[令和6年4月1日現在法令等]
法人税
この制度は、青色申告書を提出する法人で特定高度情報通信技術活用システムの開発供給及び導入の促進に関する法律に規定する認定導入事業者に該当するものが、同法の施行の日(令和2年8月31日)から令和7年3月31 日までの期間(以下「指定期間」といいます。)内に、新品の認定特定高度情報通信技術活用設備の取得または製作もしくは建設(以下「取得等」といいます。)をして、これを国内にある法人の事業の用に供した場合(貸付けの用に供した場合を除きます。)には、その事業の用に供した事業年度において、その認定特定高度情報通信技術活用設備の取得価額の30パーセント相当額の特別償却とその取得価額の下記「税額控除限度額」の区分に応じた控除割合相当額の税額控除(注1、2)との選択適用を認めるものです。
(注1)中小企業者(適用除外事業者または通算制度における適用除外事業者に該当するものを除きます。)または農業協同組合等以外の法人が平成30年4月1日から令和9年3月31日までの間に開始する各事業年度において、下記「注意事項」の1の要件のいずれにも該当しない場合には、税額控除の規定の適用が受けられません。
(注2)所有権移転外リース取引により賃借人が取得したものとされる資産については、特別償却の規定は適用されませんが、税額控除の規定は適用されます。所有権移転外リース取引の内容については、コード5704「所有権移転外リース取引」を参照してください。
※特定高度情報通信技術活用システム導入計画の認定等については、経済産業省ホームページおよび総務省ホームページに申請要領等が掲載されていますので、詳細はそちらをご参照ください。
特別償却限度額は、その認定特定高度情報通信技術活用設備の取得価額の30パーセント相当額です。
税額控除限度額は、取得価額に税額控除割合を乗じて計算した金額の合計額とされており、税額控除割合はその事業の用に供した年度や対象設備に応じて次のとおりです。
1 認定特定高度情報通信技術活用設備を事業の用に供した場合(2の場合を除きます。)
令和4年度(令和4年4月1日から令和5年3月31日まで) 15パーセント
令和5年度(令和5年4月1日から令和6年3月31日まで) 9パーセント
令和6年度(令和6年4月1日から令和7年3月31日まで) 3パーセント
2 条件不利地域(注1)以外の地域において特定基地局用認定設備(注2)を事業の用に供した場合
令和4年度(令和4年4月1日から令和5年3月31日まで) 9パーセント
令和5年度(令和5年4月1日から令和6年3月31日まで) 5パーセント
令和6年度(令和6年4月1日から令和7年3月31日まで) 3パーセント
ただし、税額控除における控除税額は、当期の法人税額の20パーセント相当額が上限とされます。
(注1) 条件不利地域とは、離島振興法第2条第1項の規定により離島振興対策実施地域として指定された地域などをいいます。
(注2) 特定基地局用認定設備とは、電波法第27条の12第1項に規定する特定基地局(同項第1号に係るものに限ります。)の無線設備をいいます。
この制度の適用対象法人は、青色申告書を提出する法人で特定高度情報通信技術活用システムの開発供給及び導入の促進に関する法律第 28条の認定導入事業者であるものです。
この制度の対象となる認定特定高度情報通信技術活用設備とは、認定導入計画に記載された機械および装置、器具および備品、建物附属設備ならびに構築物のうち、次に掲げる要件を満たすものであることについて主務大臣の確認を受けたものをいいます。
1 認定導入計画に従って実施される特定高度情報通信技術活用システムの導入の用に供するために取得等をしたものであること。
2 特定高度情報通信技術活用システムを構成する上で重要な役割を果たすものとして次に掲げるものに該当するものであること。
(1) 3.6ギガヘルツ超4.1ギガヘルツ以下または4.5ギガヘルツ超4.6ギガヘルツ以下の周波数の電波を使用する無線設備(次のいずれにも該当するものに限ります。)
イ 令和6年3月31日以前に条件不利地域以外の地域内において事業の用に供する無線設備にあっては、多素子アンテナを用いて無線通信を行うために用いられるもの
ロ 全国5Gシステムを構成するもの
ハ 第5世代移動通信アクセスサービスの用に供するため設置された交換設備と一体として運用されるもの
(2) 27ギガヘルツ超28.2ギガヘルツ以下または29.1ギガヘルツ超29.5ギガヘルツ以下の周波数の電波を使用する無線設備(上記(1)のロおよびハに該当するものに限ります。)
