[令和7年4月1日現在法令等]
法人税
青色申告書を提出する法人で経営資源活用共同化推進事業者(注1)に該当するもの(以下「対象法人」といいます。)が、令和2年4月1日から令和8年3月31日までの間に特定株式(注2)を取得し、かつ、これをその取得の日を含む事業年度終了の日まで有している場合において、その特定株式の取得価額(注3)の25パーセント以下の金額をその事業年度の確定した決算において一定の区分により特別勘定の金額として経理したときは、その経理した金額について所得基準額(注4)(上限125億円)を限度として損金の額に算入することができます。
本制度は、対象法人の特定事業活動等の実施状況について経済産業大臣の証明に係る書類(注5)等を確定申告書等に添付することが適用の要件とされています。
なお、この特別勘定の金額は、その譲渡その他の一定の取崩し事由(注6)に該当することとなった場合には、その事由に応じて一定の金額を取り崩して、益金の額に算入します。
ただし、その特定株式が増資に伴う払込みにより取得の日から5年(令和4年4月1日以後に増資に伴う払込みにより取得をした特定株式にあっては3年)を経過したものであることについて共同化継続証明書(注7)に記載されることにより証明されたものである場合には、取崩し事由に該当することなどによりその特別勘定の金額を取り崩したとしても、益金の額に算入する必要はありません。
この制度の適用に当たり、必要な手続き等については、経済産業省ホームページの「オープンイノベーション促進税制」に掲載されていますので、詳細は、そちらをご参照ください。
(注1) 「経営資源活用共同化推進事業者」とは、国内外における経営資源活用の共同化に関する調査に関する省令第2条第1項に規定する経営資源活用共同化推進事業者をいいます。
(注2) 「特定株式」とは、産業競争力強化法第2条第6項に規定する新事業開拓事業者のうち特別新事業開拓事業者(※1)の株式のうち、次のすべての要件を満たすことにつき経済産業大臣の証明(※2)に係る書類(注5)に記載された特別新事業開拓事業者の株式をいいます。
1 その株式が増資に伴う払込みにより交付されるものであること(経営資源活用共同化推進事業者がすでに総株主の議決権の過半数を有している法人に対する増資は除かれます。)、またはその購入による取得により総株主の議決権の過半数を有することとなるものであること。
2 その株式保有が次の株式の区分に応じそれぞれ次の期間継続する見込みであること。
(1) 増資に伴う払込みにより交付される株式 その取得の日から3年を超える期間
(2) 上記(1)以外の株式 その取得の日から5年を超える期間
3 その株式の取得が対象法人および特別新事業開拓事業者の特定事業活動に特に有効なものになると認められるものであること。
(※1) 特別新事業開拓事業者とは、国内外における経営資源活用の共同化に関する調査に関する省令第2条2項に規定する特別新事業開拓事業者をいいます。具体的には、既に事業を開始している者であって、株式会社であること、上場会社以外の会社であること、特定事業活動に資する事業を行い、または行おうとする会社であること、設立の日以後の期間が10年未満の会社であること(その設立の日以後の期間が10年以上15年未満の会社にあっては、直前の事業年度の確定した決算において、研究開発費の額の売上高の額に対する割合が10パーセント以上であり、かつ、営業損失を生じているものであることなどの一定の要件を満たす者(これに類する外国法人を含みます。)をいいます(経済産業省関係産業競争力強化法施行規則2②)
(※2) 特別新事業開拓事業者(内国法人に限ります。)から増資に伴う払込みにより取得した株式の額が1億円以上(対象法人が中小企業者に該当する者である場合には1,000万円以上)である場合におけるその株式をその取得の日から3年以上継続して保有しようとする事業活動であることもしくは特別新事業開拓事業者(外国法人に限ります。)から増資に伴う払込みにより取得した株式の額が5億円以上である場合におけるその株式をその取得の日から3年以上継続して保有しようとする事業活動であることまたは購入により取得した特別新事業開拓事業者(内国法人に限ります。)の株式の額が5億円以上であり、かつ、その取得により総株主の過半数の議決権を有することとなる場合におけるその株式をその取得の日から5年以上継続して保有しようとする事業活動であることなどについて、経済産業大臣の証明を受けることができることとされています。
(注3) 取得価額の1件当たりの上限は、増資に伴う払込みにより交付された特定株式(以下「増資特定株式」といいます。)の場合は50億円(令和5年3月31日以前に増資に伴う払込みをしたものにあっては100億円)であり、増資特定株式以外の特定株式の場合は200億円となります。
(注4) 「所得基準額」とは、本制度および特許権等の譲渡等による所得の課税の特例(措法59①)を適用せず、かつ、特定株式の取得の日を含む事業年度において支出した寄附金の額の全額を損金の額に算入して計算した場合のその事業年度の所得の金額から、翌事業年度以降に繰り越される欠損金額がある場合のその欠損金額を差し引いた金額をいいます。
(注5) 「経済産業大臣の証明に係る書類」とは、国内外における経営資源活用の共同化に関する調査に関する省令第4条第1項の規定による経済産業大臣の証明に係る書類をいいます。
(注6) 例えば、次に掲げる場合は、特別勘定に係る特定株式の「特別勘定の取崩し事由」に該当します。
1 特定勘定を設けている法人(以下「設定法人」といいます。)について、その特別勘定に係る特定株式(合併法人等に引き継ぐこととされた特別勘定の金額に係るものを除きます。)を発行した法人と共同して特定事業活動が行われていることにつき経済産業大臣の証明がされなかった場合(この場合においては、下記2は適用しない。)
2 特定株式(増資特定株式を除きます。)の取得の日から起算して5年を経過した日を含むその特定株式を発行した法人の会計期間の末日が到来したものがある場合(その末日を含む設定法人の事業年度以前の各事業年度について、その特定株式を発行した法人の事業の成長発展が図られたことにつき経済産業大臣の証明がされた場合を除きます。)
3 特定株式の全部または一部を有しなくなった場合(下記4から6までまたは10に該当する場合および設定法人を合併法人とする合併によりその特定株式(増資特定株式に限ります。)を発行した法人が解散した場合を除きます。)
4 合併により合併法人に特定株式を移転した場合
5 特定株式を組合財産とする投資事業有限責任組合等に係る契約に基づく設定法人の出資額割合に変更があった場合(上記2の経済産業大臣の証明がされた場合を除きます。)
6 特定株式を発行した法人が解散した場合(設定法人を合併法人とする合併によりその特定株式(増資特定株式に限ります。)を発行した法人が解散した場合を除きます。)
7 特定株式につき剰余金の配当(分割型分割によるものおよび株式分配を除きます。)を受けた場合
8 特定株式の帳簿価額を減額した場合
9 設定法人が解散した場合(合併により解散した場合を除きます。)
10 設定法人が特定株式(増資特定株式を除きます。)を発行した法人の総株主の議決権の過半数を有しなくなった場合(上記4に該当する場合を除きます。)
11 上記1から10までの場合以外の場合において特別勘定の金額を取り崩した場合(設定法人を合併法人とする合併によりその特定株式(増資特定株式に限ります。)を発行した法人が解散した場合を除きます。)
(注7) 「共同化継続証明書」とは、国内外における経営資源活用の共同化に関する調査に関する省令第4条第2項の規定による経済産業大臣の証明に係る書類をいいます。
措法66の13、措令39の24の2、措規22の13
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