[令和6年4月1日現在法令等]

対象税目

法人税

概要

法人が、昭和45年4月1日から令和8年3月31日までの間に、その所有する棚卸資産以外の特定の資産(譲渡資産)を譲渡し、譲渡の日を含む事業年度において特定の資産(買換資産)を取得し、かつ、その取得の日から1年以内に買換資産を事業の用に供した場合または供する見込みである場合(注)に、買換資産について圧縮限度額の範囲内で帳簿価額を損金経理により減額するなどの一定の方法で経理したときは、その減額した金額を損金の額に算入する圧縮記帳の適用を受けることができます。

(注) 譲渡した事業年度に買換資産の取得ができない場合の取扱いについては、コード5655「譲渡した事業年度に買換資産の取得ができないとき」で説明しています。

圧縮記帳の対象となる買換え

圧縮記帳の対象となる買換えは、次の買換えです。

1 航空機騒音障害区域の内から外への買換え

2 既成市街地等およびこれに類する一定の区域(人口集中地区)内における土地の計画的かつ効率的な利用に資する施策の実施に伴う土地等の買換え

3 長期所有資産の買換え(所有期間が10年を超える国内にある土地等、建物(その附則設備を含みます。以下3において同じです。)または構築物から国内にある一定の土地等、建物もしくは構築物への買換え)

4 日本船舶から日本船舶への買換え

圧縮記帳の対象となる資産

圧縮記帳の対象となる資産の要件については、コード5652「特定資産を買い換えた場合の圧縮記帳の対象となる資産」を参照してください。

圧縮記帳を受けるための経理方法

この圧縮記帳の適用を受けるためには、次のいずれかの経理方法を採用する必要があります。

1 損金経理により買換資産の帳簿価額を減額する方法

2 確定した決算において積立金として積み立てる方法

3 決算の確定の日までに剰余金の処分により積立金として積み立てる方法

計算方法・計算式

圧縮限度額

圧縮限度額は、次の算式によって計算します。

(算式) 圧縮限度額=圧縮基礎取得価額(注1)×差益割合(注2)×80/100(注3、注4)

(注1) 圧縮基礎取得価額とは、買換資産の取得価額と譲渡資産の譲渡対価の額のうちいずれか少ない金額をいいます。

(注2)  差益割合={譲渡対価の額-(譲渡資産の帳簿価格+譲渡経費の額)}/譲渡対価の額

(注3)航空機騒音障害区域の買換え(上記「圧縮記帳の対象となる買換え」1)に係る措置について、譲渡資産が防衛施設周辺の生活環境の整備等に関する法律に規定する第二種区域内にある場合には、100分の70となります。

(注4)長期所有資産の買換え(上記「圧縮記帳の対象となる買換え」3)については、次の場合には、それぞれ次の割合となります。

1 譲渡資産が地域再生法に規定する集中地域以外の地域内にあり、かつ買換資産が東京都の特別区の存する区域内にある場合で、本店または主たる事務所の所在地の移転を伴うとき 100分の60

2 譲渡資産が地域再生法に規定する集中地域以外の地域内にあり、かつ買換資産が東京都の特別区の存する区域内にある場合で、1以外のとき 100分の70

3 譲渡資産が地域再生法に規定する集中地域以外の地域内にあり、かつ買換資産が地域再生法に規定する集中地域(東京都の特別区の存する区域を除きます)内にある場合 100分の75

4 譲渡資産が東京都の特別区の存する区域内にあり、かつ買換資産が地域再生法に規定する集中地域以外の地域内にある場合で、本店または主たる事務所の所在地の移転を伴うとき 100分の90

手続き

圧縮記帳の適用を受けるためには、確定申告書等に損金の額に算入される金額を記載するとともに特定の資産の買換えにより取得した資産の圧縮額等の損金算入に関する明細書(別表13(5))など一定の書類を添付することが必要です。

なお、令和6年4月1日以後に譲渡資産を譲渡して、同日以後に買換資産の取得をする場合のその買換資産について圧縮記帳の適用を受けるためには、一定の提出時期(注)に「特定の資産の買換えの場合の課税の特例の適用に関する届出書」を所轄税務署長に提出する必要があります。

(注)提出時期は、譲渡資産を譲渡した日または買換資産を取得した日のいずれか早い日を含む3月期間(事業年度をその開始の日以後3月ごとに区分した各期間(最後に3月未満の期間を生じたときは、その3月未満の期間)をいいます。)の末日の翌日から2月以内になります。

根拠法令等

措法65の7、措令39の7、措規22の7、地域再生法、令5改正法附則46

関連コード

QAリンク

  1. Q 買換資産を先行取得した場合

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