Q21 消費税及び地方消費税の申告をする必要がある人は、どのような人ですか。

A 令和5年分の消費税及び地方消費税の確定申告をする必要がある方は、次の方です。

  1. (1) 基準期間(令和3年分)の課税売上高が1,000万円を超える方
  2. (2) 基準期間(令和3年分)の課税売上高が1,000万円以下で令和4年12月末までに「消費税課税事業者選択届出書」(PDFファイル/236KB)を提出している方
  3. (3) (1)、(2)に該当しない場合で、特定期間(令和4年1月1日から令和4年6月30日までの期間)の課税売上高が1,000万円を超える方
     なお、特定期間における1,000万円の判定は、課税売上高に代えて、給与等支払額の合計額によることもできます。
  4. (4) インボイス発行事業者の登録を受けている方

(注)  上記に該当する方は、令和5年分の課税売上高が1,000万円以下であっても申告する必要がありますので、ご留意ください。

Q22 消費税及び地方消費税の申告は、いつまでにすればよいのですか。また、どのように行えばよいのですか。

A 個人事業者の令和5年分の消費税及び地方消費税の確定申告書の提出期限は、令和6年4月1日(月)です。

 国税庁ホームページ「確定申告書等作成コーナー」では、画面の案内に沿って金額等を入力することにより、税額などが自動計算され、消費税及び地方消費税の確定申告書などを作成できます。

Q23 売上税額の計算方法について教えてください。また、税抜経理・税込経理とはどのようなものでしょうか。

A 【売上税額の計算方法】

 インボイス制度開始後(令和5年10月1日以降)における売上税額については、原則として、課税期間中の課税資産の譲渡等の税込金額の合計額に110分の100(軽減税率の対象となる場合は108分の100)を掛けて計算した課税標準額に7.8%(軽減税率の対象となる場合は6.24%)を掛けて算出します(割戻し計算)。

 また、これ以外の方法として、交付したインボイス等の写し(電磁的記録により提供したものも含みます。)を保存している場合に、そこに記載された税率ごとの消費税額等の合計額に100分の78を乗じて計算した金額とすることもできます(積上げ計算)

(一般的な計算方法)
 一般的に、所得税の「青色申告決算書」や「収支内訳書」の「売上(収入)金額」から計算する場合には、その金額から課税取引となる「課税売上げ」(※)を元に「割戻し計算」により売上税額を計算します。
 (※)売上(収入)金額から、非課税取引、輸出取引等、不課税取引を除いた金額です。消費税の計算のためには、軽減税率の対象となる金額と標準税率の対象となる金額に区分します。また、インボイス制度を契機に免税事業者からインボイス発行事業者になられた方は、インボイス発行事業者の登録日から令和5年12月31日までの取引について計算します。消費税の申告の準備として、「課税取引金額計算表」(2割特例や簡易課税制度を適用される方は、この表の「売上(収入)金額」)を記載しておくと、計算がスムーズです。

(参考)課税取引金額計算表

【税抜経理・税込経理】

 消費税の課税事業者である事業者は、所得税または法人税の所得金額の計算に当たり、消費税および地方消費税について、「税抜経理方式」または「税込経理方式」のどちらを選択してもよいこととされています。なお、いずれの方式によっても納付する消費税及び地方消費税の額は同額となります。

 税込経理方式とは、消費税額及び地方消費税額を売上高及び仕入高等に含めて経理する方法をいいます。
 税抜経理方式とは、消費税額及び地方消費税額を売上高及び仕入高等に含めないで区分して経理する方法(取引の都度区分する方法と期末に一括区分する方法)をいいます。

(具体例)
小売店が商品(標準税率10パーセントが適用されるもの)を7,000円(税抜き)で掛仕入し、10,000円(税抜き)で現金で販売した場合の具体的な仕訳は次のとおりです。

1 税抜経理方式
(1) 仕入時
(借方) 仕入      7,000円 (貸方) 買掛金 7,700円
   仮払消費税等 700円
(2) 売上時
(借方) 現金    11,000円 (貸方) 売上 10,000円
            仮受消費税等 1,000円

2 税込経理方式
(1) 仕入時
(借方) 仕入 7,700円 (貸方) 買掛金 7,700円
(2) 売上時
(借方) 現金 11,000円 (貸方) 売上 11,000円

Q24 インボイス制度開始を機に、免税事業者からインボイス発行事業者になりました。インボイス発行事業者は申告の必要があると聞きましたが、申告に当たって特例はありますか。

