[令和3年9月1日現在法令等]

対象税目

法人税

概要

平成29年度税制改正により、平成29年4月1日以後に役員給与の支給に係る決議(その決議が行われない場合にはその支給)が行われる役員給与の取扱いは、以下のとおりとなります。

(注) 新株予約権による給与および退職給与については、平成29年10月1日以後の役員給与の支給に係る決議(その決議が行われない場合にはその支給)が行われる役員給与から適用されます。

法人が役員に対して支給する給与(注)の額のうち次に掲げる定期同額給与、事前確定届出給与または業績連動給与のいずれにも該当しないものの額は損金の額に算入されません。

ただし、次に掲げる給与のいずれかに該当するものであっても、不相当に高額な部分の金額は、損金の額に算入されません。

(注) 上記の給与からは、(1)退職給与で業績連動給与に該当しないもの、(2)左記(1)以外のもので使用人兼務役員に対して支給する使用人としての職務に対するものおよび(3)法人が事実を隠蔽し、または仮装して経理することによりその役員に対して支給するものは除かれます。

定期同額給与

定期同額給与とは、次に掲げる給与です。

(1) その支給時期が1か月以下の一定の期間ごとである給与(以下「定期給与」といいます。)で、その事業年度の各支給時期における支給額または支給額から源泉税等の額(注)を控除した金額が同額であるもの

(注) 源泉税等の額とは、源泉徴収をされる所得税の額、特別徴収をされる地方税の額、定期給与の額から控除される社会保険料の額その他これらに類するものの額の合計額をいいます。

(2) 定期給与の額につき、次に掲げる改定(以下「給与改定」といいます。)がされた場合におけるその事業年度開始の日または給与改定前の最後の支給時期の翌日から給与改定後の最初の支給時期の前日またはその事業年度終了の日までの間の各支給時期における支給額または支給額から源泉税等の額を控除した金額が同額であるもの

イ その事業年度開始の日の属する会計期間開始の日から3か月(確定申告書の提出期限の特例に係る税務署長の指定を受けた場合にはその指定に係る月数に2を加えた月数)を経過する日(以下「3月経過日等」といいます。)まで(継続して毎年所定の時期にされる定期給与の額の改定で、その改訂が3月経過日等後にされることについて特別の事情があると認められる場合にはその改訂の時期まで)にされる定期給与の額の改定

ロ その事業年度においてその法人の役員の職制上の地位の変更、その役員の職務の内容の重大な変更その他これらに類するやむを得ない事情(以下「臨時改定事由」といいます。)によりされたこれらの役員に係る定期給与の額の改定(上記イに掲げる改定を除きます。)

ハ その事業年度においてその法人の経営状況が著しく悪化したことその他これに類する理由(以下「業績悪化改定事由」といいます。)によりされた定期給与の額の改定(その定期給与の額を減額した改定に限られ、上記イおよびロに掲げる改定を除きます。)

(3) 継続的に供与される経済的利益のうち、その供与される利益の額が毎月おおむね一定であるもの

事前確定届出給与

事前確定届出給与とは、その役員の職務につき所定の時期に、確定した額の金銭または確定した数の株式(出資を含みます。以下同じです。)もしくは新株予約権もしくは確定した額の金銭債権に係る特定譲渡制限付株式もしくは特定新株予約権を交付する旨の定め(以下「事前確定届出給与に関する定め」といいます。)に基づいて支給される給与で、上記の「定期同額給与」および下記の「業績連動給与」のいずれにも該当しないもの(承継譲渡制限付株式または承継新株予約権による給与を含み、次に掲げる場合に該当する場合には、それぞれ次に定める要件を満たすものに限ります。)をいいます。

(1) その給与が次のいずれにも該当しない場合 事前確定届出給与に関する届出をしていること。

イ 定期給与を支給しない役員に対して同族会社に該当しない法人が支給する金銭による給与

ロ 株式または新株予約権による給与で、将来の役務の提供に係る一定のもの

(注1) イまたはロに該当する給与については、事前確定届出給与に関する届出は必要ありません。

(注2) 将来の役務の提供に係る一定の給与とは、役員の職務につき株主総会、社員総会その他これらに準ずるもの(以下「株主総会等」といいます。)の決議(その職務の執行の開始の日から1か月を経過する日までにされるものに限ります。)により事前確定届出給与に関する定め(その決議の日から1か月を経過する日までに、特定譲渡制限付株式または特定新株予約権を交付する旨の定めに限ります。)をした場合のその定めに基づいて交付される特定譲渡制限付株式または特定新株予約権による給与をいいます。

