- ホーム
- 税の情報・手続・用紙
- 税理士に関する情報
- 税理士試験
- 国税徴収法
出題のポイント
【第一問】−60点−
問1(15点)
本問は、国税徴収法の規定に関する基本的な理解を問う問題である。
- (1) 国税徴収法においては、第三者に対して補充的に納税義務を負担させることにより、徴税手続の合理化を図るための制度として、各種の第二次納税義務の制度が設けられている。
本問は、このうち国税徴収法第39条の無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務の立法趣旨を問う問題である。
- (2) 国税徴収法第139条第1項及び第2項において、滞納者が死亡した場合の滞納処分の効力に関する規定が設けられている。本問は、滞納処分を執行した後に滞納者が死亡した場合、また、滞納者の死亡後に滞納者名義の財産に対して滞納処分を執行した場合の効力についての基本的な理解を問う問題である。
問2(25点)
本問は、国税通則法上の納税緩和制度、国税徴収法上の滞納処分手続に関する基本的な理解を問う問題である。
- (1) 国税通則法第46条においては、納税者に各種の事情が生じた場合に適用される納税の猶予に関する規定が設けられている。このうち、同条第1項及び第2項第1号は、いずれも納税者が災害により財産に損失を受けた場合に適用され得る納税の猶予に関する規定であるが、これらの制度は、猶予が認められる損失の程度、猶予の対象となる国税、猶予の申請期限、猶予をする金額などについて相違が見られる。本問は、これらの規定の概要及び相違点を問う問題である。
- (2) 滞納者の親族その他の特殊関係者以外の第三者が、滞納者の財産(動産)を占有している場合、その第三者が財産の引渡しを拒む場合は、徴収職員はその財産を差し押さえることができない(国税徴収法第58条第1項)。この場合、徴収職員は、同条第2項に基づきその第三者に対して引渡命令を発するなどの手続を採ることになるが、本問は、このような滞納者の財産(動産)を第三者が占有している場合の滞納処分手続についての理解を問う問題である。
問3(20点)
本問は、滞納者等の財産が強制換価手続により換価された場合、租税債権と私債権との調整に関する理解を問う問題である。
- (1) 強制換価手続において、国税が他の国税、地方税等と競合する場合において、国税が地方税に先立ち、私債権がその地方税等に遅れ、かつ、その国税に先立つとき等の場合には、国税徴収法第26条の規定により調整が図られることになる。本問は、同条の規定を正確に理解しているかを問う問題である。
- (2) 滞納者が担保権付財産を譲渡した場合には、国税徴収法第22条の規定により、国税と被担保債権との調整が図られることになる。本問は、同条の規定を正確に理解しているかを問う問題である。
【第二問】−40点−
本問は、国税徴収法における第二次納税義務の適用に関する総合的な理解を問う問題である。
具体的には、同法第34条の清算人等の第二次納税義務、同法第38条の事業を譲り受けた特殊関係者の第二次納税義務及び同法第39条の無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務の各規定に関し、その適用要件、追及可能額などを正確に理解しているかを問う問題である。
また、第二次納税義務の追及に当たっては、第二次納税義務者が負う第二次納税義務を主たる納税義務として、更に第二次納税義務を追及し得ることを理解しているかが本問のポイントとなる。