税理士は、独立した公正な立場に立つ税務に関する専門家です。昭和17年(1942)にその前身である税務代理士制度ができました。
 日清・日露戦争が起こり地租中心から商工業者にも税負担を求める税制に移行していきました。こうした中、専門の知識を有する者に税金の相談や手続の代理を依頼する納税者が増加しましたが、その反面で悪質な税務代理業者による不正・不当な業務も問題となっていきました。昭和7、8年には、税務代理人法の制定をめぐる要望が出されましたが、昭和17年に税務代理士法が制定され、一定の資格を有する者に大蔵大臣(後に国税庁)が税務代理士の許可を与えました。これにより税務代理士業務を行う者は税務代理士に限定され資質の向上と監督の充実が図られました。
 この後、昭和26年に税理士法が制定され、独自の試験制度が導入されました。税理士は、中正な立場に立ち納税者の適正な納税義務の実現を図ることとなり今日に至っています。

賀屋大蔵大臣提案説明(「税務代理士必携」より)
昭和17年(1942)

 説明では、戦時下における財政需要の増加の方向性から税務行政の適正な運営を図ることが「喫緊の要務」であり、税務代理士の制度を設け素質の向上と取締の徹底を期す、としています。

日本税務代理士会連合会会報 第2号
昭和18年(1943)

 昭和18年5月15日に上野精養軒で日本税務代理士会連合会第1回総会が行われました。会報の冒頭には、この時大蔵省主税局長の松隈秀雄が行った訓示が掲載されています。

タックスラウンジ 税のはなし
創刊号
昭和41年(1966)

 東京税理士会広報部が誰にでも親しめる税の読みものとして創刊した雑誌。