A インボイス制度開始を機に、免税事業者からインボイス発行事業者になった方には、申告に当たって以下の特例が設けられています。

【2割特例】
 2割特例とは、売上金額を集計すれば、納税額を計算できる仕組みです。

(計算のイメージ)
 売上げ・収入 × 10/110※ × 2割 = 納税額

※ 飲食料品の売上げや収入がある場合は8/108

(注) 消費税の申告の対象となる売上げや収入(課税売上げ)は、インボイス発行事業者の登録を受けてからの期間分を計算します。

 この特例は、一般課税、簡易課税のどちらを選択している場合も、事前の届出なしに、適用を受ける旨を申告書に付記することで、適用できます。
 なお、基準期間(令和3年分)の課税売上高が1,000万円を超えている方など、インボイス発行事業者の登録と関係なく課税事業者となる方は、適用できません。
 計算方法などの詳細は、「2割特例用 消費税及び地方消費税の確定申告の手引き」をご覧ください。

Q25 2割特例で申告する場合、受け取ったインボイスを保存する必要がありますか。

A 2割特例や簡易課税を適用する方は、消費税の計算に当たっては、インボイスの入手や保存は必要ありません。

※ ただし、所得税法上、保存が必要とされている帳簿書類等(請求書等)に当たるインボイスは、これまでどおり保存が必要です。
※ 一般的に、課税仕入れ等に係る消費税が、課税売上げに係る消費税額を上回る(一般課税で申告する)場合は、還付税額が生じますが、2割特例や簡易課税を適用する場合は、基本的に還付税額が生じることはありません。
※ 一般課税で申告する場合、仕入に係る帳簿やインボイスの保存が必要です。

Q26 インボイス制度を契機に免税事業者からインボイス発行事業者となりましたが、令和5年中の1年間分の消費税を申告しないといけませんか。

A インボイス発行事業者の登録を受けている方は、消費税及び地方消費税の確定申告をする必要があります。
この点、インボイス制度の開始日である令和5年10月1日以降、免税事業者からインボイス発行事業者になられた方は、インボイス発行事業者の登録を受けた日からの期間分の取引について申告する必要があります。
したがって、例えば、令和5年10月1日からインボイス発行事業者になられた方は、令和5年分の消費税及び地方消費税については、同日から同年12月31日までの3か月分に係る取引について申告が必要です。

Q27 消費税及び地方消費税の申告は、どのような申告書を使えばよいのですか。また、申告書を提出する際に必要な書類はどのようなものがありますか。

A 申告書には次の2種類がありますので、ご自身の申告方法に応じてお使いください。
 なお、申告書第一表と併せて申告書第二表の提出が必要ですので、ご留意ください。

  1. (1) 消費税及び地方消費税の確定申告書(第一表)

    (注) 1 第一表には、マイナンバーの記載及び本人確認書類の提示又は写しの添付が必要となります。詳しくは、Q10をご覧ください。

    2 基準期間(令和3年分)の課税売上高が5,000万円以下で、令和4年12月末まで※に「消費税簡易課税制度選択届出書(PDFファイル/224KB)」を提出している場合に限り、簡易課税制度が適用されます。
    ※インボイス制度を機に免税事業者からインボイス発行事業者になった場合の簡易課税制度の選択についての手続に係る経過措置が適用される場合は、令和5年12月末まで。

  2. (2) 消費税及び地方消費税確定申告書(第二表)(PDFファイル/520KB)

