白色申告の方の記帳・帳簿等の保存制度

  • 対象となる方
     事業所得、不動産所得又は山林所得を生ずべき業務を行う全ての方です。
  • ※ 所得税及び復興特別所得税の申告が必要ない方も、記帳・帳簿等の保存制度の対象となります。

    ※ 令和4年以降、前々年分の業務に係る雑所得の収入金額が300万円超の方は、その業務に係る現金預金取引等関係書類を保存しなければならないこととされました。

  • 記帳する内容
     売上げなどの収入金額、仕入れや経費に関する事項について、取引の年月日、売上先・仕入先その他の相手方の名称、金額、日々の売上げ・仕入れ・経費の金額等を帳簿に記載します。
     記帳に当たっては、一つ一つの取引ごとではなく日々の合計金額をまとめて記載するなど、簡易な方法で記載してもよいことになっています。
  • 帳簿等の保存
     収入金額や必要経費を記載した帳簿のほか、取引に伴って作成した帳簿や受け取った請求書・領収書などの書類を納税者の住所地や事業所などの所在地に整理して保存する必要があります。
【帳簿・書類の保存期間】
  保存が必要なもの 保存期間
帳簿 収入金額や必要経費を記載した帳簿(法定帳簿) 7年
業務に関して作成した上記以外の帳簿(任意帳簿) 5年
書類 決算に関して作成した棚卸表その他の書類 5年
業務に関して作成し、又は受領した請求書、納品書、送り状、領収書などの書類 5年

※ 令和4年以降、前々年分の業務に係る雑所得の収入金額が300万円超の方は、その業務に係る現金預金取引等関係書類を5年間保存する必要があります。
 なお、現金預金取引等関係書類とは、居住者等が上記の業務に関して作成・受領した請求書、領収書その他これらに類する書類(自己の作成したこれらの書類でその写しのあるものは、その写しを含みます。)のうち、現金の収受・払出し、預貯金の預入・引出しに際して作成されたものをいいます。

※ 令和5年分の確定申告に対する修正申告等から、売上げに関する帳簿を保存していなかったことや帳簿の売上げについて記載が不十分であったことなどが税務調査において把握された場合には、帳簿に記載すべき事項に関する申告漏れに対して通常課される加算税(過少申告加算税・無申告加算税)の割合に5%又は10%が加重されることとなりました。
 制度の概要や適用上の留意点等については、「帳簿の提出がない場合等の加算税の加重措置に関するQ&A」をご覧ください。

※ 税務署では、白色申告の方で、新たに記帳を行う方や記帳の仕方がわからない方のために、記帳・帳簿等の保存制度の概要や記帳の仕方等を説明する「記帳説明会」を実施しています。
 詳しくは、「記帳説明会のご案内」をご覧ください。

簡易な方法による記帳

 事業所得等を有する白色申告の方については、簡易な方法による記帳が認められています。
 簡易な方法による記帳については、以下のとおりです。

事業所得(一般)

