[令和7年4月1日現在法令等]

対象税目

法人税

概要

法人が平成20年4月1日以後に締結する契約に係る法人税法上のリース取引については、その取引の目的となる資産(以下「リース資産」といいます。)の賃貸人から賃借人への引渡し(以下「リース譲渡」といいます。)の時にそのリース資産の売買があったものとされます。

リース譲渡を行った場合、その賃貸人は、原則として、そのリース譲渡に係る収益の額および費用の額をそのリース譲渡の日の属する事業年度において益金の額および損金の額に算入しますが、一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に従ってそのリース取引に係る販売代価部分と利息相当部分とを区分している場合には、その利息相当部分はリース期間の経過に応じ益金の額に算入することとなると考えられます。

なお、令和7年度税制改正において、リース譲渡に係る収益および費用の帰属事業年度の特例(延払基準の特例)は廃止されましたが、これに伴い所要の経過措置が設けられています。詳細は下記の「延払基準の特例の廃止に伴う経過措置」を参照してください。

(注) 「法人税法上のリース取引」については、コード5702「リース取引についての取扱いの概要(平成20年4月1日以後契約分)」を参照してください。

延払基準の特例の廃止に伴う経過措置

1 令和7年4月1日前に開始した事業年度

令和7年4月1日前にリース譲渡を行った法人の同日前に開始した事業年度については、次のいずれかの方法により経理したときは、その経理した収益の額および費用の額を益金の額または損金の額に算入することができます。

(1) 通常の延払基準の方法

リース譲渡の日の属する事業年度以後の各事業年度において、リース譲渡の対価の額および原価の額に賦払金割合を乗じて計算した金額をその事業年度の収益の額および費用の額とする方法

(注) 「賦払金割合」とは、その事業年度において支払期日が到来する賦払金の合計額がリース譲渡に係る対価の額に占める割合をいいます。

(2) リース譲渡に係る延払基準の方法

リース譲渡の日の属する事業年度以後の各事業年度において、次のイおよびロに掲げる金額の合計額をその事業年度の収益の額とし、次のハに掲げる金額をその事業年度の費用の額とする方法

イ そのリース譲渡の対価の額から利息相当額を控除した金額(元本相当額)をリース期間の月数で除し、これにその事業年度におけるリース期間の月数を乗じて計算した金額

ロ そのリース譲渡の利息相当額がその元本相当額のうちその支払の期日が到来していないものの金額に応じて生ずるものとした場合(複利法による計算)にその事業年度におけるリース期間に帰せられる利息相当額

ハ そのリース譲渡の原価の額をリース期間の月数で除し、これにその事業年度におけるそのリース期間の月数を乗じて計算した金額

なお、月数は暦に従って計算し、1か月に満たない端数は1か月とします。

(3) リース譲渡に係る収益および費用の計上方法の特例

リース譲渡の日の属する事業年度以後の各事業年度において、次のイおよびロに掲げる金額の合計額を収益の額とし、次のハに掲げる金額を費用の額とする方法

イ そのリース譲渡に係る対価の額から利息相当額(リース譲渡に係る対価の額からその原価の額を控除した金額の20パーセント相当額)を控除した金額(元本相当額)をリース期間の月数で除し、これにその事業年度におけるそのリース期間の月数を乗じて計算した金額

ロ そのリース譲渡に係る賦払金の支払を、支払期間をリース期間と、支払日をそのリース譲渡に係る対価の支払期日と、各支払日の支払額をそのリース譲渡に係る対価の各支払日の支払額と、利息の総額を利息相当額と、元本の総額を元本相当額とし、利率をその支払期間、支払日、各支払日の支払額、利息の総額および元本の総額を基礎とした複利法により求められる一定の率として賦払の方法により行うものとした場合にその事業年度におけるリース期間に帰せられる利息の額に相当する金額

ハ そのリース譲渡に係る原価の額をリース期間の月数で除し、これにその事業年度におけるそのリース期間の月数を乗じて計算した金額

なお、月数は暦に従って計算し、1か月に満たない端数は1か月とします。

(注) リース譲渡に係る収益および費用の計上方法の特例は、リース譲渡の日の属する事業年度の確定申告書にリース譲渡に係る収益および費用の益金および損金算入に関する明細書(別表14(8))の添付がある場合に限り適用することができます。

2 令和7年4月1日以後に開始する事業年度

令和7年4月1日前にリース譲渡を行ったことがある法人の同日以後に開始する事業年度(以下「経過措置事業年度」といいます。)の旧リース譲渡(令和9年3月31日以前に開始した事業年度において行われたリース譲渡をいいます。以下同じです。)については、引き続き、上記1の方法により益金の額または損金の額に算入することができます。

なお、次に掲げる場合に該当する場合には、旧リース譲渡に係る収益の額および費用の額(次の事業年度開始の日前に開始した各事業年度の所得の金額の計算上益金の額および損金の額に算入されるものを除きます。以下それぞれ「未計上収益額」および「未計上費用額」といいます。)は、次の事業年度(以下「基準事業年度」といいます。)の所得の金額の計算上、益金の額および損金の額に算入します。

(1) その旧リース譲渡(上記1(1)または(2)の適用に係るものに限ります。)に係る収益の額および費用の額につき令和9年3月31日以前に開始した経過措置事業年度の確定した決算において延払基準の方法により経理しなかった場合…その経理しなかった決算に係る事業年度

(2) その旧リース譲渡に係る収益の額および費用の額のうち、令和9年3月31日以前に開始した各事業年度の所得の金額の計算上益金の額および損金の額に算入されなかったものがある場合(次のイおよびロに該当する場合を除きます。)…令和9年3月31日後最初に開始する事業年度

イ 上記(1)に該当する場合

ロ その旧リース譲渡(上記1(1)または(2)の適用に係るものに限ります。)に係る収益の額および費用の額につき令和9年3月31日後最初に開始する経過措置事業年度の確定した決算において上記1(1)または(2)の延払基準の方法(その経過措置事業年度以後の各事業年度においてその旧リース譲渡の対価の額のうちに含まれる利息に相当する金額のみをその各事業年度の収益の額とする方法に限ります。)により経理した場合

3 未計上収益額および未計上費用額の均等取崩し

上記2の場合において、その旧リース譲渡に係る収益の額および費用の額が上記2(1)または(2)に掲げる場合に該当する場合において、そのリース譲渡に係る未計上収益額が未計上費用額を超えるときは、上記2(1)または(2)にかかわらず、次の(1)に掲げる金額(解散もしくは事業の全部の廃止もしくは譲渡(一定のものを除きます。)の日の属する事業年度、清算中の事業年度または被合併法人の合併(適格合併を除きます。)の日の属する事業年度等および(1)に掲げる金額が(2)に掲げる金額を超える事業年度にあっては(2)の金額)を、基準事業年度以後の各経過措置事業年度の所得の金額の計算上、益金の額および損金の額に算入することができます。この計算は、確定申告書に、この計算により益金の額および損金の額に算入される金額の申告の記載がある場合に限り、適用されます。

(1) その未計上収益額および未計上費用額をそれぞれ60で除し、これらにその事業年度の月数を乗じて計算した金額

(2) イに掲げる金額からロに掲げる金額を控除した金額

イ その未計上収益額および未計上費用額

ロ イに掲げる金額のうちその事業年度前の各事業年度の所得の金額の計算上益金の額および損金の額に算入された金額

根拠法令等

法法64の2、旧法法63、旧法令124、平19改正法附則43、44、平19改正法令附則1、令7改正法附則17、令7改正令附則12

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