[令和4年9月1日現在法令等]

対象税目

法人税

概要

グループ通算制度とは、完全支配関係にある企業グループ内の各法人を納税単位として、各法人が個別に法人税額の計算および申告を行い、その中で、損益通算等の調整を行う制度です。併せて、後発的に修更正事由が生じた場合には、原則として他の法人の税額計算に反映させない(遮断する)仕組みとされており、また、グループ通算制度の開始・加入時の時価評価課税および欠損金の持込み等について組織再編税制と整合性のとれた制度とされています。

適用法人

適用対象となる法人は、親法人およびその親法人との間にその親法人による完全支配関係(注)がある子法人に限られます。

(注)完全支配関係(法2十二の七の六)のうち下記1(3)から(7)までの法人および外国法人が介在しない一定の関係に限ります。1および2ならびに下記「グループ通算制度を開始するための手続」において同じです。

1 親法人

内国法人である普通法人または協同組合等のうち、次の(1)から(6)までの法人および(6)に類する一定の法人のいずれにも該当しない法人をいいます。

  • (1)清算中の法人
  • (2)普通法人(外国法人を除きます。)または協同組合等との間にその普通法人または協同組合等による完全支配関係がある法人
  • (3)通算承認の取りやめの承認を受けた法人でその承認日の属する事業年度終了後5年を経過する日の属する事業年度終了の日を経過していない法人
  • (4)青色申告の承認の取消通知を受けた法人でその通知後5年を経過する日の属する事業年度終了の日を経過していない法人
  • (5)青色申告の取りやめの届出書を提出した法人でその提出後1年を経過する日の属する事業年度終了の日を経過していない法人
  • (6)投資法人、特定目的会社
  • (7)その他一定の法人(普通法人以外の法人、破産手続開始の決定を受けた法人等)

2 子法人

親法人との間にその親法人による完全支配関係がある他の内国法人のうち上記1(3)から(7)までの法人以外の法人をいいます。

所得の金額の計算

1 損益通算

  • (1)通算グループ内の欠損法人の欠損金額の合計額が、所得法人の所得の金額の比で配分され、その配分された通算対象欠損金額が所得法人の損金の額に算入されます。
  • (2)上記(1)で損金の額に算入された金額の合計額と同額の所得の金額が、欠損法人の欠損金額の比で配分され、その配分された通算対象所得金額が欠損法人の益金の額に算入されます。
  • (3)通算グループ内の一法人に修更正事由が生じた場合には、損益通算に用いる通算前所得金額および通算前欠損金額を当初申告額に固定することにより、原則として、その修更正事由が生じた通算法人(通算親法人および通算子法人をいいます。以下同じです。)以外の他の通算法人への影響を遮断し、その修更正事由が生じた通算法人の申告のみが是正されます(損益通算の遮断措置)。

2 欠損金の通算

通算法人に係る欠損金の繰越し(法57①)の規定の適用については、次の(1)および(2)等の一定の調整を行う必要があります。

  • (1)欠損金の繰越控除額の計算
  • (2)欠損金の通算の遮断措置

3 上記1(3)および2(2)の遮断措置の不適用

通算グループ全体では所得金額がないにもかかわらず、当初申告額に固定することにより所得金額が発生する法人が生ずることのないようにするため、一定の要件に該当する場合には、上記1(3)および2(2)の遮断措置を適用せずに、通算グループ全体で再計算されます。
また、上記1(3)および2(2)の遮断措置の濫用を防止するため、一定の場合には、税務署長は、通算グループ全体で再計算をすることができます。

4 その他

上記1から3までのほか、時価評価課税(グループ通算制度の適用開始、通算グループへの加入および通算グループからの離脱時)や欠損金の切捨て等があり、さらに、通算法人が外国税額控除制度や研究開発税制などの各個別制度の適用を受ける場合には、所要の調整が必要とされています。

税率および税額の計算

1 税率および税額の計算

通算法人の各事業年度の所得の金額に対する法人税の税率は、各通算法人の区分に応じた税率が適用されます。したがって、原則として、普通法人である通算法人は23.2%、協同組合等である通算法人は19%の税率が適用されます。
なお、中小通算法人の各事業年度の所得の金額のうち軽減対象所得金額(下記3)以下の金額については、19%の税率が適用されます。
また、中小通算法人および協同組合等(以下「中小通算法人等」といいます。)の令和5年3月31日までの間に開始する事業年度については、所得の金額のうち軽減対象所得金額以下の金額について適用される税率は15%とされています(軽減税率の特例)(注)。

