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出題のポイント
【第一問】−25点−
問1(9点)
- (1) 本問は、討議資料「財務会計の概念フレームワーク」(以下「討議資料」という。)第2章 会計情報の質的特性 から出題している。第2章本文第2項について、特に、意思決定有用性を支える2つの下位の特性を正確に理解しているかを問うものである。
- (2) 本問も、「討議資料」第2章本文第2項から出題している。問1(1)(2)は連続した問である。(1)での解答を踏まえた上で、信頼性を支える3つの下位概念についての知識を求めている。
- (3) 本問は、「討議資料」第2章 結論の根拠と背景 に基づき比較可能性について出題している。「討議資料」第2章第20項は、会計情報が比較可能であるためには、実質が同じ(略)場合には同一の会計処理を、それが異なる場合には異なる会計処理がなされなければならない(略)と述べている。本問は、第20項が述べている要請について出題している。まず、語句問題では、実質優先という用語を正しく選択できるか、次に、記述問題では、実質優先が重視される理由を比較可能性と関連付けて適切に説明できるかを問うている。会計情報の比較可能性は、国内のみならず国際的にも重要な特性であるため、「討議資料」第2章 結論の根拠と背景 まで目を通すことが望まれる。
問2(16点)
- (1) は「棚卸資産の評価に関する会計基準」(以下「棚卸資産会計基準」という。)についての空欄補充問題であり、「棚卸資産会計基準」第7項の規定について、正確な理解を求めている。
- (2) は「棚卸資産会計基準」についての空欄補充問題であり、「棚卸資産会計基準」第9項の規定について、正確な理解を求めている。
- (3) は「棚卸資産会計基準」についての空欄補充問題であり、「棚卸資産会計基準」第10項の規定について、正確な理解を求めている。
- (4) 本問は、「棚卸資産会計基準」における取得原価主義の説明を求めた上で、正味売却価額や再調達原価による低価評価に関する理解を問う問題である。「棚卸資産会計基準」
結論の背景 第36項についての知識を求めている。
- (5) 「棚卸資産会計基準」はトレーディング目的で保有する棚卸資産についても規定している。トレーディング目的で保有する棚卸資産については、売買目的有価証券の会計処理と同様であり、その具体的な適用は、金融商品会計基準に準ずることと規定されていることを理解しているか確認する意図で出題している。
- (6) 本問は、「時価の算定に関する会計基準」についての出題である。特に、時価の定義を規定する第31項について、出口価値と入口価値に関する知識を求めている。
【第二問】−25点−
問1(16点)
本問は社債、特にその発行差額の性格を問う問題である。
(1)は、社債の発行差額及び社債発行差金の基本的処理を問う問題である。(2)は、社債の発行差額の性格に関する2つの考え方である前払利息説と後払利息説との説明を求めた問題である。(3)では、(2)で説明した2つ説それぞれに立った場合に、貸借対照表借方項目たる社債発行差金の性格を会計的に説明することが求められている。
問2(9点)
本問はのれんに関する問題である。
(1)では、のれんの基本的な性質が、空所補充という形で問われている。(2)は、のれんの償却必要説の理論的根拠を問う問題である。(3)では、負ののれんの処理及び当該処理の理論的根拠が問われている。
【第三問】−50点−
本問は、会社法及び会社計算規則の基本的な理解度を広範囲に問う問題である。資料を正確かつ横断的に読み取って、貸借対照表及び損益計算書を適切に作成できるかを問うている。
- (1) 現金及び預金について、その範囲及び基本的な組替事項に関する理解を問う。
- (2) 金銭債権について、「金融商品に関する会計基準」における債権区分の考え方と貸倒引当金の会計処理に関する理解を問う。
- (3) 有価証券について、「金融商品に関する会計基準」における有価証券の評価方法等に関する理解を問う。
- (4) 自己株式について、「自己株式及び準備金の額の減少等に関する会計基準」における自己株式の取得及び処分の会計処理に関する理解を問う。
- (5) 棚卸資産について、「棚卸資産の評価に関する会計基準」における棚卸資産の評価基準及び評価方法に関する理解を問う。
- (6) 有形固定資産について、減価償却計算、「資産除去債務に関する会計基準」等に関する理解を問う。
- (7) 無形固定資産について、ソフトウェアの会計処理に関する理解を問う。
- (8) 借入金について、貸借対照表における表示及び区分に関する理解を問う。
- (9) 従業員賞与について、賞与引当金の会計処理に関する理解を問う。
- (10) 退職給付会計について、「退職給付に関する会計基準」に関する理解を問う。
- (11) 剰余金の処分に関する理解を問う。
- (12) 諸税金について、納付税額等の会計処理に関する理解を問う。
- (13) 税効果会計について、「税効果会計に係る会計基準」における繰延税金資産及び繰延税金負債等の会計処理及び表示に関する理解を問う。