取引事項 記帳方法
1 売上(加工その他の役務の給付等売上と同様の性質を有する収入金額及び家事消費等を含む。)に関する事項  取引の年月日、売上先その他の相手方及び金額並びに日々の売上の合計金額を記載する。ただし、次に掲げるところによることができる。
  • (1) 少額な現金売上については、日々の合計金額のみを一括記載する。
  • (2) 小売その他これに類するものを行う者の現金売上については、日々の合計金額のみを一括記載する。
  • (3) 保存している納品書控、請求書控等によりその内容を確認できる取引については、日々の合計金額のみを一括記載する。
  • (4) 掛売上の取引で保存している納品書控、請求書控等によりその内容を確認できるものについては、日々の記載を省略し、現実に代金を受け取つた時に現金売上として記載する。この場合には、年末における売掛金の残高を記載するものとする。
  • (5) いわゆる時貸については、日々の記載を省略し、現実に代金を受け取つた時に現金売上として記載する。この場合には、年末における時貸の残高を記載するものとする。
  • (6) 棚卸資産の家事消費等については、年末において、消費等をしたものの種類別に、その合計金額を見積もり、当該合計金額のみを一括記載する。
2 1に掲げるもの以外の収入に関する事項  取引の年月日、事由、相手方及び金額を記載する。ただし、次に掲げるところによることができる。
  • (1) 少額な雑収入等については、その事由ごとに、日々の合計金額のみを一括記載する。
  • (2) 現実に入金した時に記載する。この場合には、年末における雑収入等の未収額及び前受額を記載するものとする。
3 仕入に関する事項  取引の年月日、仕入先その他の相手方及び金額並びに日々の仕入の合計金額を記載する。ただし、次に掲げるところによることができる。
  • (1) 少額な現金仕入については、日々の合計金額のみを一括記載する。
  • (2) 保存している納品書、請求書等によりその内容を確認できる取引については、日々の合計金額のみを一括記載する。
  • (3) 掛仕入の取引で保存している納品書、請求書等によりその内容を確認できるものについては、日々の記載を省略し、現実に代金を支払つた時に現金仕入として記載する。この場合には、年末における買掛金の残高を記載するものとする。
  • (4) いわゆる時借については、日々の記載を省略し、現実に代金を支払つた時に現金仕入として記載する。この場合には、年末における時借の残高を記載するものとする。
4 3に掲げるもの以外の費用に関する事項  雇人費、外注工賃、減価償却費、貸倒金、地代家賃、利子割引料及びその他の経費の項目に区分して、それぞれその取引の年月日、事由、支払先及び金額を記載する。ただし、次に掲げるところによることができる。
  • (1) 少額な費用については、その項目ごとに、日々の合計金額のみを一括記載する。
  • (2) 現実に出金した時に記載する。この場合には、年末における費用の未払額及び前払額を記載するものとする。

農業所得

取引事項 記帳方法
1 収入に関する事項
  • (1) 農産物(所得税法(昭和四十年法律第三十三号)第四十一条第一項の農産物をいう。以下この表において同じ。)の収穫に関する事項
 収穫の年月日、農産物の種類及び数量を記載する。ただし、米、麦その他の穀物以外の農産物については、収穫に関する事項の記載を省略することができる。
  • (2) 農産物、繭、畜産物等の売上、家事消費等に関する事項
 取引の年月日、売上先その他取引の相手方及び金額を記載する。ただし、次に掲げるところによることができる。
  • (1) 少額な現金売上については、日々の合計金額のみを一括記載する。
  • (2) 保存している納品書控、請求書控等によりその内容を確認できる取引については、日々の合計金額のみを一括記載する。
  • (3) 掛売上の取引で保存している納品書控、請求書控等によりその内容を確認できるものについては、日々の記載を省略し、現実に代金を受け取つた時に現金売上として記載する。この場合には、年末における売掛金の残高を記載するものとする。
  • (4) 農産物の事業用消費若しくは家事消費等又は繭、畜産物等の家事消費等については、年末において、消費等をしたものの種類別にその合計を見積もり、それぞれその合計数量及び合計金額のみを一括記載する。
2 費用に関する事項
  • (1) 農産物の収穫価額に関する事項
 収穫の年月日、農産物の種類及び数量を記載する。ただし、米、麦その他の穀物以外の農産物については、収穫に関する事項の記載を省略することができる。
  • (2) (1)に掲げるもの以外の費用に関する事項
 雇人費、小作料、減価償却費、貸倒金、利子割引料及びその他の経費の項目に区分して、それぞれその取引の年月日、事由、支払先及び金額を記載する。ただし、次に掲げるところによることができる。
  • (1) 少額な費用については、その項目ごとに、日々の合計金額のみを一括記載する。
  • (2) まだ収穫しない農産物、未成育の牛馬等又は未成熟の果樹等について要した費用は、年末においてその整理を行う。
  • (3) 自ら収穫した農産物で肥料、飼料等として自己の農業に消費するものの事業用消費については、年末において、消費したものの種類別にその合計を見積もり、それぞれその合計数量及び合計金額のみを一括記載する。
  • (4) 現実に出金した時に記載する。この場合には、年末における費用の未払額及び前払額を記載するものとする。

不動産所得

取引事項 記帳方法
1 収入に関する事項  賃貸料、雑収入のようにそれぞれ適宜な項目に区分して、それぞれその取引の年月日、事由、相手方及び金額を記載する。ただし、保存している契約書、領収書控等によりその内容を確認できる取引については、その項目ごとに、日々の合計金額のみを一括記載することができる。
2 費用に関する事項  雇人費、減価償却費、貸倒金、地代、借入金利子及びその他の経費の項目に区分して、それぞれその取引の年月日、事由、支払先及び金額を記載する。ただし、次に掲げるところによることができる。
  • (1) 少額な費用については、その項目ごとに、日々の合計金額のみを一括記載する。
  • (2) 現実に出金した時に記載する。この場合には、年末における費用の未払額及び前払額を記載するものとする。

