[令和6年4月1日現在法令等]

概要

国税を期限までに納付されない場合には、納付するまでの日数に応じて延滞税が課されます。

また、税務署から督促状が送付されてもなお納付されないときには、財産の差押えなどの滞納処分を受ける場合があります。

なお、国税を一時に納付することが困難な理由がある場合には、税務署に申請することにより、財産の換価(売却)や差押えなどの猶予(換価の猶予、納税の猶予)が認められる場合があります。

猶予が認められた場合は、財産の換価(売却)や差押えなどが猶予されるほか、猶予期間中の延滞税の全部または一部が免除されます。

換価の猶予

次の1から5までに掲げる要件のすべてに該当するときは、原則として1年以内の期間に限り、換価の猶予が認められる場合があります。

1 国税を一時に納付することにより、事業の継続または生活の維持を困難にするおそれがあると認められること。

2 納税について誠実な意思を有すると認められること。

3 換価の猶予を受けようとする国税以外の国税の滞納がないこと。

4 納付すべき国税の納期限から6か月以内に申請書が提出されていること。

5 原則として、担保の提供があること。

(注) 上記の「申請による換価の猶予」のほか、税務署長の職権による換価の猶予があります。

納税の猶予

次の1から4までに掲げる要件のすべてに該当するときは、原則として1年以内の期間に限り、納税の猶予が認められる場合があります。

1 次の(1)から(6)までのいずれかに該当する事実があること。

(1) 財産について、災害を受けたり盗難にあったこと。

(2) 納税者や家族が病気にかかったり負傷したこと。

(3) 事業を廃業したり休業したこと。

(4) 事業について著しい損失を受けたこと。

(5) 上記の(1)から(4)に類する事実があったこと。

(6) 本来の期限から1年以上経過した後に、修正申告などにより納付すべき税額が確定したこと。

2 猶予該当事実に基づき、納税者がその納付すべき国税を一時に納付することができないと認められること。

3 申請書が提出されていること(上記1(6)の場合は納期限までの提出)。

4 原則として、担保の提供があること。

担保の提供

猶予の申請をする場合は、原則として、猶予を受けようとする金額に相当する担保を提供する必要があります。

なお、次のいずれかに該当する場合には、担保を提供する必要はありません。

1 猶予を受ける金額が100万円以下である場合

2 猶予を受ける期間が3か月以内である場合

3 担保として提供することができる種類の財産がないといった事情がある場合

猶予期間

猶予を受けることができる期間は、1年の範囲内で、申請者の財産や収支の状況に応じて、最も早く国税を完納することができると認められる期間に限られます。

なお、猶予を受けた国税は、原則として猶予期間中の各月に分割して納付する必要があります。

※ 猶予期間内に完納することができないやむを得ない理由があると認められる場合は、当初の猶予期間が終了する前に所轄の税務署に申請することにより、当初の猶予期間と合わせて最長2年以内の範囲で猶予期間の延長が認められることがあります。

国税を納期限までに納付できない場合は、お早めに所轄の税務署の徴収担当にご相談ください。

手続き

猶予を受けるためには、次に掲げる書類を所轄の税務署長に提出する必要があります。

1 「換価の猶予申請書」または「納税の猶予申請書」

2 「財産収支状況書」(猶予を受けようとする金額が100万円を超える場合は、「財産目録」および「収支の明細書」)

3 担保の提供に関する書類(押印(実印)と、その押印に係る印鑑証明書の添付が必要な場合があります。)

4 災害などの事実を証する書類(納税の猶予の場合)

根拠法令等

通法37、40、46、46の2、60、63、通令15の2、徴法151、151の2、152、徴令53

関連リンク

◆関連する税務手続

[手続名]換価の猶予の申請手続

[手続名]災害により財産に相当な損失を受けた場合の納税の猶予の申請

[手続名]災害、盗難等により納付困難となったときの納税の猶予の申請手続

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