問1
相続税の債務控除は、相続又は遺贈により財産を取得した者及び相続時精算課税適用財産を取得した者が相続人又は包括受遺者である場合に限って認められ、
その控除すべき額は、その者の負担に属する部分で、
確実と認められるものに限られている。また、控除すべき債務等の範囲は、無制限納税義務者である場合、制限納税義務者である場合又は特定納税義務者が相続開始の時に相続税法の施行地に住所を有する者であるかどうかによって相違する。
債務控除として控除すべき債務は、相続開始の時において確実と認められるものに限られるが、債務控除として控除すべき公租公課の金額は、被相続人の死亡の際債務(納税義務)が確定しているものを原則としつつ、納税義務の確定していないものであっても、一定のものについては、控除すべき債務とされている。
本問では、相続税の課税価格の計算における基本的事項である債務控除について、債務控除として控除すべき範囲と債務控除として控除すべき債務の意義について説明を求めるものである。
なお、控除すべき公租公課の税目等については、説明を要しないこととした。
問2
相続税の納税地は、相続税法第62条において、相続税法の施行地(以下「法施行地」という。)に住所を有する者は、その住所を納税地とし、法施行地に住所を有しないこととなった場合には、その者の居所を納税地とするとしている。また、納税義務者が法施行地に住所を有しない場合及び相続開始の時に法施行地に住所があった者が法施行地に住所及び居所を有しないこととなった場合には、納税義務者が納税地を定めて、納税地の所轄税務署長に申告しなければならないこととしている。
しかしながら、相続税法附則第3項は、被相続人の死亡の時における住所が法施行地にある場合には、当分の間、その被相続人の死亡の時における住所地をもって、その納税地とするとしている。
また、相続税の申告書の提出期限は、相続税の申告書を提出する義務のある者が、その相続の開始があったことを知った日の翌日から10月以内であるが、その申告書を提出する義務のある者が同期間内に納税管理人の届出をしないで法施行地に住所及び居所を有しないこととなる場合には、その住所及び居所を有しないこととなる日までに相続税の申告書を提出しなければならないとしている。
本問は、相続税の納税地、相続税の期限内申告書の提出義務者及び提出期限について、相続税法の規定について問うとともに、被相続人が死亡の時において法施行地に住所を有しない場合の具体的事例を挙げ、相続税の期限内申告書の提出先及び提出期限について説明を求めるものである。
相続税法全般に関する理解度を測定するため、個別の財産評価、課税価格の算定、相続税の総額及び各相続人等の納付すべき税額までの算出を求める総合問題である。主なポイントは次のとおりである。