[令和7年4月1日現在法令等]

対象税目

法人税

概要

法人が、令和7年4月1日以後に開始する各事業年度において、賃貸借取引によりその賃貸借取引の目的となる資産の賃借を行った場合に、その賃貸借取引に係る契約をした事業年度以後の各事業年度においてその契約に基づきその法人が支払うこととされている金額があるときは、その支払うこととされている金額のうちその各事業年度において債務の確定した部分の金額は、その各事業年度において損金の額に算入されます。

賃貸借取引

本制度の対象となる賃貸借取引は、資産の賃貸借で法人税法第64条の2第3項に規定するリース取引以外のものとされています。これは、いわゆるオペレーティング・リース取引のことで、具体的には、次に掲げる要件のいずれかに該当しない資産の賃貸借およびリース取引の範囲から除かれる土地の賃貸借をいいます。

1 その賃貸借に係る契約が、賃貸借期間の中途においてその解除をすることができないものであることまたはこれに準ずるものであること。

2 その賃貸借に係る賃借人がその賃貸借に係る資産からもたらされる経済的な利益を実質的に享受することができ、かつ、その資産の使用に伴って生ずる費用を実質的に負担すべきこととされているものであること。

なお、資産の賃貸借には、民法第601条の規定により効力を生ずることとなる契約(賃貸借契約)に基づく行為のほか、資産を使用する権利を一定期間にわたり対価と交換に移転する行為も含まれます。

(注) リース取引については、コード5702「リース取引についての取扱いの概要(平成20年4月1日以後契約分)」を参照してください。

対象金額

本制度の対象となる金額は、賃貸借取引に係る契約に基づき支払うこととされている金額とされています。

なお、その賃貸借取引の目的となる資産の賃借のために要する費用の額またはその資産を事業の用に供するために直接要する費用の額を含むものとされています。すなわち、付随費用を含む借手の支払リース料が本制度の対象となります。

ただし、次の金額は、対象金額から除かれます。

1 法人税法第22条第3項第1号に掲げる原価の額

すなわち、収益に係る売上原価、完成工事原価その他これらに準ずる原価の額については、同条の規定に基づき損金算入されます。

2 固定資産の取得に要した金額とされるべき費用の額および繰延資産となる費用の額

すなわち、法人税法上の固定資産および繰延資産として計上される費用の額です。これらの額は、各事業年度において減価償却資産および繰延資産の償却費として会計上経理した金額のうち償却限度額に達するまでの金額が損金算入されます。

なお、土地等の減価償却資産以外の固定資産の取得に要した金額とされるべき費用については、譲渡等の時に損金算入されます。

損金算入額

賃貸借取引に係る対象金額がある場合には、その対象金額のうちその賃貸借取引に係る契約をした事業年度以後の各事業年度において債務の確定した部分の金額を、その各事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入します。「各事業年度において債務の確定した部分の金額」とされていることから、その各事業年度までに債務が成立していることのみならず、その各事業年度内にその成立した債務に基づく具体的な給付原因となる事実が発生していることも、基本的には必要となります。すなわち、賃借料は、賃貸借期間内の賃貸借取引の目的となる資産の使用に応じ、換言すれば賃貸借期間の経過に応じ、対応する金額を損金の額に算入することになります。

なお、対象金額に含むものとされている付随費用については、通常、その賃借および賃貸借取引の目的となる資産の事業供用をした時の属する事業年度において債務が確定するものと考えられます。

(注) 上記により損金算入される金額は、基本的には、これまで支払賃借料として費用計上していた金額等と同様のものとなります。賃貸借取引に係る費用について売買取引に係る方法に準じた処理により経理している場合の申告調整の方法については、「オペレーティング・リース取引に係る借手の申告調整について」を参照してください。

一方、賃貸借取引に係る方法に準じた処理により経理している法人にあっては、特段の申告調整は要しないと考えられます。

根拠法令等

法法22、31、32、53、64の2、令7改正法附則14、法基通12の5-3-1

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