[令和4年5月1日現在法令等]

対象税目

所得税、相続税

概要

所得税および復興特別所得税(以下「所得税等」といいます。)の確定申告書を提出しなければならない方または一定の所得税の還付申告書を提出することができる方が、その年分の退職所得を除く各種所得金額の合計額が2,000万円を超え、かつ、その年の12月31日において、その価額の合計額が3億円以上の財産またはその価額の合計額が1億円以上の国外転出特例対象財産を有する場合には、財産の種類、数量および価額ならびに債務の金額その他必要な事項を記載した財産債務調書を所得税の納税地の所轄税務署長に提出しなければなりません(「財産債務調書制度に関するお知らせ」もご覧ください。)。

なお、相続開始の日の属する年(相続開始年)の年分の財産債務調書については、その相続または遺贈により取得した財産または債務(以下「相続財産債務」といいます。)を記載しないで提出することができます。この場合において、相続開始年の年分の財産債務調書の提出義務については、財産の価額の合計額から相続開始年に相続または遺贈により取得した財産の価額の合計額を除外して判定します。この取扱いは、令和2年分以後の財産債務調書について適用されます。

対象者または対象物

対象者

財産債務調書の提出が必要となる方は、所得税等の確定申告書を提出しなければならない方または所得税の還付申告書(その年分の所得税の額の合計額が配当控除額および年末調整で適用を受けた住宅借入金等特別控除額の合計額を超える場合におけるその還付申告書に限ります。)を提出することができる方で、次の1および2のいずれにも該当する方です。

1 その年分の退職所得を除く各種所得金額の合計額が2,000万円を超えること

各種所得金額の合計額は、申告分離課税の所得がある場合には、それらの特別控除後の所得金額の合計額を加算した金額です。ただし、(1)純損失や雑損失の繰越控除、(2)居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の繰越控除、(3)特定居住用財産の譲渡損失の繰越控除、(4)上場株式等に係る譲渡損失の繰越控除、(5)特定中小会社が発行した株式に係る譲渡損失の繰越控除、(6)先物取引の差金等決済に係る損失の繰越控除を受けている場合は、その適用後の金額をいいます。

2 その年の12月31日においてその価額の合計額が3億円以上の財産またはその価額の合計額が1億円以上である国外転出特例財産を有すること(相続開始年に相続または遺贈により取得した財産については、合計額の判定から除くことができます。)

ここでいう「財産の価額」とは財産の価額の総額をいい、財産の価額から債務の金額を差し引いた金額ではありません。

また、「国外転出特例対象財産」とは、所得税法第60条の2第1項に規定する有価証券等ならびに同条第2項に規定する未決済信用取引等および同条第3項に規定する未決済デリバティブ取引に係る権利をいいます。

(注) 令和5年分以後の財産債務調書については、上記のほか、「その年の12月31日においてその価額の合計額が10億円以上の財産を有する居住者」の方が対象となります。

対象物

その年の12月31日において保有する財産および債務が対象となります(国外に所在するものを含みます)。

財産の「価額」は、その年の12月31日における「時価」または時価に準ずるものとして「見積価額」によることとされています。

(注) 国外財産調書を提出する方が、財産債務調書を提出する場合には、その財産債務調書には、国外財産調書に記載した国外財産に関する事項(国外財産の価額を除きます。)については、記載を要しないこととされていますので、財産債務調書および財産債務調書合計表には、国外財産調書に記載した国外財産の価額の合計額および国外財産調書に記載した国外財産のうち国外転出特例対象財産の価額の合計額を記載してください。この場合でも、国外にある債務については、財産債務調書に記載する必要があります。

手続き

申告等の方法

その年の翌年の3月15日までに、所得税の納税地を所轄する税務署に提出します。

財産債務調書を提出する場合には、「財産債務調書合計表」を作成し、添付する必要があります。

(注) 令和5年分以後の財産債務調書については、提出期限がその年の翌年の6月30日となります。

注意事項

財産債務調書制度においては、適正な提出を確保するために次のような措置が講じられています。

財産債務調書の提出がある場合の過少申告加算税等の軽減措置

財産債務調書を提出期限内に提出した場合には、財産債務調書に記載がある財産または債務に関して所得税等・相続税の申告漏れが生じたときであっても、その財産または債務に係る過少申告加算税または無申告加算税(以下「過少申告加算税等」といいます。)が5パーセント軽減されます。

財産債務調書の提出等がない場合の過少申告加算税等の加重措置

財産債務調書の提出が提出期限内にない場合または提出期限内に提出された財産債務調書に記載すべき財産または債務の記載がない場合(重要なものの記載が不十分であると認められる場合を含みます。以下「提出等がない場合」といいます。)に、その財産または債務に関して所得税等の申告漏れ(死亡した方に係るものを除きます。)が生じたときは、その財産または債務に係る過少申告加算税等が5パーセント加重されます。

(注) 相続財産債務については、相続財産債務を有する方の責めに帰すべき事由がなく提出等がない場合は、加重措置の対象となりません。この取扱いは、令和2年分以後の所得税について適用されます。

根拠法令等

国外送金等調書法6の2、6の3、国外送金等調書令12の2~12の4、国外送金等調書規15、16、別表第3、第4

関連リンク

◆パンフレット・手引き

財産債務調書制度に関するお知らせ

◆関連する税務手続

[手続名]財産債務調書(同合計表)

◆災害関係

新型コロナウィルス感染症に関する対応等について

関連コード

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