1.総合課税と申告分離課税の選択

maru_1上場株式等の配当等に係る利子所得

申告する場合は、申告分離課税の対象となり、総合課税を選択することはできません。

maru_2上場株式等の配当等(大口株主等が支払を受けるものを除く。)に係る配当所得

申告する場合は、総合課税に代えて、申告分離課税を選択することができます。ただし、申告分離課税を選択すると、配当控除を受けられません。

※1 申告分離課税の場合、所得税の税率は15%(住民税5%)となります。また、所得税と併せて復興特別所得税がかかります。

※2 申告する場合は、申告するmaru_2の配当所得の全てについて、総合課税と申告分離課税のいずれかを選択する必要があります(maru_1の利子所得を申告分離課税とし、maru_2の配当所得を総合課税とすることはできます。)。

※3 maru_1の利子所得及びmaru_2の配当所得について申告する場合は、内容に応じて次の書類を添付します。

●オープン型証券投資信託収益の分配の支払通知書

●配当等とみなす金額に関する支払通知書

●上場株式配当等の支払通知書

●特定口座年間取引報告書

注意確定申告において、申告分離課税を選択せず、1の利子所得・2の配当所得について確定申告不要制度を選択した場合、又は、2の配当所得について総合課税を選択した場合、その後修正申告や更正の請求において、これらの利子所得・配当所得について申告分離課税を選択する変更はできません。申告分離課税を選択した場合も同様です。

2.確定申告不要制度

 次のmaru_1からmaru_7に係る利子等・配当等は、確定申告をしないで源泉徴収だけで済ませる確定申告不要制度を選択できます。ただし、この制度を選択すると、配当控除や所得税等の源泉徴収税額の控除を受けられません。

  • maru_1少額配当等
  • maru_2金融商品取引所に上場されている株式等の利子等・配当等(大口株主等が支払を受けるものを除く。)
  • maru_3公募証券投資信託の収益の分配
  • maru_4特定投資法人の投資口の配当等
  • maru_5特定受益証券発行信託(公募のものに限ります。)の収益の分配
  • maru_6特定目的信託(公募のものに限ります。)の社債的受益権の剰余金の配当
  • maru_7特定公社債の利子
    1. ※1 1回に支払を受けるべき利子等又は配当等の額ごとに選択できます(源泉徴収口座を除く。)。
    2. ※2 この制度を選択せず、これらの利子等・配当等について確定申告をした場合、その後修正申告や更正の請求において、これらの利子等・配当等を申告しないこととする変更はできません。この制度を選択した場合も同様です。

●源泉徴収制度

maru_1上場株式等の配当等に係る利子所得配当所得
支払金額に対して所得税等(15.315%)、住民税(5%)が源泉徴収等されています。

maru_2上場株式等以外の配当等や上場株式等の配当等(大口株主等が支払を受けるもの)に係る配当所得
支払金額に対して所得税等(20.42%)のみが源泉徴収されています。

●源泉徴収口座(源泉徴収を行う特定口座)

 源泉徴収口座に受け入れた上場株式等の配当等は同一口座内の上場株式等の譲渡所得等と損益通算ができ、その口座ごとに確定申告不要制度を選択できます。
 また、源泉徴収口座内の譲渡所得等と同一口座内の利子所得・配当所得のいずれかのみを申告することもできますが、源泉徴収口座内の譲渡損失を申告する場合には、同一口座内の利子所得・配当所得の金額を併せて申告する必要があります。
参照:『株式等の譲渡所得等の申告のしかた(記載例)

●用語の説明

◆ 上場株式等の配当等

 特定公社債の利子、公募公社債投資信託の収益の分配、上場株式の配当、公募株式投資信託の収益の分配などをいいます。

◆ 特定公社債

 国債、地方債、外国国債、公募公社債、平成27年12月31日以前に発行された公社債(同族会社が発行した社債を除く。)などをいいます。

◆ 大口株主等

 上場会社等の発行済株式等の3%以上を保有する方をいいます。

◆ 少額配当等

1 銘柄について1回に支払を受けるべき金額が、次により計算した金額以下であるものをいいます。

10万円 × 配当計算期間の月数(最高12か月) ÷ 12

※ 「配当計算期間」とは、その配当等の直前の支払に係る基準日の翌日から、その配当等の支払に係る基準日までの期間をいいます。