山林所得

取引事項 記帳方法
1 山林の伐採、譲渡、家事消費等の収入に関する事項  取引の年月日、売上先その他の相手方及び金額を記載する。ただし、次に掲げるところによることができる。
  • (1) 保存している納品書控、請求書控等によりその内容を確認できる取引については、日々の合計金額のみを一括記載する。
  • (2) 掛売上の取引で保存している納品書控、請求書控等によりその内容を確認できるものについては、日々の記載を省略し、現実に代金を受け取つた時に現金売上として記載する。この場合には、年末における売掛金の残高を記載するものとする。
  • (3) 山林の家事消費等については、年末において、消費等をしたものの種類別に、その合計金額を見積もり、当該合計金額のみを一括記載する。
2 費用に関する事項  雇人費、減価償却費、貸倒金、利子割引料及びその他の経費の項目に区分して、それぞれその取引の年月日、事由、支払先及び金額を記載する。ただし、次に掲げるところによることができる。
  • (1) 少額な費用については、その項目ごとに、日々の合計金額のみを一括記載する。
  • (2) まだ伐採又は譲渡をしない山林について要した費用は、年末においてその整理を行う。
  • (3) 現実に出金した時に記載する。この場合には、年末における費用の未払額及び前払額を記載するものとする。

パンフレットや動画で確認する

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チラシ

パンフレット

動画

記帳説明会・決算説明会・消費税申告説明会

 税務署では、白色申告の方で、新たに記帳を行う方や記帳の仕方がわからない方のために、記帳・帳簿等の保存制度の概要や記帳の仕方等を説明する「記帳説明会」を実施しています。

 詳しくは、「記帳説明会のご案内」をご覧ください。

※ 説明会は、税務署の職員が講師となって実施するほか、各国税局が事業者に委託して行う場合があります。

記帳指導

外部委託による記帳指導について

 税務署では、事業や不動産貸付等を行っている方のうち、「記帳方法がわからない」という方を対に、税理士や民間の指導機関等に委託して、無料で記帳指導を行っております。

 (対象者)
 税理士と契約をされていない個人事業者の方

 (概要)
 「イチからできる会計ソフト記帳コース」又は「お使いの帳簿等を活用コース」のいずれかの方法で記帳指導を行います。
 各コースの詳細については、「記帳指導の受講希望アンケート(兼申込書)」の裏面をご覧ください。

 (実施スケジュール)
 5月頃:記帳指導の募集・申込みの開始
 7月頃:記帳指導受講者の決定
 8月〜:記帳指導の開始
 2月頃:確定申告書を作成し記帳指導終了

 申込みについては通年で受付しておりますが、7月以降に申込みをされた場合は、原則翌年度に実施する記帳指導を受講いただきますので、予めご了承ください。

 (申込手続き)
 [記帳指導の受講希望アンケート(兼申込書)]を郵送等で管轄の税務署へご提出してください。
 記帳指導に関するご質問等は、管轄の税務署(記帳指導担当)へお問合せください。

 (留意事項)
 ・ 各コースにはそれぞれ定員がありますので、ご希望に添えない場合があります。
 ・ 指導方法等については、都合により変更させていただく場合があります。
 ・ 「記帳指導の受講希望アンケート(兼申込書)」に記載された個人情報は、記帳指導に関する業務以外には使用いたしません。

指導機関のご案内

記帳の仕方等については、関係民間団体等においても相談・指導を行っています。
詳しくは、お近くの指導機関へ直接お問合せください。

関係民間団体等に関する情報はこちらです。

青色申告をはじめてみませんか?

 「青色申告」は、日々の取引を所定の方法により記帳し、その帳簿に基づいて正しい申告をすることで、税金の面でいろいろ有利な特典が受けられる制度です。
 是非、青色申告をはじめてみませんか?
 詳しくは、「はじめてみませんか?青色申告」(パンフレット)(PDF/3,729KB)をご覧ください。