[令和5年10月1日現在法令等]

対象税目

消費税

概要

消費税の納付税額は、その課税期間の課税標準額に対する消費税額からその課税期間中の課税仕入れ等に係る消費税額(仕入控除税額)を控除して計算します。

しかしながら、国もしくは地方公共団体の特別会計、公共法人、公益法人等または人格のない社団等など(以下「国、地方公共団体、公共・公益法人等」といいます。)の仕入控除税額の計算においては、一般の事業者とは異なり、補助金、会費、寄附金等の対価性のない収入を「特定収入」として、これにより賄われる課税仕入れ等の消費税額を仕入控除税額から控除する調整が必要とされます。

特定収入の範囲

特定収入とは、資産の譲渡等の対価以外の収入で、次のようなもの以外の収入をいいます。

1 借入金および債券の発行に係る収入で、法令によりその返済または償還のため補助金、負担金等の交付を受けることが規定されているもの以外のもの

2 出資金

3 預金、貯金および預り金

4 貸付回収金

5 返還金および還付金

6 次に掲げる収入(注1)

イ 法令または交付要綱等において、特定支出(注2)のためにのみ使用することとされている収入

ロ 国、地方公共団体が合理的な方法により資産の譲渡等の対価以外の収入の使途を明らかにした文書において、特定支出のためにのみ使用することとされている収入

したがって、例えば、次のような収入が特定収入に当たります。

1 租税

2 補助金

3 交付金

4 寄附金

5 出資に対する配当金

6 保険金

7 損害賠償金

8 資産の譲渡等の対価に当たらない負担金、他会計からの繰入金、会費等、喜捨金(お布施、戒名料、玉串料など)

(注1) 公益社団法人等が募集する寄附金のうち、一定のものについては、特定収入に該当しません。

(注2) 特定支出とは、課税仕入れに係る支出、課税貨物の引取りに係る支出または通常の借入金等の返済金もしくは償還金に係る支出のいずれにも該当しない支出をいいます。例えば、給与、利子、土地購入費、特殊な借入金等の返済などがこれに該当します。

特定収入がある場合の仕入控除税額の調整

国、地方公共団体、公共・公益法人等が簡易課税制度を適用せず、一般課税により仕入控除税額を計算する場合で、特定収入割合(注)が5パーセントを超えるときは、通常の計算方法によって算出した仕入控除税額から一定の方法によって計算した特定収入に係る課税仕入れ等の消費税額を控除した残額を、その課税期間の仕入控除税額とする調整が必要です。

ただし、国、地方公共団体、公共・公益法人等が簡易課税制度を適用している場合または特定収入割合(注)が5パーセント以下である場合には、この仕入控除税額の調整をする必要はなく、通常の計算方法によって算出した仕入控除税額の全額を、その課税期間の仕入控除税額とします。

(注1) 特定収入割合は、その課税期間中の特定収入の合計額を、その課税期間中の税抜課税売上高、免税売上高、非課税売上高、国外売上高および特定収入の合計額の総合計額で除して計算します。

計算式

特定収入割合 特定収入の合計額
課税売上高(税抜き)+免税売上高+非課税売上高+国外売上高+特定収入の合計額

(注2) 課税仕入れ等に係る特定収入により適格請求書発行事業者以外の者から課税仕入れを行った場合においては、その課税仕入れに係る消費税額が仕入税額控除の対象とならないにもかかわらず、上記調整計算による仕入税額控除の制限が行われることになることから、課税仕入れ等に係る特定収入を適格請求書発行事業者以外の者からの課税仕入れに充てたことが客観的な文書により確認できる場合には、その課税仕入れに係る消費税相当額を取り戻すことができます。

対象者または対象物

国、地方公共団体、公共・公益法人等

根拠法令等

消法60、消令75、消基通16-2-1~16‐2‐9

関連リンク

◆パンフレット・手引き

国・地方公共団体や公共・公益法人等と消費税

お問い合わせ先

国税に関するご相談は、国税局電話相談センター等で行っていますので、税についての相談窓口をご覧になって、電話相談をご利用ください。