(3) ローカル5Gシステムの無線設備(陸上移動局の無線設備にあっては、通信モジュールに限ります。)
(4) 専ら上記(3)に掲げる無線設備(陸上移動局の無線設備を除きます。)を用いて行う無線通信の業務の用に供され、かつ、その無線設備と一体として運用される交換設備およびその無線設備とその交換設備との間の通信を行うために用いられる伝送路設備(光ファイバを用いたものに限ります。)
この制度の適用対象事業年度は、指定期間内に、上記「適用対象資産」の認定特定高度情報通信技術活用設備の取得等をして、これを法人の事業の用に供した日を含む事業年度です。
ただし、適用対象事業年度であっても、解散(合併による解散を除きます。)の日を含む事業年度および清算中の各事業年度においては適用できません。
特別償却の適用を受けるためには、確定申告書等に償却限度額の計算に関する明細書および上記の「適用対象資産」の主務大臣が確認したことを証する書類の写しを添付して申告する必要があります(注)。
また、税額控除の適用を受けるためには、確定申告書等(この規定による控除を受ける金額を増加させる修正申告書または更正請求書を提出する場合には、当該修正申告書または更正請求書を含みます。)にこの規定による控除の対象となる認定特定高度情報通信技術活用設備の取得価額、控除を受ける金額およびその金額の計算に関する明細書ならびに上記「適用対象資産」の主務大臣が確認したことを証する書類の写しを添付して申告する必要があります。
(注)特別償却の適用を受けることに代えて、特別償却限度額以下の金額を損金経理により特別償却準備金として積み立てることまたはその事業年度の決算確定日までに剰余金の処分により特別償却準備金として積み立てることにより、損金の額に算入することも認められます。
この適用を受けるには、確定申告書等に特別償却準備金として積み立てた金額の損金算入に関する申告の記載をし、その積み立てた金額の計算に関する明細書を添付する必要があります。
1 特定の税額控除の規定(注1)は、中小企業者(注2)または農業協同組合等以外の法人が平成30年4月1日から令和9年3月31日までの間に開始する各事業年度(以下「対象年度」といいます。)において次の(1)から(3)までに掲げる要件のいずれにも該当しない場合には、適用できません。
(1) 継続雇用者給与等支給額 (注3) > 継続雇用者比較給与等支給額 (注4)
ただし、その対象年度終了の時において、資本金の額または出資金の額が10億円以上、かつ、常時使用する従業員の数が1,000人以上である場合またはその対象年度終了の時において常時使用する従業員の数が2,000人を超える場合(※)で、その対象年度が設立事業年度もしくは合併等事業年度(注5)に該当する法人またはその対象年度が設立事業年度および合併等事業年度(注5)のいずれにも該当しない場合で前事業年度が黒字の法人は、次の要件も満たす必要があります。
※ 令和6年4月1日前開始事業年度においては、対象となる法人は「その対象年度終了の時において、資本金の額または出資金の額が10億円以上、かつ、常時使用する従業員の数が1,000人以上である場合」となります。
(継続雇用者給与等支給額-継続雇用者比較給与等支給額)/継続雇用者比較給与等支給額≧1パーセント
(2) 国内設備投資額 (注6) > 当期償却費総額 (注7) × 30パーセント(上記(1)のただし書きの場合に該当する法人は40パーセント)
(3) その対象年度の所得金額 ≦ 前事業年度の所得金額(※)
(※) (3)の要件は、その対象年度が設立事業年度および合併等事業年度(注5)のいずれにも該当しない場合にのみ判定します。
2 一の資産についてこの制度による特別償却と税額控除との重複適用は認められません。
3 この制度による特別償却または税額控除の適用を受ける資産は、租税特別措置法上の圧縮記帳、他の制度による特別償却または他の税額控除の規定の重複適用は認められません。
(注1)特定の税額控除の規定とは、次に掲げる規定をいいます。
1 試験研究を行った場合の法人税額の特別控除(措法42の4①⑦)
2 地域経済牽引事業の促進区域内において特定事業用機械等を取得した場合の法人税額の特別控除(措法42の11の2②)
3 認定特定高度情報通信技術活用設備を取得した場合の法人税額の特別控除(措法42の12の6②)
4 事業適応設備を取得した場合等の法人税額の特別控除(措法42の12の7④~⑥)
(注2)中小企業者とは、次の1および2に掲げる法人をいいます。なお、中小企業者のうち適用除外事業者(その事業年度開始の日前3年以内に終了した各事業年度の所得金額の年平均額が15億円を超える法人等をいいます。)または通算制度における適用除外事業者(※1)に該当するものは除かれます。
