[令和5年4月1日現在法令等]
贈与税
贈与により取得した財産について、災害によって被害を受けた場合の贈与税の取扱いは、以下のとおりです。
(注) 令和5年度税制改正により、相続時精算課税に係る贈与により取得した土地または建物について、令和6年1月1日以後に災害によって相当の被害を受けるなど一定の要件を満たす場合には、相続時に加算されるその土地または建物の価額から被害を受けた部分の価額を控除することができる特例が創設されています。税制改正の概要については「令和5年度相続税及び贈与税の税制改正のあらまし(令和5年6月)」(PDF/1,023KB)をご覧ください。
特定非常災害(注1)発生日前に贈与により取得した特定土地等(注2)で、その特定非常災害発生日において所有していたものについては、その取得の時の時価によらず、「特定非常災害の発生直後の価額」によることができます。
なお、特定土地等の特定非常災害の発生直後の価額については、国税局長(沖縄国税事務所長を含む。)が「調整率」を別途定めている場合には、特定非常災害発生日の属する年分の路線価または評価倍率に調整率を乗じて計算することができます。
また、特定土地等について、被害の内容に応じて、下記「災害減免法による減免」の災害減免法の減免措置も適用できる場合があります。
(注1) 「特定非常災害」とは、特定非常災害の被害者の権利利益の保全等を図るための特別措置に関する法律第2条第1項の規定により特定非常災害として指定された非常災害をいいます。「特定非常災害の被害者の権利利益の保全を図るための特別措置に関する法律」および「特定非常災害」の適用状況等については内閣府ホームページを参照してください。
(注2) 「特定土地等」とは、特定非常災害により被災者生活再建支援法第3条第1項の規定の適用を受ける地域(同項の規定の適用がない場合には、その特定非常災害により相当な損害を受けた地域として財務大臣が指定する地域。「特定地域」といいます。)内にある土地または土地の上に存する権利をいいます。
特定非常災害発生日前に贈与により取得した特定株式等(注)で、その特定非常災害発生日において所有していたものについては、その取得の時の時価によらず、「特定非常災害の発生直後の価額」によることができます。
(注) 「特定株式等」とは、特定地域内にあった動産(金銭および有価証券を除きます。)、不動産、不動産の上に存する権利および立木の価額の合計額が保有資産の合計額の10分の3以上である法人の株式等(上場株式等を除きます。)をいいます。
特定非常災害発生日以後同日の属する年の12月31日までの間に贈与により取得した特定土地等の価額は、「特定非常災害の発生直後の価額」に準じて評価することができます。
なお、その土地が、特定非常災害により物理的な損失(地割れ等土地そのものの形状が変わったことによる損失をいいます。)を受けた場合には、「特定非常災害の発生直後の価額」に準じて評価した価額から、その原状回復費用相当額を控除した価額により評価することができます。
特定非常災害発生日以後同日を含む特定株式等の発行法人の事業年度の末日までの間に贈与により取得した特定株式等の価額は、「特定非常災害の発生直後の価額」に準じて評価することができます。
災害(注)により被害を受けた一定の会社、または中小企業信用保険法第2条第5項第1号から第4号までのいずれかの事由(これらの事由と災害を併せて、「災害等」といます。)に該当した一定の会社に係る非上場株式等について、災害等の発生前に贈与により取得し、非上場株式等についての贈与税の納税猶予および免除に係る特例の適用を受けている場合で、一定の事由に該当するときは、納税猶予税額が免除、または納税猶予期間中の要件が免除もしくは緩和されます。
(注) 災害とは、震災、風水害、冷害、雪害、干害、落雷、噴火その他の自然現象の異変による災害および火災、鉱害、火薬類の爆発その他の人為による異常な災害ならびに害虫、害獣その他の生物による異常な災害をいいます。
※ 詳しくは、パンフレット「非上場株式等についての贈与税・相続税の納税猶予・免除(法人版事業承継税制)に係る災害等に関する措置の概要」(PDF/310KB)をご覧ください。
贈与により取得した住宅取得等資金に係る贈与税について「住宅取得等資金の贈与税の非課税」、「住宅取得等資金の贈与を受けた場合の相続時精算課税選択の特例」または「東日本大震災に係る住宅取得等資金の贈与税の非課税」(これらの特例をあわせて、「住宅取得等資金の贈与税の特例」といいます。)の適用については、次の措置があります。
1 住宅取得等資金の贈与を受けて住宅用の家屋の新築もしくは取得または増改築等(「新築等」といいます。)をした人が、その贈与を受けた年の翌年3月15日後遅滞なくその住宅用の家屋を居住の用に供することが確実であると見込まれることにより、住宅取得等資金の贈与税の特例の適用を受けた場合において、その住宅用の家屋が災害により滅失(通常の修繕によっては原状回復が困難な損壊を含みます。以下同じです。)したため、居住することができなくなったときには、居住要件が免除され、住宅取得等資金の贈与税の特例の適用を受けることができます。
