現在は、指定した口座から税金を引き落とせる振替納税や、コンビニでの納税など、便利な納税方法がありますが、昔は、納税者は市町村の窓口に出かけ、納税するしかありませんでした。
日本国憲法でも、それ以前の大日本帝国憲法でも、納税は国民の義務とされており、法律で定められた日までに納税することが納税者に求められています。税金は、学校や道路の建設やその維持、健康保険制度の実施など、私たちの生活になくてはならないものに使われており、きちんと定められた日までに納税がなされていくことが必要です。
しかしながら、さまざまな理由や事情によって、その定められた日までに納税をしない納税者がいます。特に戦前、督促状の発送数が100万件以上にものぼりましたが、当時は督促状を手書きするなど、税務署の事務負担は相当大きいものでした。そこで、そのような納税者が生じないよう、国や地方自治体は、さまざまな策をとってきました。そして、そのような策は、それぞれの時代を反映したものとなっています。納税場所が市町村役場などに限られていた頃には、組合員の税金を取りまとめて代表者が納税したり、あるいはレコードが普及しだすと納税を題材としたレコードを作成して納税イベントなどで流したり、コンビニが身近になるとコンビニで納税ができるようになっていきました。
今回の展示では、定められた日までに納税してもらうために国や地方自治体がとってきた策を時代背景とともに紹介します。