所得税は、明治20年(1887)の創設当初は、国税の収入の1%〜2%程度に過ぎませんでしたが、経済の発達などに伴い大正時代には第1位の税収となり、以後国税の中心となりました。また、個人にのみ課税されていた所得税は、明治32年の全面改正で法人にも課税されることになり、昭和15年の法人税の創設へとつながっていきます。
 こうした中、大正時代には、社会政策の必要性から控除制度が創設され、昭和15年には扶養控除の枠が拡大されています。
 このように昭和22年に申告納税制度が導入されるまでの間に、所得税は時代に対応するため様々な改正が行われてきました。明治時代の所得税の解説書である「所得税法明辨」や大正時代の「所得金額申告注意書」、昭和15年の「改正税法総まくり早わかり」、申告納税を伝えるポスターなど、様々な史料から当時の所得税の姿に触れてみて下さい。

所得税改正関係年表