[令和5年4月1日現在法令等]

人間ドック・健康診断等の費用

Q1

いわゆる人間ドックや健康診断(以下「健康診断等」といいます。)の費用は、医療費控除の対象となりますか。

A1

健康診断等の費用は、疾病の治療を行うものではないので、原則として医療費控除の対象とはなりません。
しかし、健康診断等の結果、重大な疾病が発見され、かつ、その診断等に引き続きその疾病の治療を行った場合には、その健康診断等は治療に先立って行われる診察と同様に考えることができますので、その健康診断等のための費用も医療費控除の対象になります。

(所基通73-4)

メタボリックシンドロームに係る特定健康診査の費用

Q2

メタボリックシンドロームに係る特定健康診査に係る費用は医療費控除の対象となりますか。

A2

特定健康診査の費用は、疾病の治療を伴うものではないので、原則として医療費控除の対象とはなりません。
しかし、その特定健康診査の結果、高血圧症、脂質異常症または糖尿病と同等の状態であると認められる基準に該当すると診断され、かつ、引き続きその特定健康診査を行った医師の指示に基づき特定健康指導が行われた場合には、その特定健康診査の費用(自己負担額)も、医療費控除の対象となります。

(所規40の3)

眼科医に支払う治療費等

Q3

眼科医で治療を受けるために支払う次の費用は、医療費控除の対象となりますか。

(1)視力回復レーザー手術(レーシック手術)の費用

(2)オルソケラトロジー治療(角膜矯正療法)の費用

(3)眼鏡の購入費用

A3

(1)視力回復レーザー手術(レーシック手術)とは、角膜にレーザーを照射して近視や乱視などを治療し、視力を矯正する手術のことです。
この手術は、眼の機能それ自体を医学的な方法で正常な状態に回復させるものであり、それに係る費用は、医師の診療または治療の対価と認められますので、医療費控除の対象となります。

(2)オルソケラトロジー治療(角膜矯正療法)とは、近視などの角膜の屈折異常を特殊なコンタクトレンズを装用することにより、屈折率を正常化させて視力の回復をさせるものです。
この治療も、眼の機能それ自体を医学的な方法で正常な状態に回復させるものであり、それに係る費用は、医師の診療または治療の対価と認められますので、医療費控除の対象となります。

(3)近視や遠視などのために日常生活の必要性に基づき購入されるものは、視力を回復させる治療の対価ではないので、医療費控除の対象とはなりません。 しかし、例えば、斜視、白内障、緑内障などで手術後の機能回復のため短期間装用するものや、幼児の未発達視力を向上させるために装着を要するための眼鏡などで、治療のために必要な眼鏡として医師の指示で装用するものは、医師による治療の一環として直接必要な費用ですので、医療費控除の対象となります。

医療費控除の対象となるものについては、厚生労働省の指導により、疾病名および治療を必要とする症状が記載された眼鏡の処方箋が発行されますので、その写しを確定申告書に添付するか、提示が必要となります。

ただし、「医療費控除の明細書」の欄外余白などに「1発行年月日、2処方箋の名称及び3医師の氏名等」を記載することにより、確定申告書への添付等を省略しても差し支えありません。なお、この場合には添付を省略した処方箋の写しは、医療費の領収書とともに確定申告期限等から5年間自宅等で保存する必要があります。

(所令207、所基通73-3)

海外旅行先で支払った医療費

Q4

海外旅行中に子供がけがをしたため、現地の医者にかかりましたが、その際に医者に支払った治療代は、医療費控除の対象になるのでしょうか。

A4

外国の医師に対して支払った医療費も、医療費控除の対象となります。
なお、治療費を外国通貨で支払った場合には、その支払をした日における外国為替の電信売相場と電信買相場の仲値(TTM)によって円換算した金額を支払った医療費の金額として控除額の計算をします。

(所令207)

新型コロナウイルス感染症のPCR検査費用

Q5

新型コロナウイルス感染症のPCR検査を受けましたが、この検査費用は医療費控除の対象となりますか。

A5

(1) 医師等の判断によりPCR検査を受けた場合
新型コロナウイルス感染症にかかっている疑いのある方に対して行うPCR検査など、医師等の判断により受けたPCR検査の検査費用は、医療費控除の対象となります。
ただし、医療費控除の対象となる金額は、自己負担部分に限りますので、公費負担により行われる部分の金額については、医療費控除の対象とはなりません。

(2) 上記(1)以外の場合(自己の判断によりPCR検査を受けた場合)
単に感染していないことを明らかにする目的で受けるPCR検査など、自己の判断により受けたPCR検査の検査費用は、医療費控除の対象となりません。
ただし、PCR検査の結果、「陽性」であることが判明し、引き続き治療を行った場合には、その検査は、治療に先立って行われる診察と同様に考えることができますので、その場合の検査費用については、医療費控除の対象となります。

(所令207、所基通73-4参照)

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