(令和4年6月10日付で改正された移転価格事務運営要領(事務運営指針)の内容に基づいています。)
〔回答〕事前確認の類型としては、(1)相互協議を伴う事前確認と(2)相互協議を伴わない事前確認があります。
〔回答〕事前確認を受けることにより、移転価格課税の回避や予測可能性の確保が図られるのは確かですが、他方で書類作成等のための事務や費用等もかかることになりますので、仮に納税者の皆様が移転価格課税を受けるリスクが小さいとお考えになるのであれば、事前確認の申出を行わないという選択肢もあり得ます。
ご質問に関して、移転価格課税を受けるリスクが小さいと考えられるような場合に、事前確認の申出を行うべきかどうかについては、あくまで納税者の皆様ご自身のご判断になりますが、事前相談においては、このようなご相談も受け付けています。
〔回答〕【質問1−イ】の回答のとおり、相互協議を伴わない事前確認の場合には外国税務当局からの課税リスクが残ることになりますが、相互協議を伴う事前確認と比較して、一般的に、処理期間が短縮され、書類作成等のための事務や費用等が軽減されますので、仮に納税者の皆様が外国税務当局から移転価格課税を受けるリスクが小さいとお考えになるのであれば、相互協議を伴わない事前確認の申出を行うという選択肢もあり得ます。
ご質問に関して、外国税務当局から移転価格課税を受けるリスクが小さいと考えられるような場合に、相互協議を伴う事前確認の申出と相互協議を伴わない事前確認の申出のいずれを行うべきかについては、あくまで納税者の皆様ご自身のご判断になりますが、事前相談においては、このようなご相談も受け付けています。
〔回答〕事前確認の申出書や提出資料を準備していただくためには、独立企業間価格の算定方法等をご理解頂いた上で資料の作成等を行っていただくことが必要になります。事前相談の際に、国税局の担当者が説明いたしますが、不安な方は、税務代理を委嘱した税理士にご相談されるのも一案です。
〔回答〕事前確認の申出は、確認対象事業年度のうち最初の事業年度(確認対象初年度)開始の日までに行っていただく必要があります。
(注) 確認対象初年度開始の日が、日曜日、国民の祝日に関する法律(昭和23年法律第178号)に規定する休日その他一般の休日又は国税通則法施行令第2条第2項((期限の特例))に規定する日に当たるときは、これらの日の翌日が申出書の提出期限となります。
申出書は国税通則法第22 条(郵送等に係る納税申告書等の提出時期)の規定が適用される書類には該当しません。そのため、郵送で提出する場合には、通信日付印に表示された日は提出日とはならず、申出書は提出期限までに納税地を所轄する税務署(調査課所管法人に該当する法人にあっては納税地の管轄国税局)へ到達する必要があります。
なお、申出書に添付する資料の一部について、申出期限までに提出できなかったことについて相当の理由があると認められる場合には、資料の提出に通常要する日数を勘案して、45日を超えない範囲内で提出期限を設定し、当該資料の提出を猶予する取扱いも行っています。
〔回答〕事前確認審査においては、国税局の審査担当者が実際に会社や事業所に臨場し、独立企業間価格の算定方法等に関する説明をお聞きすることになります。その際、事前確認申出書の添付資料(後述の「事前確認申出時の提出書類」をご覧ください。)以外の各種のデータや分析資料の提出及び説明をお願いすることもありますが、的確かつ迅速な審査のために、ご理解・ご協力をお願いいたします。
〔回答〕事前確認審査のポイントは、個々の申出内容によって異なりますが、基本的に以下のような項目を中心に審査を行うことになります。(以下の用語については、「用語の解説」をご覧ください。)
〔回答〕事前確認に要する期間については、相互協議を伴わない事前確認か相互協議を伴う事前確認か、新規申出か更新申出か、更には内容の複雑性や納税者の皆様の資料の提出状況などによって異なるほか、外国税務当局との関係もありますので一概には言えませんが、これまでの実績によれば1件当たりの処理期間は平均2年程度です。
納税者の皆様のご理解をいただくとともに、的確かつ迅速な審査のため、資料の早期提出にご協力をお願いいたします。
〔回答〕事前確認の通知を受けた後は、確認を受けた各事業年度(確認事業年度)の確定申告書の提出期限又は所轄税務署長等があらかじめ定める期間内に、次の事項を記載した報告書を提出していただく必要があります。
なお、各国税局の担当部署ではこの報告書等に基づき、事前確認の内容に適合した申告が行われているかどうかのチェックを行っています。
