出題のポイント

〔第一問〕

問1

 本問は、固定資産税に関する申告制度について、基本的な理解を問う問題である。
 固定資産税の申告制度としては、納税管理人の申告、償却資産の申告のほか、市町村長が条例で定めるところにより申告させることができるものとして、住宅用地特例の申告及び現所有者の申告がある。
 これらの申告制度について正しく理解しているか、また、令和2年度税制改正において創設された現所有者の申告について正しく理解しているかがポイントとなる。

問2

 本問は、固定資産税の免税点に係る趣旨、内容及び適用並びに土地及び家屋に係る免税点を判定する際に用いる土地名寄帳及び家屋名寄帳について、基本的な理解を問う問題である。
 共有物についての免税点の適用については、それぞれの共有者が他に固定資産税を有している場合であっても、その資産とは別に共有されている固定資産を別の人格が所有しているものとして免税点を適用するなど、免税点の判定に当たり留意すべき点について正しく理解しているかがポイントとなる。

〔第二問〕

 本問は、税額の計算を通して固定資産税制度の総合的な理解を問う問題である。
 問1は、負担調整措置について理解を問う問題であり、問2は、大規模償却資産について基本的な理解を問う問題である。

問1

 商業地等、住宅用地及び農地については、それぞれ異なる負担調整措置が講じられている。
 本問は、地目や用途の変更があった場合などにおける土地の税額を算定するに当たって、商業地等、住宅用地及び農地にかかる負担調整措置についての総合的な理解を問う問題である。
 令和3年度税制改正において、令和3年度の課税標準額を令和2年度の課税標準額と同額とする令和3年度限りの特別な負担調整措置が講じられていること、地目変更が行われた場合、小規模住宅用地のうち用途変更宅地等に該当する場合に適用される負担調整措置の計算方法、特定市街化区域農地の税額を算定するに当たって、みなし前年度課税標準額に基づく仮定計算方法などについて正しく理解しているかがポイントとなる。

問2

 本問は、大規模償却資産の課税主体、市町村が課税することのできる課税定額の増額の算出の特例についての理解を問う問題である。
 大規模償却資産の税額の算定を通して、大規模償却資産の課税標準額については、課税定額に増額分を上乗せした額までが市町村課税分となり、その限度額を超える部分が道府県課税分となるところ、課税定額は課税市町村の人口規模によって額が異なり、また、増額分についても、当該審査が新規大規模償却資産に該当する場合には算定方法が別途定められているとともに、課税市町村の基準財政需要額や基準財政収入額によって増額分に差が生じることについて正しく理解しているがポイントとなる。