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出題のポイント
〔第一問〕
問1
本問は、会計上の見積りについて、財務諸表における認識の対象と蓋然性の概念について基礎的な理解を問う問題である。
問2
本問は、会計上の見積りについて、財務諸表における認識対象となる項目に関する見積りの要素に係る注記等に関する基礎的な理解を問う問題である。
問3
本問は、会計上の見積りについて、主として引当金を対象として、期間損益計算の観点に立った議論と負債の定義の観点に立った議論に関する理解を問う問題である。
問4
本問は、会計上の見積りについて、主として固定資産の減損認識を対象として、将来キャッシュ・フローの見積りに係る基礎的な理解、回収可能価額の意味及び固定資産の減損認識の意義に関する理解を問う問題である。
〔第二問〕
問1
本問は、発生主義会計の基礎概念であるキャッシュ・フローの期間配分、合致(一致)の原則及び収支額主義に関する基礎的な理解を問う問題である。
- (1)では、「企業会計原則」における会計上の認識・測定に関連する諸原則を理解しているかを穴埋め形式で問うている。
- (2)では、「企業会計原則」における期間損益の表示に関する2つの考え方、すなわち包括主義と当期業績主義の違いを理解しているかを問うている。
- (3)では、(1)及び(2)に関連付けながら、発生主義会計の基礎概念を理解しているかを問うている。
- (4)では、応用問題として、発生主義会計を支えている他の諸原則、すなわち費用収益対応原則及び発生(時間)基準の定義や考え方を問うている。
問2
本問は、為替予約取引に関する2つの会計処理、すなわち原則処理(独立処理)及び例外処理(振当処理)に関する基礎的な考え方を理解しているかを確認するとともに、より本質的には、発生主義会計の基礎概念を理解しているかについて問う問題である。
- (1)及び(2)では、為替予約に関する2つの会計処理を理解しているかを問うている。
- (3)では、問1の応用問題として、為替予約に関する2つの会計処理の基では、収支額主義が貫かれているか否かを、(1)及び(2)に関連付けながら、理由を付して記述する問題である。なお、収支額主義の内容は問1及び問題文に記載されている。
- (4)では、問1の応用問題として、為替予約に関する2つの会計処理の基では、合致の原則が貫かれているか否かを、(1)及び(2)に関連付けながら、理由を付して記述する問題である。なお、合致の原則の内容は問1及び問題文に記載されている。
〔第三問〕
本問は、会社法及び会社計算規則に基づく計算書類等の基本的な理解度を広範囲に問う問題である。資料を正確かつ横断的に読み取って、貸借対照表及び損益計算書並びに株主資本等変動計算書を適切に作成することができるかについて問うている。財務諸表論は制度会計であり、税理士にとって身近な制度会計である会社法及び会社計算規則に基づいた計算書類の作成に関する基本的な理解を問う問題である。
- (1) 現金及び預金について、現金及び預金の範囲と基本的な組替え事項に関する理解を問うている。
- (2) 金銭債権について、「金融商品に関する会計基準」における債権区分の考え方と貸倒引当金の会計処理に関する理解も問うている。
- (3) 有価証券について、「金融商品に関する会計基準」における有価証券の評価方法等に関する理解を問うている。
- (4) 自己株式について、「自己株式及び準備金の額の減少等に関する会計基準」における自己株式の処分等に関する理解を問うている。
- (5) 棚卸資産について、「棚卸資産の評価に関する会計基準」における棚卸資産の評価基準及び評価方法に関する理解を問うている。
- (6) 有形固定資産について、「固定資産の減損に係る会計基準」における減損損失の計算方法等の理解を問うている。
- (7) 社債について、「金融商品に関する会計基準」における社債の評価方法等に関する理解を問うている。
- (8) 従業員賞与について、その処理と表示に関する理解を問うている。
- (9) 退職給付会計について、「退職給付に関する会計基準」における引当金の処理に関する理解を問うている。
- (10) 純資産について、「貸借対照表の純資産の部の表示に関する会計基準」における増資の処理に関する理解を問うている。
- (11) 諸税金の処理について、納付税額の処理方法の理解を問うている。
- (12) 税効果会計について、「税効果会計に係る会計基準」における繰延税金資産の会計処理と表示に関する理解を問うている。
- (13) 注記について、「重要な会計方針に係る事項」についての注記の開示に関する理解を問うている。
- (14) 会社法及び会社計算規則に定める貸借対照表及び損益計算書の区分、項目及び名称に関する理解を問うている。