(注)次に掲げる場合に該当する場合には、この特例の適用はありません。

  • (1)各事業年度終了時において大通算法人(下記2)、適用除外事業者または通算適用除外事業者に該当する場合
  • (2)適用額明細書の提出がない場合

2 中小通算法人

中小通算法人とは、大通算法人以外の普通法人である通算法人をいいます。大通算法人とは、通算法人である普通法人またはその普通法人の各事業年度終了の日においてその普通法人との間に通算完全支配関係がある他の通算法人のうち、いずれかの法人が次に掲げる法人に該当する場合におけるその普通法人をいいます。

  • (1)各事業年度終了の時における資本金の額または出資金の額が1億円を超える法人
  • (2)各事業年度終了の時において以下に掲げる法人に該当する法人
    • イ 保険業法に規定する相互会社(以下「相互会社」といいます。)
    • ロ 大法人(次に掲げる法人をいいます。)との間にその大法人による完全支配関係がある普通法人
      • (イ) 資本金の額または出資金の額が5億円以上である法人
      • (ロ) 相互会社(これに準ずる一定の法人を含みます。)
      • (ハ) 受託法人(法第4条の3に規定する受託法人をいいます。以下同じ。)
    • ハ 普通法人との間に完全支配関係がある全ての大法人が有する株式および出資の全部をその全ての大法人のうちいずれか一の法人が有するものとみなした場合においてそのいずれか一の法人とその普通法人との間にそのいずれか一の法人による完全支配関係があることとなるときのその普通法人(上記ロに掲げる法人を除きます。)
    • ニ 受託法人

3 軽減対象所得金額

各中小通算法人等の軽減対象所得金額は、一定の場合を除き、年800万円を通算グループ内の法人の所得の金額の比で配分した金額とされます。

4 修更正事由が生じた場合の取扱い

中小通算法人等に修更正事由が生じた場合には、各中小通算法人等の所得の金額の合計額が年800万円以下である場合または一定の事由により通算グループ全体で所得金額を再計算する場合を除いて、その中小通算法人等の所得の金額を当初申告額に固定して計算されます。

グループ通算制度における適用除外事業者の取扱い

適用除外事業者とは、基準年度(その事業年度開始の日前3年以内に終了した各事業年度をいいます。以下同じです。)の所得の金額の合計額を各基準年度の月数の合計数で除し、これに12を乗じて計算した金額(設立後3年を経過していないことなどの一定の事由がある場合には、一定の調整を加えた金額)が15億円を超える法人をいいます。
租税特別措置法上の中小企業向け特例として、次のような特例が設けられていますが、中小企業者のうち適用除外事業者に該当するものはその適用対象から除くこととされています。

  • 1 中小企業者等の法人税率の特例(措法42の3の2)等
  • 2 中小企業技術基盤強化税制(措法42の4④)等
  • 3 中小企業投資促進税制(措法42の6)等

通算法人である法人について、租税特別措置法上の中小企業向け特例の適用対象となる中小企業者からは、適用除外事業者に該当するもののほか、他の通算法人のうちいずれかの法人が適用除外事業者に該当する場合におけるその通算法人である法人を除外することとされています。したがって、通算法人である法人または他の通算法人のうちいずれかの法人が適用除外事業者に該当する場合には、その通算法人である法人は適用除外法人に該当することとなり、租税特別措置法上の中小企業向け特例の適用対象となりません(適用除外事業者が通算グループに加入し、期末まで通算グループ内にいる場合に、一定の措置の適用の適否について、下記の※を参照してください。)。

※グループ通算制度における適用除外事業者の詳細については、「グループ通算制度に関するQ&A」問83を参照してください。

グループ通算制度を開始するための手続

グループ通算制度の適用を受けようとする場合には、親法人およびその親法人との間に完全支配関係がある子法人の全てが国税庁長官の承認(以下「通算承認」といいます。)を受けなければならないこととされています。