1 資本金の額または出資金の額が1億円以下の法人のうち次の(1)から(3)までに掲げる法人以外の法人(受託法人を除きます。)
(1) その発行済株式または出資(その有する自己の株式または出資を除きます。以下同じです。)の総数または総額の2分の1以上を同一の大規模法人(※2)に所有されている法人
(2) 上記(1)のほか、その発行済株式または出資の総数または総額の3分の2以上を複数の大規模法人(※2)に所有されている法人
(3) 他の通算法人のうちいずれかの法人が次のイまたはロに掲げる法人に該当せず、または受託法人に該当する場合における通算
イ 資本金の額または出資金の額が1億円以下の法人のうち上記(1)および(2)に掲げる法人以外の法人
ロ 資本または出資を有しない法人のうち常時使用する従業員の数が1,000人以下の法人
2 資本または出資を有しない法人のうち常時使用する従業員の数が1,000人以下の法人(受託法人およびその法人が通算親法人である場合における上記1(3)に掲げる法人を除きます。)
(※1) 通算制度における適用除外事業者の詳細については、「グループ通算制度に関するQ&A」問83「通算制度における適用除外事業者の取扱いについて」 を参照してください。
(※2)大規模法人とは、次の1から4までに掲げる法人をいい、中小企業投資育成株式会社を除きます。
1 資本金の額または出資金の額が1億円を超える法人
2 資本または出資を有しない法人のうち常時使用する従業員の数が1,000人を超える法人
3 大法人(次の(1)から(3)までに掲げる法人をいいます。以下同じです。)との間にその大法人による完全支配関係がある普通法人
(1)資本金の額または出資金の額が5億円以上の法人
(2)相互会社および外国相互会社のうち、常時使用する従業員の数が1,000人を超える法人
(3)受託法人
4 普通法人との間に完全支配関係があるすべての大法人が有する株式(投資口を含みます。)および出資の全部をそのすべての大法人のうちいずれか一の法人が有するものとみなした場合においてそのいずれか一の法人とその普通法人との間にそのいずれか一の法人による完全支配関係があることとなるときのその普通法人(上記3に掲げる法人を除きます。)
(注3)継続雇用者給与等支給額とは、法人の対象年度および前事業年度の期間内の各月分のその法人の給与等の支給を受けた国内雇用者(雇用保険法の一般被保険者に限られ、高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の継続雇用制度の対象者を除くこととされています。以下「継続雇用者」といいます。)に対するその対象年度の給与等の支給額(その給与等に充てるために他の者から支払を受ける金額(雇用安定助成金額および役務の提供の対価として支払を受ける金額を除きます。以下「補塡額」といいます。)がある場合には、その補塡額を控除した金額になります。以下同じです。)をいいます。
(注4)継続雇用者比較給与等支給額とは、法人の継続雇用者に対する前事業年度の給与等の支給額をいいます。
(注5)合併等事業年度とは、設立事業年度以外の事業年度で、合併、分割もしくは現物出資(分割又は現物出資は事業を移転するものに限ります。以下「合併等」といいます。)に係る合併法人、分割法人もしくは分割承継法人もしくは現物出資法人もしくは被現物出資法人であり、事業の譲渡もしくは譲受け(以下「譲渡等」といいます。)に係るその事業の移転をした法人もしくはその事業の譲受けをした法人であり、または特別の法律に基づく承継に係る被承継法人もしくは承継法人である場合等におけるその合併等の日、その譲渡等の日またはその承継の日等を含む事業年度をいいます。
(注6)国内設備投資額とは、法人が対象年度において取得等をした国内にあるその法人の事業の用に供する法人税法施行令第13条各号に掲げる資産(時の経過によりその価値の減少しないものは除きます。)でその対象年度終了の日において有するものの取得価額の合計額をいいます。
(注7)当期償却費総額とは、法人が有する減価償却資産につき対象年度においてその償却費として損金経理をした金額の合計額をいいます。
措法42の12の6、42の13、52の3、53、措規20の10の2、令6改正法附則38
◆特定高度情報通信技術活用システムの開発供給及び導入の促進に関する法律(経済産業省ホームページ)
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