報告書をご提出いただく際には、「年次報告書自主点検チェックシート」(PDF/141KB)をご活用ください。
〔回答〕確認事業年度に関しては、確定申告後に確認取引の対価の額が当該事前確認の内容に適合していないことにより所得の金額が過少となっていたことが判明した場合には、補償調整を行い自主的に修正申告書を提出していただくこととなります。税務当局の指摘等によらず、自主的にご提出いただく修正申告書については、国税通則法第65条第1項及び第5項(過少申告加算税)に規定する「更正があるべきことを予知してされたもの」には該当しません。
また、修正申告書が同条第5項の調査通知後に提出された場合であっても、事前確認の内容に適合させるための部分は、同項に規定する「調査通知がある前に行われたもの」として取り扱われます。
なお、上記の取扱いは、あくまで確認取引に係る加算税に関するものであり、修正申告に伴い増加する本税額の納付が必要であることはもとより、確認取引以外の取引に係る修正申告については加算税が賦課される場合があることにご留意ください。
〔回答〕移転価格税制は「法人」のみに適用されますので、事前相談を行うことができるのは「法人」のみです。
〔回答〕事前相談ができるのは、国外関連者との取引を行っており、これについて事前の確認を受けようとする法人です。
〔回答〕事前相談については、期限等はありません。しかし、申出に当たっては、独立企業間価格の算定等のために必要な資料を提出していただく必要があるため、それらの準備に要する期間を考慮していただき、できるだけ早めに相談されることをお勧めします。
なお、事前相談は、原則として予約制としておりますので、相談を希望される方は管轄国税局の担当部署に事前にご連絡の上、予約をお願いいたします。
〔回答〕事前相談の際には、相談をより円滑に行うため、例えば、確認対象取引や確認対象取引を行う組織の概要、国外関連者との資本関係などに関する資料をできるだけご用意ください。また、資料のうち、外国語で記載されているものについては、日本語訳を添付してください。
なお、事前相談は、ご用意いただいた資料の範囲内で行っております。このため、相談内容に応じ必要となる資料のご提示又はご提出がない場合には、十分な相談に応じられなくなることがありますのでご留意ください。
(注)事前確認申出時の提出書類について
事前確認の申出時において必要となる資料については「事前確認申出時の提出書類」をご参照いただき、申出時までにご準備ください。なお、ここに掲げる全ての資料が揃わない場合でも、お気軽にご相談ください。
〔回答〕事前相談の内容は非公開です。また、この相談は、税務代理を委嘱した税理士を通じた匿名の相談でも構いません。ただし、匿名の相談の場合には、事実関係の説明が不十分となり、実質的に事前相談ができなくなってしまうこともありますので、実際に事前確認を予定している取引について具体的に説明してください。
〔回答〕事前確認の申出を行う必要があるかどうかは、あくまでも納税者の皆様の判断によります。したがって、事前相談を行ったからといって必ず事前確認の申出を行わなければならないということはありません。
〔回答〕税務当局との間で事前相談を行ったとしても、移転価格に関する税務調査を妨げるものではありません。ただし、仮に税務調査が行われた場合であっても、納税者の皆様の同意を得ることなしに、事前相談において提出された資料(事実に関する資料を除きます。)を調査に使用することはありません。
〔回答〕事前相談は、原則として、国税局審査担当部署及び国税庁担当課の担当者が対応し、相互協議を伴う事前確認の場合には、この二者に国税庁相互協議室の担当者が加わります。
また、事前確認申出後の事前確認審査は、国税局の審査担当部署が担当することになります。
〔回答〕わが国においては、事前相談及び事前確認審査については、手数料は不要です。
なお、相互協議を伴う事前確認については、相手国において手数料が必要な場合もあります。
〔回答〕文書回答手続は、納税者の皆様から、申告期限等の前に「具体的な取引等に係る税務上の取扱い」に関して、文書による回答を求める旨の申出があった場合に、一定の要件の下に、文書により回答するとともに、他の納税者の皆様の予測可能性の向上に役立てていただくために、その照会及び回答の内容等を公表するという納税者サービスです。詳しくは、「事前照会に対する文書回答等について」をご参照ください。
一方、移転価格税制に係る事前確認及びこれに関する事前相談は、個別性・秘密性が極めて高いという事情があるため、文書回答手続とは別の手続として設けられています。
(ご参考)事前確認申出時の提出書類