[令和4年4月1日現在法令等]

対象税目

法人税

概要

資本金の額もしくは出資金の額が5億円以上の法人または相互会社等の100パーセント子法人等(注1)には、資本金の額または出資金の額が1億円以下の法人に係る次の制度(いわゆる中小企業向け特例措置)は適用されません。

不適用となる中小企業向け特例措置

(1) 貸倒引当金の繰入れ

銀行、保険会社または金融に関する取引に関する金銭債権を有する法人など、一定の法人を除き貸倒引当金の繰入額を損金の額に算入することはできません。

(2) 欠損金等の控除限度額

青色申告書を提出した事業年度の欠損金および災害による損失金の繰越控除制度における控除限度額は、繰越控除をする事業年度の控除前所得の金額の一定の割合が控除限度額となります(注2)。

(3) 軽減税率

普通法人の各事業年度の所得の金額のうち、年800万円以下の金額に対する法人税の軽減税率の適用はありません(注3)。

(4) 特定同族会社の特別税率(留保金課税)

留保金課税が適用されることとなります。

(5) 貸倒引当金の法定繰入率の選択

一括評価金銭債権の貸倒引当金の繰入限度額の計算において、法定繰入率の選択は行えず、貸倒実績率により計算することとなります。

(6) 交際費等の損金不算入制度における定額控除制度

定額控除制度の適用はできず、支出する交際費等の額のうち、飲食その他これに類する行為のために要する費用(専らその法人の役員もしくは従業員またはこれらの親族に対する接待等のために支出するものを除きます。)の額の50パーセントに相当する金額を超える部分の金額が損金不算入となります(注4)。

(7) 欠損金の繰戻しによる還付制度

解散、事業の全部の譲渡など一定の事実が生じた場合の欠損金を除き、この制度による還付の請求は行えません。

(注1) 100パーセント子法人等とは、資本金の額もしくは出資金の額が5億円以上の法人または相互会社等(以下、「大法人」といいます。)による完全支配関係(一の者が、法人の発行済株式等の全部を直接または間接に保有する関係または一の者との間に当事者間の完全支配の関係がある法人相互の関係をいいます。)がある普通法人をいいます。したがって、大法人の100パーセント子法人に限らず、大法人による完全支配関係がある普通法人のすべてについて、中小企業向け特例措置の適用はありません。

なお、完全支配関係がある複数の大法人に発行済株式等の全部を保有されている法人についても、中小企業向け特例措置の適用はありません。

(注2) 各事業年度の欠損金の繰越控限度額は次のとおりとなります。

繰越控除をする事業年度 控除限度額
平成24年4月1日から平成27年3月31日までの間に開始した事業年度 所得の金額の80%
平成27年4月1日から平成28年3月31日までの間に開始した事業年度 所得の金額の65%
平成28年4月1日から平成29年3月31日までの間に開始した事業年度 所得の金額の60%
平成29年4月1日から平成30年3月31日までの間に開始する事業年度 所得の金額の55%
平成30年4月1日以後に開始する事業年度 所得の金額の50%

(注3) 各事業年度の所得に対する法人税の税率は次のとおりとなります。

事業年度 税率
平成21年4月1日から平成24年3月31日までの間に開始した事業年度 30%
平成24年4月1日から平成27年3月31日までの間に開始した事業年度 25.5%
平成27年4月1日から平成28年3月31日までの間に開始した事業年度 23.9%
平成28年4月1日から平成30年3月31日までの間に開始する事業年度 23.4%
平成30年4月1日以後に開始する事業年度 23.2%

(注4) 平成26年3月31日以前に開始した事業年度においては、支出する交際費等の額の全額が損金不算入となります。

根拠法令等

法法2、52、57、66、67、80、措法42の3の2、57の9、61の4、66の12、平成26改正法附則77、平27改正法附則27

関連コード

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