2 贈与により金銭の取得をした人が、その金銭を住宅用の家屋の新築等の対価に充てて、その贈与を受けた年の翌年3月15日までに新築等をした場合には、新築等をした住宅用の家屋が災害により滅失したことにより、同日までに居住することができなくなったときであっても、居住要件が免除され、住宅取得等資金の贈与税の特例の適用を受けることができます。
1 住宅取得等資金の贈与を受けて住宅用の家屋の新築等をした人が、その贈与を受けた年の翌年3月15日後遅滞なくその住宅用の家屋を居住の用に供することが確実であると見込まれることにより、住宅取得等資金の贈与税の特例の適用を受けた場合において、災害に基因するやむを得ない事情により、その贈与を受けた年の翌年12月31日までに居住することができなかったときには、居住期限が1年延長(贈与を受けた年の翌々年12月31日までにその住宅用の家屋に居住すること)され、住宅取得等資金の贈与税の特例の適用を受けることができます。
2 贈与により金銭の取得をした人が、その金銭を住宅用の家屋の新築等の対価に充てて新築等をする場合には、災害に基因するやむを得ない事情により、その贈与を受けた年の翌年3月15日までにその住宅用の家屋の新築等ができなかったときであっても、取得期限と居住期限が1年延長(贈与を受けた年の翌々年3月15日までにその住宅用の家屋の新築等をし、贈与を受けた年の翌々年12月31日までにその住宅用の家屋に居住すること)され、住宅取得等資金の贈与税の特例の適用を受けることができます。
1 既に贈与税の申告で「住宅取得等資金の贈与税の非課税」の適用を受けた受贈者について、その適用を受けて新築等をした住宅用の家屋が被災者生活再建支援法第2条第2号に規定する政令で定める自然災害(※)により滅失した場合で、その受贈者が新たに贈与を受けた金銭を住宅用の家屋の新築等の対価に充てて住宅用の家屋の新築等をするときは、既に「住宅取得等資金の贈与税の非課税」の適用を受けて贈与税が非課税となった金額がある場合であっても、非課税限度額の算定に当たっては、その金額を控除する必要はありません。
※ 「被災者生活再建支援法第2条第2号に規定する政令で定める自然災害」とは、同法の適用を受ける暴風、豪雨、豪雪、洪水、高潮、地震、津波、噴火その他の異常な自然現象により生ずる被害をいいます。同法の適用状況については、内閣府ホームページをご覧ください。
2 平成21年分から令和3年分までの贈与税の申告で「住宅取得等資金の贈与税の非課税」の適用を受けた受贈者について、その適用を受けて新築等をした住宅用の家屋が上記1の被災者生活再建支援法の自然災害により滅失した場合で、一定の要件を満たすときは、この特例の適用を受けることができます。
(注) 「被災者生活再建支援法第2条第2号に規定する政令で定める自然災害」以外の災害の場合は、この措置(住宅取得等資金の贈与税の非課税の再適用)の適用がありませんので、ご留意ください。
贈与により取得した財産について、災害によって被害を受けた場合において、次の1または2のいずれかに該当するときには、贈与税が減免されます。
1 贈与税の課税価格の計算の基礎となった財産の価額のうちに被害を受けた部分の価額(保険金、損害賠償金等により補てんされた金額を除きます。)の占める割合が10分の1以上であること。
2 贈与税の課税価格の計算の基礎となった動産等(注)の価額のうちにその動産等について被害を受けた部分の価額(保険金、損害賠償金等により補てんされた金額を除きます。)の占める割合が10分の1以上であること。
(注) 動産等とは、動産(金銭および有価証券を除きます。)、不動産(土地および土地の上に存する権利を除きます。)および立木をいいます。
<法定申告期限前に災害があった場合>
法定申告期限前に災害があった場合は、贈与によって取得した財産の価額から、被害を受けた部分で、保険金、損害賠償金等で補てんされなかった部分の価額を控除して課税価格を計算することになります。
なお、この特例を適用される方は、贈与税の申告書に、被害の状況や被害額等を記載した贈与税等の財産の価額の計算明細書を添付し、原則として申告期限内に提出していただくことになります。
<法定申告期限後に災害があった場合>
法定申告期限後に災害があった場合は、災害のあった日以後に納付すべき贈与税額で、その課税価格の計算の基礎となった財産の価額のうち、被害を受けた部分で、保険金、損害賠償金等で補てんされなかった部分の価額に対応する金額が免除されることになります。
ただし、災害があった日以後に納付すべき贈与税額には、延滞税等の附帯税や災害があった日現在において滞納中の税額は含まれません。
なお、免除を受けようとされる方は、贈与税等の免除承認申請書に、被害の状況や被害額等を記載し、災害のやんだ日から2か月以内に、納税地の所轄税務署長に提出していただくことになります。
措法69の7、措令40の2の3、70の2、70の3、70の7、70の7の5、措通69の6・69の7共2および4、震災特例法38の2、平29課評2-10外、災免法4、6、災免令11、12
◆被災者生活再建支援法の適用状況について(内閣府ホームページ)
◆災害関係
・東日本大震災により被害を受けた場合等の税金の取扱いについて
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