[令和5年4月1日現在法令等]

対象税目

法人税

概要

法人が支払を受ける集団投資信託の収益の分配に係る分配時調整外国税(注)の額でその収益の分配に係る所得税法、租税特別措置法または復興財源確保法の規定により源泉徴収される所得税および復興特別所得税(以下「所得税等」といいます。)の額から控除された金額のうち分配時調整外国税相当額は、法人税の額から控除(以下「分配時調整外国税相当額控除」といいます。)することができます。

(注) 分配時調整外国税とは、外国の法令に基づき信託財産につき課される税で、源泉徴収に係る所得税に相当するもの(以下「外国所得税」といいます。)のうち、その外国所得税の課された収益を分配するとしたならばその収益の分配につき所得税を徴収されるべきこととなるものに対応する部分をいいます。

なお、次に掲げる配当等に応じそれぞれ次に掲げる金額を基礎として、分配時調整外国税相当額控除をすることができます。

(1) 措置法第9条の3の2第1項に規定する上場株式等の配当等 調整対象外国税相当額

(2) 措置法第9条の6第1項に規定する特定目的会社の利益の配当 特定目的会社分配時調整外国税相当額

(3) 措置法第9条の6の2第1項に規定する投資法人の配当等 投資法人分配時調整外国税相当額

(4) 資産の流動化に関する法律第2条第13項に規定する特定目的信託の受益権の剰余金の配当 特定目的信託分配時調整外国税相当額

(5) 措置法第9条の6の4第1項に規定する特定投資信託の剰余金の配当 特定投資信託分配時調整外国税相当額

分配時調整外国税相当額

分配時調整外国税相当額とは、次の算式により計算した金額をいいます。

なお、その支払を受ける収益の分配につき徴収されたまたは徴収されるべき所得税等の額を超える場合には、その所得税等の額を限度とします。

< 算式 >

原則的な方法の計算式

(注1) 復興特別所得税から控除された外国所得税も含みます。

(注2) 源泉所得税が課されない集団投資信託の収益の分配の額については、上記の算式の分母および分子の額から除きます。

所有期間に対応する分配時調整外国税相当額控除

(1)から(3)までに掲げる集団投資信託に係る収益の分配に係る分配時調整外国税相当額はその全額が分配時調整外国税相当額控除の対象となりますが、(1)から(3)までに掲げる集団投資信託以外の集団投資信託の収益の分配に係る分配時調整外国税相当額はその元本の所有期間に対応する部分の額のみが分配時調整外国税相当額控除の対象となります。

(1) 合同運用信託

(2) 公社債投資信託

(3) 公社債等運用投資信託(特定公社債等運用投資信託を除きます。)

所有期間対応分の計算

分配時調整外国税相当額の元本の所有期間に対応する部分の額の計算方法には、原則的な方法と簡便法とがあり、事業年度ごとにいずれかを選択することができます。

(1) 原則的な方法

元本の銘柄ごと、所有期間の月数ごとに次の算式により計算します。

原則的な方法の計算式

(注) 受益権を所有していなかった期間のみに係る分配時調整外国税相当額を除きます。

(2) 簡便法

集団投資信託の収益の分配の計算の基礎となった期間が1年を超えるものと1年以下のものとに区分し、その区分に属するすべての受益権について、その銘柄ごとに次の算式により計算します。

イ 収益の分配の計算の基礎となった期間が1年以内のもの

ロ 収益の分配の計算の基礎となった期間が1年を超えるもの

A = 収益の分配の計算の基礎となった期間の開始時に所有していた元本の数

B = 収益の分配の計算の基礎となった期間の終了時に所有していた元本の数

(注) 受益権を所有していなかった期間のみに係る分配時調整外国税相当額を除きます。

控除の順番

分配時調整外国税相当額控除は、他の法人税法の税額控除よりも先に法人税の額から控除します。

その事業年度で控除しきれなかった場合の取扱い

分配時調整外国税相当額控除をされるべき分配時調整外国税相当額がその事業年度の法人税の額より多い場合には、その控除しきれなかった金額は地方法人税の額から控除されます。

なお、地方法人税の額から控除しきれない金額がある場合であっても、その金額は還付されません。

手続き

分配時調整外国税相当額控除を受けるためには、確定申告書等において控除を受けるべき金額およびその計算に関する明細書(別表6(5の2))の記載および添付が必要です。

注意事項

この分配時調整外国税相当額控除を受けた分配時調整外国税相当額は、各事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入されません(注)。

(注) 分配時調整外国税相当額のうち控除しきれない金額が生じた場合であっても、所有期間対応分の計算を行う前のその全額が損金の額に算入されません。

根拠法令等

法法41の2、69の2、70の2、法令149、地法法12の2、地法令4、措法9の3の2、9の6、9の6の2、9の6の3、9の6の4、所法176、180の2、復興財確法28、33

お問い合わせ先

国税に関するご相談は、国税局電話相談センター等で行っていますので、税についての相談窓口をご覧になって、電話相談をご利用ください。