ごあいさつ

 税務大学校 税務情報センター 租税史料室は、租税に関する歴史的な文書・図書・写真等を収集、整理及び保存するとともに、その公開等を通じて、租税制度の研究に資するほか、租税に関する知識の普及、納税意識の高揚に寄与することを目的に設置されている施設です。
 当史料室では、平成12年から毎年特別展示を実施しており、これまでも江戸時代の年貢、地租改正、営業税、所得税、酒税などに関連する史料を紹介してまいりました。
 平成22年10月から平成23年9月に行いました平成22年度特別展示は、前回に引き続き「酒税」をテーマに取り上げ、明治中期から今日までの酒税に関する変遷について、史料やパネルを用いて展示し紹介しました。
 お酒に関する税は、室町時代からありましたが、明治30年代に、初めて国税の税収第1位となりました。その後、所得税に税収第1位の地位を譲るものの、大正・昭和戦前まで国税の中心として大きな役割を果たしてきました。その背景には、制度の改正とともに税務職員や酒造業者の努力、酒税を取り巻く技術改良などがありました。また、明治期の自家用料酒の禁止後や戦前の混乱時には密造酒が社会問題となりますが、官民一体となってこれに対処していました。
 これらに関する史料を通じて、酒税及び酒造の歴史について理解を深めていただければ幸いに存じます。
 租税史料室では、今後も特別展示などを通じて、できるだけ多くの所蔵史料を紹介してまいりたいと考えておりますので、より一層のご支援とご協力をお願いいたします。

平成24年3月
税務大学校税務情報センター所長
福井 慶太

目次

酒税が国を支えた時代

  1. 第1位の時代
  2. 酒税行政と酒税
  3. 昭和戦前の酒税
  4. 戦後の酒と酒税

特別展示の風景

(写真)特別展示の風景