[令和3年9月1日現在法令等]

対象税目

源泉所得税

概要

※ 本ページは、令和4年1月1日以後に支払うべき退職手当等について説明しています。

退職所得の金額は、一般的にはその年中に支払を受ける退職手当等の収入金額から退職所得控除額を控除した残額の2分の1に相当する金額とされていますが、短期退職手当等特定役員退職手当等のように、収入金額から退職所得控除額を控除した残額について「2分の1課税」を適用しない退職手当等があります。

このため、同じ年に短期退職手当等(※1)や特定役員退職手当等(※2)のほかに、これら以外の退職手当等(以下「一般退職手当等」といいます。)の支払がある場合には、支払われる退職手当等の区分に応じて、次のとおり、退職所得の金額の計算を行います。

(※1) 短期退職手当等とは、短期勤続年数(役員等以外の者として勤務した期間により計算した勤続年数が5年以下であるものをいい、この勤続年数については、役員等として勤務した期間がある場合には、その期間を含めて計算します。)に対応する退職手当等として支払を受けるものであって、特定役員退職手当等に該当しないものをいいます。

(※2) 特定役員退職手当等とは、役員等としての勤続年数(以下「役員等勤続年数」といいます。)が5年以下である人が支払を受ける退職手当等のうち、その役員等勤続年数に対応する退職手当等として支払を受けるものをいいます。

計算方法・計算式

退職所得の計算の方法

退職所得の計算方法は以下のとおりです。

(注1) 下記の算式により求めた退職所得の金額に1,000円未満の端数があるときは、これを切り捨てます。

(注2) 下記の計算の過程において、例えば、下記(1)イの短期退職手当等の収入金額が短期退職所得控除額に満たない場合など、各収入金額が各控除額に満たない場合には、その満たない部分の金額について一定の調整計算をする必要があります。

(1) 一般退職手当等と短期退職手当等がある場合(特定役員退職手当等がある場合を除きます。)

イ 「短期退職手当等の収入金額 - 短期退職所得控除額」 ≦ 300万円 の場合

退職所得の金額 =(短期退職手当等の収入金額 - 短期退職所得控除額)× 1/2 +(一般退職手当等の収入金額 - 一般退職所得控除額)× 1/2

ロ 「短期退職手当等の収入金額 - 短期退職所得控除額」 > 300万円 の場合

退職所得の金額 = 150万円 + {短期退職手当等の収入金額 -(300万円 + 短期退職所得控除額)} +(一般退職手当等の収入金額 - 一般退職所得控除額)× 1/2

(2) 一般退職手当等と特定役員退職手当等がある場合(短期退職手当等がある場合を除きます。)

退職所得の金額 =(特定役員退職手当等の収入金額 - 特定役員退職所得控除額)+(一般退職手当等の収入金額 - 一般退職所得控除額)× 1/2

(3) 短期退職手当等と特定役員退職手当等がある場合(一般退職手当等がある場合を除きます。)

イ 「短期退職手当等の収入金額 - 短期退職所得控除額」 ≦ 300万円 の場合

退職所得の金額 =(特定役員退職手当等の収入金額 - 特定役員退職所得控除額)+(短期退職手当等の収入金額 - 短期退職所得控除額)× 1/2

ロ 「短期退職手当等の収入金額 - 短期退職所得控除額」 > 300万円 の場合

退職所得の金額 =(特定役員退職手当等の収入金額 - 特定役員退職所得控除額)+ 150万円 + {短期退職手当等の収入金額 -(300万円 + 短期退職所得控除額)}

(4) 一般退職手当等、短期退職手当等および特定役員退職手当等がある場合

イ 「短期退職手当等の収入金額 - 短期退職所得控除額」 ≦ 300万円 の場合

退職所得の金額 =(特定役員退職手当等の収入金額 - 特定役員退職所得控除額)+(短期退職手当等の収入金額-短期退職所得控除額)× 1/2+(一般退職手当等の収入金額 - 一般退職所得控除額)× 1/2

ロ 「短期退職手当等の収入金額 - 短期退職所得控除額」 > 300万円 の場合

退職所得の金額 =(特定役員退職手当等の収入金額 - 特定役員退職所得控除額)+ 150万円 + {短期退職手当等の収入金額 -(300万円 + 短期退職所得控除額)} +(一般退職手当等の収入金額 - 一般退職所得控除額)× 1/2

