[令和5年4月1日現在法令等]

対象税目

源泉所得税

概要

共通事項

源泉徴収の対象となる国内源泉所得の支払を受ける非居住者等が、日本において源泉徴収される所得税および復興特別所得税について、租税条約に基づき軽減または免除を受けようとする場合には、「租税条約に関する届出書」(以下「届出書」といいます。)を提出する必要があります。

この届出書は、その支払内容によって書式が異なり、その主なものには、(1)配当に対する所得税および復興特別所得税の軽減・免除(様式1)、(2)利子に対する所得税および復興特別所得税の軽減・免除(様式2)および(3)使用料に対する所得税および復興特別所得税の軽減・免除(様式3)などがあります。

非居住者等は、届出書を所得の支払者である源泉徴収義務者(以下「支払者」といいます。)ごとに正副2部作成し、最初にその所得の支払を受ける日の前日までに、支払者を経由して支払者の納税地の所轄税務署長に提出します。(※)

(※) 届出書およびその添付書類(以下「届出書等」といいます。)の電磁的方法による提供について

令和3年4月1日以後、一定の場合(注)には、非居住者等は、源泉徴収義務者に対して行う書面による届出書等の提出に代えて、その届出書等に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができることとされました。

また、源泉徴収義務者は、税務署長に対して行う書面による届出書等の提出に代えて、その届出書等に記載すべきこととされている事項をスキャナにより読み取る方法等により作成したイメージデータ(PDF形式)などの電磁的記録をe-Taxを利用して送信すること(以下「e-Taxによるイメージデータ送信」といいます。)により行うことができることとされました。

この場合において、その提供があったときは、その届出書等の提出があったものとみなされます。

(注) 非居住者等が届出書等の電磁的方法による提供を行うためには、非居住者等が自身の氏名または名称を明らかにする措置を講じている必要があります。

また、源泉徴収義務者は、次に掲げる要件を満たす必要があります。

(1) 非居住者等が行う電磁的方法による届出書等に記載すべき事項の提供を適正に受けることができる措置を講じていること。

(2) 提供を受けた届出書等に記載すべき事項について、その提供をした非居住者等を特定するための必要な措置を講じていること。

(3) 提供を受けた届出書等に記載すべき事項について、電子計算機の映像面への表示および書面への出力をするための必要な措置を講じていること。

非居住者等が支払を受ける日の前日までに税務署長へ届出書等を提出していない場合には、支払者は、支払の際、日本と締結している各租税条約に規定している限度税率を適用するのではなく、国内法に規定する税率によって源泉徴収を行います。

ただし、非居住者等は、後日届出書とともに「租税条約に関する源泉徴収税額の還付請求書(様式11)」を、支払者を通じて支払者の納税地の所轄税務署長に提出することで、軽減または免除の適用を受けた場合の源泉徴収税額と、国内法の規定による税率により源泉徴収された税額との差額について、還付を請求することができます。

また、提出した届出書の内容に異動(変更)がある場合には、異動を生じた事項等を記載した届出書を、異動(変更)が生じた日以後最初に支払を受ける日の前日までに提出することとなります。

しかし、異動(変更)の内容が、配当に対する所得税の軽減を受ける場合の「元本の数量」の増減など、一定の場合には、この異動に係る届出書の提出を省略することができます。

特典条項を有する租税条約の場合

租税条約の規定の適用に関して条約の特典を受けることができる居住者についての条件を定めている租税条約の規定、いわゆる 「特典条項」を有する租税条約の場合も 基本的に「共通事項」と同様ですが、特典条項の適用対象となる所得について軽減、免除の適用を受ける場合には、届出書の他に「特典条項に関する付表(様式17)」および「居住者証明書(相手国において課税を受けるべきものとされる居住者であることを証明する書類)」が必要になります。

「特典条項に関する付表」〈様式17〉は、租税条約の適用を受けることができる居住者であるかどうかを判定する書類であり、特典条項を有する租税条約の適用を受けようとする場合に届出書に添付して提出します(注)。

非居住者等は、居住者証明書について原本を届出書に添付するか、源泉徴収義務者へ提示することとなっています。

源泉徴収義務者が原本の提示を受けた場合には、「確認をした旨」、「確認者の氏名(所属)」、「確認日」および「証明書の作成年月日」を届出書の「その他参考となるべき事項」の欄に記載し、居住者証明書の写しを作成し、提示を受けた日から5年間国内にある事務所等に保存しておく必要があります。なお、この場合、居住者証明書は提示の日前1年以内に作成されたものに限ります。

日本と相手国の間で課税上の取扱いが異なる事業体(租税条約の規定では団体として課税され、日本ではその構成員に課税している場合等)に該当する場合には、「外国法人の株主等の名簿 兼 相手国団体の構成員の名簿(様式16)」を添付し、租税条約の適用を受けることができる者を明確にする必要があります。

(注) 特典条項に関する付表についても、上記「共通事項」の「(※)届出書およびその添付書類(以下「届出書等」といいます。)の電磁的方法による提供について」と同様に令和3年4月1日以後、電磁的方法により提供することができます。

対象者または対象物

源泉徴収の対象となる国内源泉所得の支払を受ける非居住者等

手続き

申告先等

所轄税務署(支払者経由)

提出書類等

租税条約に関する届出書

根拠法令等

実施特例省令2~2の5、9の5~9の10、14の2、国税オンライン化省令5

関連リンク

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