適用前年の12月31日の雇用者数」で算出された数をいいます。なお、適用年の12月31日において高年齢雇用者に該当する者は、適用年末およびその前年末の雇用者数に含めません。

(注6)特定業務施設とは、地域再生法第5条第4項第5号に規定する特定業務施設で、同号に規定する地方活力向上地域において、同法第17条の2第6項に規定する認定地方活力向上地域特定業務施設整備計画に従って整備されたものをいいます。

ハ 給与等支給額が比較給与等支給額以上であること

(注1)給与等支給額とは、適用年の事業所得の計算上必要経費となる雇用者に対する給与等の支給額(給与等に充てるため他の者から受ける金額は控除します。)です。なお、適用年の12月31日において高年齢雇用者に該当する者に係るものを除きます。

(注2)比較給与等支給額とは、「前年の事業所得の計算上必要経費となる雇用者に対する給与等の支給額(前年給与等支給額)」+「前年給与等支給額×基準雇用者割合」×20パーセントで算出された金額(※)です。なお、適用年の12月31日において高年齢雇用者に該当する者に係るものを除きます。

※前年末の雇用者数が零の場合は、前年給与等支給額×1.2で算出した額です。

(注3)基準雇用者割合とは、基準雇用者数の適用年の前年の12月31日における雇用者の数に対する割合をいいます。

二 雇用保険法に規定する適用事業を行い、かつ他の法律により業務の規制および適正化のための措置が講じられている事業として定めるものを行なっていないこと。

対象期間

適用の対象となる期間(年度)

この制度は、令和元年から令和8年(令和6年3月31日までに拡充型事業の計画または移転型事業の計画の認定を受け、その認定日を含む年以後3年間に限ります。)の各年において、適用できます。

ただし、適用対象年であっても、事業を開始した個人のその開始した日の属する年(相続または包括遺贈により当該事業を承継した日の属する年を除きます。)およびその事業を廃止した日の属する年については適用できません。

手続き

申告先等

所轄税務署

注意事項

(1)雇用者とは、個人の使用人のうち雇用保険法の一般被保険者であるものをいい、個人の特殊関係者は除かれます。

なお、個人の特殊関係者とは、次に掲げる者をいいます。

イ 個人の親族

ロ 個人と婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者

ハ 上記イ、ロ以外の者で個人から生計の支援を受けているもの

ニ 上記ロ、ハの者と生計を一にするこれらの者の親族

(2)この制度の適用を受けるために確定申告書へ添付が必要な書類などは、次のとおりです。

イ 公共職業安定所に雇用促進計画の提出を行い、都道府県労働局または公共職業安定所で、上記「控除の適用を受けるための要件」の(1)、(2)および基準雇用割合の要件についての確認を受け、その際交付される雇用促進計画の達成状況を確認した旨の書類の写しを確定申告書に添付する必要があります。

ロ 確定申告書に控除を受ける金額の記載およびその金額の計算に関する明細書を添付する必要があります。

ハ この制度の適用を受ける場合は、復興産業集積区域において被災雇用者等を雇用した場合の税額控除、企業立地促進区域において避難対象雇用者等を雇用した場合の税額控除、避難解除区域等において避難対象雇用者等を雇用した場合の税額控除は適用できません。

なお、コード1286「給与等の引上げ及び設備投資を行った場合等の所得税額の特別控除」またはコード1288「給与等の支給額が増加した場合の所得税額の特別控除」の適用を受ける年分においては、控除額の調整を行ったうえで適用されます。

根拠法令等

措法10、10の4の2、10の5、10の5の4、措令5の6、措規5の9、震災特例法10の3、10の3の2、10の3の3、平30改正法附則64、令2改正法附則56

関連リンク

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