(2) 株式を交付する場合 その株式が市場価格のある株式または市場価格のある株式と交換される株式(その法人または関係法人が発行したものに限ります。以下「適格株式」といいます。)であること。

(3) 新株予約権を交付する場合 その新株予約権がその行使により市場価格のある株式が交付される新株予約権(その法人または関係法人が発行したものに限ります。以下「適格新株予約権」といいます。)であること。

(注1) 関係法人とは、その法人の役員の職務につき支給する給与(株式または新株予約権によるものに限ります。)に係る株主総会等の決議日からその株式または新株予約権を交付する日までの間、その法人と他の法人との間に当該他法人による支配関係が継続することが見込まれている場合の当該他の法人をいいます。

(注2) 特定譲渡制限付株式とは、譲渡制限付株式(※)であって役務の提供の対価として個人に生ずる債権の給付と引換えにその個人に交付されるものその他その個人に給付されることに伴ってその債権が消滅する場合のその譲渡制限付株式をいいます。

(※) 譲渡制限付株式とは、次の要件に該当する株式をいいます。

1 譲渡(担保権の設定その他の処分を含みます。)についての制限がされており、かつ、譲渡制限期間が設けられていること。

2 個人から役務提供を受ける法人またはその株式を発行し、もしくはその個人に交付した法人がその株式を無償で取得することとなる事由(その株式の交付を受けた個人が譲渡制限期間内の所定の期間勤務を継続しないこともしくはその個人の勤務実績が良好でないことその他のその個人の勤務の状況に基づく事由、またはこれらの法人の業績があらかじめ定めた基準に達しないことその他のこれらの法人の業績その他の指標の状況に基づく事由に限ります。)が定められていること。

(注3) 特定新株予約権とは、譲渡制限付新株予約権(※)であって次に掲げる要件に該当するものをいいます。

1 その譲渡制限付新株予約権と引換えにする払込みに代えてその役務の提供の対価としてその個人に生ずる債権をもって相殺されること。

2 1に掲げるもののほか、その譲渡制限付新株予約権が実質的にその役務の提供の対価と認められるものであること。

(※) 譲渡制限付新株予約権とは、発行法人から一定の権利の譲渡についての制限その他特別の条件が付されているものをいいます。

また、役員の職務につき、確定した額に相当する適格株式または適格新株予約権を交付する旨の定めに基づいて支給する給与(確定した額の金銭債権に係る特定譲渡制限付株式または特定新株予約権を交付する旨の定めに基づいて支給する給与を除きます。)は、確定した額の金銭を交付する旨の定めに基づいて支給する給与に該当するものとして取り扱われます。

事前確定届出給与に関する届出期限

(1) 原則

事前確定届出給与に関する定めをした場合は、原則として、次のイまたはロのうちいずれか早い日(新設法人がその役員のその設立の時に開始する職務についてその定めをした場合にはその設立の日以後2か月を経過する日)までに所定の届出書を提出する必要があります。

イ 株主総会等の決議によりその定めをした場合におけるその決議をした日(その決議をした日が職務の執行を開始する日後である場合にはその開始する日)から1か月を経過する日

ロ その会計期間開始の日から4か月(確定申告書の提出期限の延長の特例に係る税務署長の指定を受けている法人はその指定に係る月数に3を加えた月数)を経過する日

(2) 臨時改定事由が生じたことにより事前確定届出給与に関する定めをした場合

臨時改定事由が生じたことによりその臨時改定事由に係る役員の職務について事前確定届出給与に関する定めをした場合には、次に掲げる日のうちいずれか遅い日が届出期限です。

イ 上記(1)のイまたはロのうちいずれか早い日(新設法人にあっては、その設立の日以後2か月を経過する日)

ロ 臨時改定事由が生じた日から1か月を経過する日

(3) 事前確定届出給与に関する定めを変更する場合

既に上記(1)または(2)の届出をしている法人が、その届出をした事前確定届出給与に関する定めの内容を変更する場合において、その変更が次に掲げる事由に基因するものであるときのその変更後の定めの内容に関する届出の届出期限は、次に掲げる事由の区分に応じてそれぞれ次に定める日です。

イ 臨時改定事由

その事由が生じた日から1か月を経過する日

ロ 業績悪化改定事由(給与の支給額を減額し、または交付する株式もしくは新株予約権の数を減少させる場合に限ります。)

