問1
消費税法は、国内取引及び輸入取引を課税対象とする一方、国内取引に該当するものであっても、国内から輸出等として行われる取引は免税とされる。また、国外における譲渡や自己の使用のために、資産を国外へ移送した場合、仕入税額控除制度の適用上、輸出取引とみなすとされている。
このような免税取引等の範囲やその適用要件は、実務上も重要であることから、これらを正しく理解しているかを問うものである。
また、我が国の消費税は、仕向地主義(消費地課税)の考え方に基づき、輸出等の取引を免税とし、仕入れに係る消費税額を控除することで、国境を越えて行われる取引について税負担の調整が行われ、国際的取引に対する中立性が確保されることとなる。このような輸出免税制度の基本的な仕組についての理解を問うものである。
問2
中小事業者を対象に、仕入れに係る消費税額の控除の特例(簡易課税制度)が設けられている。同制度は、基準期間の課税売上高が5千万円以下の事業者が選択することにより適用されるものであるが、一定の場合には、その適用が制限される。また、納付税額の計算は、課税資産の譲渡等を事業の種類ごとに区分し、その区分に応じた控除割合を乗じるなどして行われるものであり、その事業区分や計算方法、特に複数の事業を行う場合の適用関係を正しく理解することは、実務においても重要と考えられる。
このため、具体的設例を基に簡易課税制度を選択しようとする場合の法令の適用関係や、規定されている各事業区分の内容、複数の事業を営む場合の計算の特例など、簡易課税制度全般の基本的な事項についての理解を問うものである。
問1
消費税の納付税額の計算に当たっては、課税資産の譲渡等の範囲、資産の譲渡等の時期及び課税標準の算定に関する事項を理解するとともに、仕入れに係る消費税額をはじめとする各種税額控除等について幅広く理解しておく必要がある。
そこで、本問においては、以下の事項を中心として、納税義務の判定及び納付すべき消費税額を算出させることで消費税法の総合的な理解度を問うものである。
問2
新たに設立された法人の納税義務の判定に当たって、特定新規設立法人の納税義務の免除の特例と前年等の課税売上高による納税義務の免除の特例について、以下の事項について正しく理解しているかを問うものである。