退職所得控除額の計算

上記「退職所得の計算の方法」(1)から(4)の算式の退職所得控除額は、原則として、それぞれ次のとおり求めます。

(1) 一般退職手当等と短期退職手当等がある場合(上記「退職所得の計算の方法」(1)の場合)

イ 短期退職所得控除額:①と②の金額の合計額

① 40万円 ×(短期勤続年数(※1)- 重複勤続年数(※2))

② 20万円 × 重複勤続年数

ロ 一般退職所得控除額:次の①または②の金額(※3)からイの短期退職所得控除額を控除した残額

① 勤続年数(※4)が20年以下の場合:40万円 × 勤続年数

② 勤続年数が20年を超える場合:800万円 + 70万円×(勤続年数 - 20年)

(※1)「短期勤続年数」とは、短期退職手当等に係る勤続期間(以下「短期勤続期間」といいます。)の年数(1年未満の端数は1年に切り上げます。)をいいます。

(※2)「重複勤続年数」とは、短期勤続期間と一般勤続期間(一般退職手当等に係る勤続期間をいいます。)との重複期間の年数(1年未満の端数は1年に切り上げます。)をいいます。

(※3)コードNo.2732「退職手当等に対する源泉徴収」の「『退職所得の受給に関する申告書』の提出を受けている場合」の(2)を参照してください。

(※4)「勤続年数」とは、一般退職手当等と短期退職手当等に係る勤続期間の年数(1年未満の端数は1年に切り上げます。)をいいます。

(2) 一般退職手当等と特定役員退職手当等がある場合(上記「退職所得の計算の方法」(2)の場合)

イ 特定役員退職所得控除額:①と②の金額の合計額

① 40万円 ×(特定役員等勤続年数(※1)- 重複勤続年数(※2))

② 20万円 × 重複勤続年数

ロ 一般退職所得控除額:次の①または②の金額(※3)からイの特定役員退職所得控除額を控除した残額

① 勤続年数(※4)が20年以下の場合:40万円 × 勤続年数

② 勤続年数が20年を超える場合:800万円 + 70万円 ×(勤続年数 - 20年)

(※1)「特定役員等勤続年数」とは、特定役員退職手当等に係る勤続期間(以下「特定役員等勤続期間」といいます。)の年数(1年未満の端数は1年に切り上げます。)をいいます。

(※2)「重複勤続年数」とは、特定役員等勤続期間と一般勤続期間との重複期間の年数(1年未満の端数は1年に切り上げます。)をいいます。

(※3)コードNo.2732「退職手当等に対する源泉徴収」の「『退職所得の受給に関する申告書』の提出を受けている場合」の(2)を参照してください。

(※4)「勤続年数」とは、一般退職手当等と特定役員退職手当等に係る勤続期間の年数(1年未満の端数は1年に切り上げます。)をいいます。

(3) 短期退職手当等と特定役員退職手当等がある場合(上記「退職所得の計算の方法」(3)の場合)

イ 特定役員退職所得控除額:①と②の金額の合計額

① 40万円 ×(特定役員等勤続年数 - 重複勤続年数(※1))

② 20万円 × 重複勤続年数

ロ 短期退職所得控除額:次の金額(※2)からイの特定役員退職所得控除額を控除した残額

40万円 × 勤続年数(※3)

(※1)「重複勤続年数」とは、特定役員等勤続期間と短期勤続期間との重複期間の年数(1年未満の端数は1年に切り上げます。)をいいます。

(※2)コードNo.2732「退職手当等に対する源泉徴収」の「『退職所得の受給に関する申告書』の提出を受けている場合」の(2)を参照してください。

(※3)「勤続年数」とは、短期退職手当等と特定役員退職手当等に係る勤続期間の年数(1年未満の端数は1年に切り上げます。)をいいます。

(4) 一般退職手当等、短期退職手当等および特定役員退職手当等がある場合(上記「退職所得の計算の方法」(4)の場合)

イ 特定役員退職所得控除額:①と②と③の金額の合計額

① 40万円 ×(特定役員等勤続年数 - 重複勤続年数(②の年数+③の年数))

