問1(25点)
本問は、固定資産評価員及び固定資産評価補助員について、制度の趣旨を踏まえた上で、基本的理解を問う問題である。
固定資産税の課税客体である固定資産は、非常に膨大な件数にのぼり、また、固定資産の適正な時価を求めるには、相当高度の専門的な知識を必要とするため、評価を専任する専門的な職員として、固定資産評価員がおかれることとなっている。
本問では、そのような趣旨を踏まえた上で、固定資産評価員の任務や定数、任期について問うものである。
また、その職務の重要性から、固定資産評価員は特別職とされ、その選任について議会の同意を必要とすることとしていること、兼職禁止等の規定や欠格事項が設けられていることについての理解もポイントとなる。
そのほか、市町村によっては固定資産の数が膨大であるなど、固定資産評価員一人の負担には堪えられないことも予想されるので、これを補助する者として、固定資産評価補助員制度が設けられていることについても問うものである。
問2(25点)
本問は、固定資産税の免税点について、いくつかの事例を提示し、それぞれの場合に免税点が適用されるか否かを判定させることを通じて、免税点の制度の基本的理解を問うものである。
免税点は、課税標準の額が一定の額に満たないものについては課税をしないことによって徴税の合理化を図ろうとする制度であり、具体的には、市町村は、同一の者について区域内にその者が所有する固定資産税の課税標準額の合計額が、土地にあっては30万円、家屋にあっては20万円、償却資産にあっては150万円に満たない場合においては、課することができないこととされている。
本問では一般的な事例に加えて、政令指定都市における取扱いや、複数の者が共有で資産を所有している場合の取扱いについても問うものであり、次の点への理解がポイントとなる。
本問は、税額の計算問題を通して固定資産税制度の総合的な理解力を問う問題である。
問1は、区分所有家屋及び区分所有家屋の敷地の用に供されている土地の税額の計算についての理解を問う問題であり、問2は、償却資産(移動性償却資産等)についての理解を問う問題である。
問1(25点)
本問は、宅地等に係る負担調整措置、住宅用地に適用される特例措置、新築住宅に適用される特例措置、区分所有家屋及びその敷地に係る税額の按分方法を理解した上で税額を適正に算出できるか、総合的な理解を問う問題である。
宅地等に係る負担調整措置の適用に当たっては、用途ごとに算定方法が異なることや、前年度から用途変更が行なわれた宅地等については変更後の用途に係る市内の平均負担水準を用いて前年度課税標準額を算出する必要があること、新築住宅特例の適用に当たっては、床面積の要件や居住割合の要件の充足を確認した上で120㎡相当分を限度に固定資産税が減額されること、区分所有家屋及びその敷地に係る各区分所有者への税額の按分については、各専有部分の床面積の割合による按分を基本としつつも、敷地について家屋の居住用部分の割合に応じた補正をかける必要があること等を踏まえて税額を算出する必要がある。
問2(25点)
償却資産の課税標準額については、資産ごとに異なる耐用年数に基づく減価償却、課税標準の特例措置の適用があるほか、移動性・可動性償却資産については配分規則に基づき関係市町村への価格の配分が行われる。
本問は、航空機並びに鉄道及び車両の税額算定を通じて、これらの規定の適用に関する基本的な理解を問うものである。
特に航空機については、資料で与えられた条件に基づき適切に課税標準の特例措置を適用するとともに、固定資産の価格の各市への配分にあたっては、一の飛行場が二以上の市町村にわたり所在している場合の配分方法に留意する必要がある。