酒税は室町時代から始まる税ですが、明治30年代に、酒税が税収のトップだったことはあまり知られていません。
 明治時代の酒税行政は、明治前期には府県が担当していましたが、その後は、明治29年(1896)に誕生した税務署が行うようになりました。
 その一方で、酒造業者は酒造組合を結成し、組合内の業者間の調整及び酒の品質向上に努めました。明治32年には、酒造組合規則が制定され、酒造組合は税務署と協調しながら酒造業界の発展に貢献しました。この後、明治37年には、大蔵省に現在の独立行政法人酒類総合研究所の前身である醸造試験場が創設されました。
 当時の酒税の背景には、税制の変遷とともにこうした税務行政及び酒造業者の動向もあったのです。

酒税の税収(県別)

(単位:千円)
順位
明治11年度 明治32年度 明治45年度
1 兵庫 兵庫 兵庫
445 6,485 13,529
2 大阪 福岡 福岡
300 3,441 4,871
3 愛知 京都 広島
273 2,065 3,583
4 愛媛 広島 愛知
208 1,837 3,194
5 石川 愛媛 京都
206 1,771 3,160
6 岡山 愛知 新潟
187 1,761 3,048
7 福岡 新潟 長野
181 1,731 2,742
8 新潟 長野 愛媛
167 1,711 2,493
9 広島 大阪 岡山
165 1,633 2,433
10 長野 山口 山口
162 1,584 2,424
11 埼玉 岡山 大阪
147 1,558 2,395
12 長崎 福島 福島
147 1,291 2,307
13 三重 大分 三重
146 1,222 2,025
14 茨城 茨城 北海道
143 1,119 1,944
15 大分 熊本 茨城
142 1,115 1,898
  • 1 年度は、酒造年度(10月1日から翌年の9月30日まで)で表示。
  • 2 各県の税収の差は、造石高や製造場数の他、技術力も要因として上げられる。
    なお、税収の増大の背景には、増税など税制上の改正もあった。
  • 3 清酒のみの比較による。

目次

明治の酒税