[令和6年4月1日現在法令等]
消費税
課税事業者は、帳簿を備え付けて、これに取引を行った年月日、内容(軽減税率の対象品目である場合は、その旨)、税率の異なるごとに区分した金額、相手方の氏名または名称などの必要事項を整然とはっきり記載し、この帳簿の閉鎖の日の属する課税期間の末日の翌日から2か月を経過した日から7年間、事業者の納税地またはその事業に係る事務所等で保存しなければなりません(注)。
また、課税事業者(簡易課税および2割特例を選択した事業者を除きます。)が仕入税額控除および売上対価の返還等の適用を受けようとする場合には、一定の帳簿(仕入税額控除の場合は帳簿および適格請求書等)の保存が要件とされています。詳しくは、コード6496「仕入税額控除をするための帳簿及び請求書等の保存」及び6497「仕入税額控除のために保存する帳簿及び請求書等の記載事項」をご参照ください。
なお、これらの記載事項を充足するものであれば、商業帳簿でも所得税・法人税における帳簿でも差し支えありません。
(注)消費税の確定申告の期限の延長特例の適用を受けている法人の場合の保存期間は、課税期間の末日の翌日から3か月を経過した日から7年間となります。
帳簿に記載する事項は次のとおりです(注)。
取引区分 | 帳簿への記載事項 |
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資産の譲渡等(特定資産の譲渡等を除く)を行った場合 | ①取引の相手方の氏名または名称、②取引年月日、③取引内容(軽減税率の対象品目である旨)、④税率の異なるごとに区分した支払対価の額 |
売上返品を受けたり、売上値引きや売上割戻し等を行った場合 | ①売上返品等に係る相手方の氏名または名称、②売上返品等に係る年月日、③売上返品等の内容(軽減税率の対象品目である旨)、④税率の異なるごとに区分した売上返品等に係る金額 |
仕入返品をしたり、仕入値引きや仕入割戻し等を受けた場合 | ①仕入返品等に係る相手方の氏名または名称、②仕入返品等に係る年月日、③仕入返品等の内容(軽減税率の対象品目である旨)、④仕入返品等に係る金額 |
貸倒れが生じた場合 | ①貸倒れの相手方の氏名または名称、②貸倒れ年月日、③貸倒れに係る資産または役務の提供内容(軽減税率の対象品目である旨)、④税率の異なるごとに区分した貸倒れに係る金額 |
課税貨物に係る消費税額の還付を受けた場合 | ①還付を受けた年月日、②課税貨物の内容、③還付を受けた消費税額 |
(注)記帳義務がある帳簿についてのものです。
なお、帳簿のみの保存で仕入税額控除の適用が認められる取引である場合、帳簿の記載事項に関し、通常必要な記載事項に加え、次の事項の記載が必要となります。
・ 帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められるいずれかの仕入れに該当する旨
例:「3万円未満の鉄道料金」、「自販機」、「ATM」
・ 仕入れの相手方の住所又は所在地(一定の者を除きます。)
例:「○○施設 入場券」(注)3万円以上の場合に限ります。
また、適格請求書発行事業者以外の者からの課税仕入れで、仕入税額相当額の一定割合を仕入税額とみなして控除できる経過措置の適用を受ける場合、帳簿の記載事項に関し、通常必要な記載事項に加え、経過措置の適用を受ける課税仕入れである旨の記載が必要となります。
例:「80%控除対象」、「免税事業者からの仕入れ」
詳しくは、「インボイス制度特設サイト」を参照ください。
帳簿の記載事項については、次の特例が認められています。
(1)不特定かつ多数の者に資産の譲渡等を行う小売業、飲食店業、写真業、旅行業、タクシー業、駐車場業等については、記載事項のうち「取引の相手方の氏名または名称」および「売上返品等に係る相手方の氏名または名称」の記載を省略することができます。
(2)小売業その他これに準ずる事業で不特定かつ多数の者に資産の譲渡等を行う事業者の現金売上げに係る資産の譲渡等については、課税資産の譲渡等(注)と課税資産の譲渡等以外の資産の譲渡等に区分した日々の現金売上げのそれぞれの総額によることができます。
(注)税率の異なるごとに区分する必要があります。
(3)簡易課税制度を適用している事業者は、記載事項のうち「仕入返品をしたり、仕入値引きや仕入割戻し等を受けた場合」および「課税貨物に係る消費税額の還付を受けた場合」の記載を省略することができます。
事業者(免税事業者を除く)
消法30、38、58、消令49、50、58の2 、63の2、71、消規15の4、27、平28改正法附則51の2、52、53、平28改正規附則11、消基通17-3-1
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