    ※ 申告書第一表と併せて使用します。

 また、使用する申告書に併せて、それぞれ次の書類を添付する必要があります。
 なお、2割特例(Q24)を適用する場合は、付表6を添付して申告してください。

 これらの確定申告書や付表、計算書、明細書、手引きなどは、国税庁ホームページ「確定申告等の様式・手引き等」に掲載しています。必要な場合は、印刷してご利用ください。

<一般用>

標準税率7.8%又は軽減税率6.24%が適用された取引のみの場合
  申告書添付書類名 左記書類の注意事項等
付表1−3
税率別消費税額計算表兼地方消費税の課税標準となる消費税額計算表(PDFファイル/171KB)
 申告に係る課税期間に旧税率(3%、4%又は6.3%)が適用された取引がある場合は、付表1−1及び付表1−2を使用してください。
付表2−3
課税売上割合・控除対象仕入税額等の計算表(PDFファイル/163KB)
 申告に係る課税期間に旧税率(3%、4%又は6.3%)が適用された取引がある場合は、付表2−1及び付表2−2を使用してください。
消費税の還付申告に関する明細書(個人事業者用)(PDFファイル/231KB)  消費税の還付申告書(中間還付を除く)を提出する場合に添付するものです。
旧税率(3%、4%又は6.3%)が適用された取引がある場合
  申告書添付書類名 左記書類の注意事項等
付表1−1
税率別消費税額計算表兼地方消費税の課税標準となる消費税額計算表〔経過措置対象課税資産の譲渡等を含む課税期間用〕(PDFファイル/190KB)
 付表1−2を作成してから、付表1−1を作成してください。
 申告に係る課税期間に標準税率7.8%又は軽減税率6.24%が適用された取引のみを行っている場合は、付表1−3を使用してください。
付表1−2
税率別消費税額計算表兼地方消費税の課税標準となる消費税額計算表〔経過措置対象課税資産の譲渡等を含む課税期間用〕(PDFファイル/188KB)
 付表1−2を作成してから、付表1−1を作成してください。
付表2−1
課税売上割合・控除対象仕入税額等の計算表〔経過措置対象課税資産の譲渡等を含む課税期間用〕(PDFファイル/179KB)
 付表2−2を作成してから、付表2−1を作成してください。
 申告に係る課税期間に標準税率7.8%又は軽減税率6.24%が適用された取引のみを行っている場合は、付表2−3を使用してください。
付表2−2
課税売上割合・控除対象仕入税額等の計算表〔経過措置対象課税資産の譲渡等を含む課税期間用〕(PDFファイル/186KB)
 付表2−2を作成してから、付表2−1を作成してください。
消費税の還付申告に関する明細書(個人事業者用)(PDFファイル/231KB)  消費税の還付申告書(中間還付を除く)を提出する場合に添付するものです。

<簡易課税用>

標準税率7.8%又は軽減税率6.24%が適用された取引のみの場合
  申告書添付書類名 左記書類の注意事項等
付表4−3
税率別消費税額計算表兼地方消費税の課税標準となる消費税額計算表(PDFファイル/161KB)
 申告に係る課税期間に旧税率(3%、4%又は6.3%)が適用された取引がある場合は、付表4−1及び付表4−2を使用してください。
付表5−3
控除対象仕入税額等の計算表(PDFファイル/157KB)
 申告に係る課税期間に旧税率(3%、4%又は6.3%)が適用された取引がある場合は、付表5−1及び付表5−2を使用してください。
旧税率(3%、4%又は6.3%)が適用された取引がある場合
  申告書添付書類名 左記書類の注意事項等
付表4−1
税率別消費税額計算表兼地方消費税の課税標準となる消費税額計算表〔経過措置対象課税資産の譲渡等を含む課税期間用〕(PDFファイル/180KB)
 付表4−2を作成してから、付表4−1を作成してください。
 申告に係る課税期間に標準税率7.8%又は軽減税率6.24%が適用された取引のみを行っている場合は、付表4−3を使用してください。
付表4−2
税率別消費税額計算表兼地方消費税の課税標準となる消費税額計算表〔経過措置対象課税資産の譲渡等を含む課税期間用〕(PDFファイル/179KB)
 付表4−2を作成してから、付表4−1を作成してください。
付表5−1
控除対象仕入税額等の計算表〔経過措置対象課税資産の譲渡等を含む課税期間用〕(PDFファイル/174KB)
 付表5−2を作成してから、付表5−1を作成してください。
 申告に係る課税期間に標準税率7.8%又は軽減税率6.24%が適用された取引のみを行っている場合は、付表5−3を使用してください。
付表5−2
控除対象仕入税額等の計算表〔経過措置対象課税資産の譲渡等を含む課税期間用〕(PDFファイル/175KB)
 付表5−2を作成してから、付表5−1を作成してください。

<2割特例用>

申告書添付書類名 左記書類の注意事項等
付表6
税率別消費税額計算表〔小規模事業者に係る税額控除に関する経過措置を適用する課税期間用〕(PDFファイル/65KB)
 免税事業者(消費税課税事業者選択届出書の提出により課税事業者となった免税事業者を含みます。)が、インボイス発行事業者となったことにより事業者免税点制度の適用を受けられないこととなる課税期間において、適用対象期間中のみ使用することができます。
 適用要件などについて、詳しくは2割特例の概要をご覧ください。

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