② 20万円 × 重複勤続年数(全重複期間を除く期間により計算した年数)(※1)

③ 14万円 × 重複勤続年数(全重複期間により計算した年数)(※2)

ロ 短期退職所得控除額:①と②と③の金額の合計額

① 40万円 ×(短期勤続年数 - 重複勤続年数(②の年数+③の年数))

② 20万円 ×重複勤続年数(全重複期間を除く期間により計算した年数)(※3)

③ 13万円 × 重複勤続年数(全重複期間により計算した年数)(※2)

ハ 一般退職所得控除額:次の①または②の金額(※4)からイの特定役員退職所得控除額とロの短期退職所得控除額の合計額を控除した残額

① 勤続年数(※5)が20年以下の場合:40万円 × 勤続年数

② 勤続年数が20年を超える場合:800万円 + 70万円×(勤続年数 - 20年)

(※1)イ②の「重複勤続年数(全重複期間を除く期間により計算した年数)」とは、特定役員等勤続期間と短期勤続期間との重複期間および特定役員等勤続期間と一般勤続期間との重複期間から下記※2の全重複期間を除いた期間の年数(1年未満の端数は1年に切り上げます。)をいいます。

(※2)「重複勤続年数(全重複期間により計算した年数)」とは、全重複期間(特定役員等勤続期間、短期勤続期間および一般勤続期間が重複している期間をいいます。)により計算した年数(1年未満の端数は1年に切り上げます。)をいいます。

(※3)ロ②の「重複勤続年数(全重複期間を除く期間により計算した年数)」とは、短期勤続期間と特定役員等勤続期間との重複期間および短期勤続期間と一般勤続期間との重複期間から上記※2の全重複期間を除いた期間の年数(1年未満の端数は1年に切り上げます。)をいいます。

(※4)コードNo.2732「退職手当等に対する源泉徴収」の「『退職所得の受給に関する申告書』の提出を受けている場合」の(2)を参照してください。

(※5)「勤続年数」とは、一般退職手当等、短期退職手当等および特定役員退職手当等に係る勤続期間の年数をいいます。

具体例

<短期退職手当等と特定役員退職手当等がある場合>

甲さんは、令和4年にA社とB社を退職して退職手当の支給を受けます。

勤務履歴および支給を受ける退職手当は次のとおりです。

A社

役員就任日:平成30年5月1日

役員退任日:令和4年5月31日

役員退職手当支給額:1,500万円

B社

就職日:平成30年8月1日

退職日:令和4年5月31日

使用人退職手当支給額:500万円

A社の退職手当

A社での役員等としての勤続期間(平成30年5月1日から令和4年5月31日)は4年1か月となり、勤続年数が5年となることから、A社の退職手当は特定役員退職手当等に該当します。

B社の退職手当

B社での使用人としての勤続期間(平成30年8月1日から令和4年5月31日)が3年10か月となり、勤続年数が4年となることから、B社の退職手当は短期退職手当等に該当します。

したがって、このケースは、上記「退職所得の計算の方法」(3)の短期退職手当等と特定役員退職手当等がある場合に該当します。

勤続年数は、A社およびB社の勤続期間(平成30年5月1日から令和4年5月31日)が4年1か月であることから、5年となります。

また、短期勤続期間と特定役員等勤続期間とが重複する期間(平成30年8月1日から令和4年5月31日)が3年10か月であることから、重複勤続年数は4年となります。

[退職所得控除額の計算]

上記「退職所得控除額の計算」(3)イの算式により、特定役員退職所得控除額は、

40万円 ×(5年 - 4年)+ 20万円 × 4年 = 120万円

となります。

また、上記「退職所得控除額の計算」(3)ロの算式により、短期退職所得控除額は、

40万円 × 5年 - 120万円 = 80万円

となります。

[退職所得の金額の計算]

短期退職手当等の収入金額から短期退職所得控除額を控除した残額は、

500万円 - 80万円 = 420万円となり、

300万円を超えることから、上記「退職所得の計算の方法」(3)ロの算式により、退職所得の金額を計算します。

(1,500万円 - 120万円)+ 150万円 + {500万円 -(300万円+80万円)} = 1,650万円

退職所得の金額は、1,650万円となります。

根拠法令等

所法30、所令69、69の2、71の2、通法118

関連コード

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