その事由によりその定めの内容の変更に関する株主総会等の決議をした日から1か月を経過する日(変更前の直前の届出に係る定めに基づく給与の支給の日がその1か月を経過する日前にある場合には、その支給の日の前日)

(4) やむを得ない事情がある場合

上記(1)から(3)までの届出期限までに届出がなかった場合においても、その届出がなかったことについてやむを得ない事情があると認めるときは、それらの届出期限までに届出があったものとして事前確定届出給与の損金算入をすることができます。

業績連動給与

業績連動給与とは、利益の状況を示す指標、株式の市場価格の状況を示す指標その他の法人またはその法人との間に支配関係がある法人の業績を示す指標を基礎として算定される額または数の金銭または株式もしくは新株予約権による給与および特定譲渡制限付株式もしくは承継譲渡制限付株式または特定新株予約権もしくは承継新株予約権による給与で無償で取得され、または消滅する株式または新株予約権の数が役務の提供期間以外の事由により変動するものをいいます。

損金算入となる業績連動給与は、法人(同族会社にあっては同族会社以外の法人との間にその法人による完全支配関係があるものに限ります。)が、業務執行役員(※)に対して支給する業績連動給与(金銭以外の資産が交付されるものにあっては、適格株式または適格新株予約権が交付されるものに限ります。)で、次の(1)から(3)までのすべての要件を満たすもの(他の業務執行役員のすべてに対して次の要件を満たす業績連動給与を支給する場合に限ります。)となります。

(注) 業務執行役員とは、業務連動給与の算定方法の決定または手続の終了の日において、法人の業務を執行することとされている役員をいいます。

(1) 交付される金銭の額もしくは株式もしくは新株予約権の数または交付される新株予約権の数のうち無償で取得され、もしくは消滅する数の算定方法が、その給与に係る職務執行期間開始日以後に終了する事業年度の利益の状況を示す指標、株式の市場価格の状況を示す指標または売上高の状況を示す指標を基礎とした客観的なもので、次の要件を満たすものであること。

イ 確定額または確定数を限度としているものであり、かつ、他の業務執行役員に対して支給する業績連動給与に係る算定方法と同様のものであること。

ロ その事業年度開始の日の属する会計期間開始の日から3か月(確定申告書の提出期限の延長の特例に係る税務署長の指定を受けた法人はその指定に係る月数に2を加えた月数)を経過する日までに一定の報酬委員会等がその算定方法を決定していることその他これに準ずる一定の適正な手続を経ていること。

ハ その内容が上記ロの適正手続終了の日以後遅滞なく、有価証券報告書に記載されていることその他一定の方法により開示されていること。

(2) 次に掲げる給与の区分に応じそれぞれ次の要件を満たすものであること。

イ ロに掲げる給与以外の給与 次に掲げる給与の区分に応じてそれぞれ次に定める日までに交付され、または交付される見込みであること。

(イ) 金銭による給与 その金銭の額の算定の基礎とした利益の状況を示す指標、株式の市場価格の状況を示す指標または売上高の状況を示す指標の数値が確定した日の翌日から1か月を経過する日

(ロ) 株式または新株予約権による給与 その株式または新株予約権の数の算定の基礎とした業績連動指標の数値が確定した日の翌日から2か月を経過する日

ロ 特定新株予約権または承継新株予約権による給与で、無償で取得され、または消滅する新株予約権の数が役務の提供期間以外の事由により変動するもの その特定新株予約権または承継新株予約権に係る特定新株予約権が業績連動給与の算定方法につき適正な手続の終了の日の翌日から1か月を経過する日までに交付されること。

(3) 損金経理をしていること(給与の見込額として損金経理により引当金勘定に繰り入れた金額を取り崩す方法により経理していることを含みます。)。

(※) この制度については、経済産業省ホームページに「「攻めの経営」を促す役員報酬-企業の持続的成長のためのインセンティブプラン導入の手引-」等(https://www.meti.go.jp/press/2021/06/20210607001/20210607001.html)が掲載されていますので、詳細はそちらをご参照ください。

根拠法令等

法法34、54、法令69、71の2、71の3、法規22の3、平29改正法附則14、15、平29改正令附則9、10、平29改正規則附則3、4

関連リンク

・「役員給与に関するQ&A(平成20年12月)(平成24年4月改訂)(PDF/303KB)

関連コード

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