1 承認申請

親法人および子法人が通算承認を受けようとする場合には、原則として、その親法人のグループ通算制度の適用を受けようとする最初の事業年度開始の日の3月前の日までに、その親法人および子法人の全ての連名で、承認申請書をその親法人の納税地の所轄税務署長を経由して、国税庁長官に提出する必要があります。

2 国税庁長官の承認(みなし承認)

上記1の承認申請書の提出があった場合において、親法人のグループ通算制度の適用を受けようとする最初の事業年度開始の日の前日までにその承認申請についての通算承認または却下の処分がなかったときは、その親法人および子法人の全てについて、その開始の日において通算承認があったものとみなされ、同日からその効力が生じます。

3 申請の却下

国税庁長官は、承認申請書の提出があった場合において、次のいずれかに該当する事実があるときは、その申請を却下することができます。

  • (1)通算予定法人(グループ通算制度の適用を受けようとする親法人または子法人をいいます。以下同じです。)のいずれかがその申請を行っていないこと。
  • (2)その申請を行っている法人に通算予定法人以外の法人が含まれていること。
  • (3)その申請を行っている通算予定法人について、その備え付ける帳簿書類に取引の全部または一部を隠蔽し、または仮装して記載し、または記録していることその他不実の記載または記録があると認められる相当の理由があること等一定の事実のいずれかに該当すること。

4 グループ通算制度の取りやめ等

通算法人は、やむを得ない事情があるとき(注)は、国税庁長官の承認を受けてグループ通算制度の適用を受けることをやめることができます。この取りやめの承認を受けた場合には、その承認を受けた日の属する事業年度終了の日の翌日から、通算承認の効力は失われます。
また、通算親法人の解散等の一定の事実が生じた場合のほか、青色申告の承認の取消しの通知を受けた場合においても、通算承認の効力は失われます。

(注)やむを得ない事情があるときとは、例えば、グループ通算制度の適用を継続することにより事務負担が著しく過重になると認められる場合をいい、単に税負担が軽減されるなどの理由でグループ通算制度の適用を受けないこととする場合はこれに該当しないこととされています。

5 経過措置

  • (1)連結納税制度の承認を受けている法人については、原則として、令和4年4月1日以後最初に開始する事業年度の開始の日において、通算承認があったものとみなされ、同日からその効力が生じます。また、その法人が青色申告の承認を受けていない場合には、同日において青色申告の承認があったものとみなされます。
  • (2)連結法人は、その連結法人に係る連結親法人が令和4年4月1日以後最初に開始する事業年度開始の日の前日までに税務署長に届出書を提出することにより、グループ通算制度を適用しない法人となることができます。

申告・納付等

1 個別申告方式

グループ通算制度においては、その適用を受ける通算グループ内の各通算法人を納税単位として、その各通算法人が個別に申告および納付を行います。
なお、通算法人の申告期限については、通算親法人の申請により延長することができます。

2 電子情報処理組織(e-tax)による申告

通算法人は、事業年度開始の時における資本金の額または出資金の額が1億円以下であるか否かにかかわらず、e-taxを使用する方法により納税申告書を提出する必要があります。
これに際し、通算親法人が、通算子法人の法人税の申告に関する事項の処理として、その通算親法人の電子署名をしてe-taxにより提供した場合には、その通算子法人がe-taxによる申告の規定により提出したものとみなされます。

3 連帯納付の責任

通算法人は、他の通算法人の各事業年度の法人税(その通算法人と当該他の通算法人との間に通算完全支配関係がある期間内に納税義務が成立したものに限ります。)について、連帯納付の責任を負います。

4 経過措置

上記【グループ通算制度を開始するための手続】5により通算承認があったものとみなされた連結親法人が、連結確定申告書の提出期限の延長特例および延長期間の指定(旧法81の24①)の規定の適用を受けている場合には、グループ通算制度へ移行するグループ内の全ての通算法人について、延長特例の適用および延長期間の指定を受けたものとみなされます。

根拠法令等

法2十二の七の二、十二の七の六、57①、64の5①③⑤⑥⑧、64の7、64の9①②③⑤⑥、64の10①〜⑥、66①③⑤⑥⑦⑧⑨⑪、 74①、75の2①⑪、75の4①②、77、125②、150の3①②、152①、措法42の3の2①③、42の4⑲八、八の二、令和2年改正法附則29①②、34①②、法基通12の7−2−10

関連リンク

※ グループ通算制度について

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