この震災により被災された法人について、次の消費税法の特例が設けられました。
東日本大震災の被災者である法人が、その被害を受けたことによって、被災日を含む課税期間以後の課税期間について、課税事業者を選択する(又はやめる)場合、又は簡易課税制度の適用を受ける(又はやめる)場合には、指定日までに所轄税務署長に次に掲げる届出書を提出することにより、本来の提出時期(適用を受けようとする課税期間の初日の前日)までに提出されたものとみなして、その適用を受けること(又はやめること)ができます(震災特例法42)。
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(注)東日本大震災とは、平成23年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震及びこれに伴う原子力発電所の事故による災害をいいます。
<具体例>
※ 平成22年度税制改正の適用を受ける新設法人等に係る消費税法の特例についてはこちらをご覧ください。
東日本大震災の被災者である法人(以下「被災事業者」といいます。)は、この特例の適用を受けようとする上記の届出書を指定日までに所轄税務署長に提出してください(震災特例法42)。
(注)届出書を提出する場合には、「参考事項」欄又は余白に「東日本大震災の被災事業者である」旨を記載してください。
被災事業者とは、次に該当する法人をいいます。
指定日とは、次の法人ごとにそれぞれ掲げる日です。
被災日とは、法人が東日本大震災により被災事業者となった日です。
この特例の対象となる課税期間は、被災日を含む課税期間以後の課税期間です。
この特例による「消費税簡易課税制度選択(不適用)届出書」を提出する前に、仮決算による中間申告書を提出している場合、その中間申告書の内容を遡って変更する必要はありません。
震災により、資産に相当な損失を受け、緊急な設備投資等を行うため、平成24年3月期について簡易課税制度の適用をやめ、一般課税により申告を行う場合(事業年度が1年の3月末決算法人で、指定日が平成24年3月末までに到来する場合)
※ 平成24年3月期のみ一般課税で申告を行い、平成25年3月期について簡易課税制度の適用を受ける場合には、その適用を受けようとする課税期間の初日の前日まで(事例では平成24年3月31日まで)に「消費税簡易課税制度選択届出書」を忘れずに提出してください。指定日までに提出する「消費税簡易課税制度選択不適用届出書」と併せて提出していただいてもかまいません。
震災により、帳簿書類を消失したため、平成23年9月期について簡易課税制度を適用して申告を行い、平成24年9月期について簡易課税制度の適用をやめ、一般課税により申告を行う場合(事業年度が1年の9月末決算法人で、指定日が平成23年12月末までに到来する場合)
※ 平成23年9月期のみ簡易課税制度の適用を受け、平成24年9月期について簡易課税制度の適用をやめる場合には、指定日までに「消費税簡易課税制度選択届出書」と併せて「消費税簡易課税制度選択不適用届出書」を提出してください。
震災により、被害を受けた機械及び装置を買換えるため、平成24年3月期について課税事業者を選択し、一般課税により申告を行う場合(事業年度が1年の3月末決算法人で、指定日が平成24年3月末までに到来する場合)
※ 平成24年3月期のみ課税事業者を選択し、平成25年3月期について課税事業者の選択をやめる場合には、その選択をやめようとする課税期間の初日の前日まで(事例では平成24年3月31日まで)に「消費税課税事業者選択不適用届出書」を忘れずに提出してください。指定日までに提出する「消費税課税事業者選択届出書」と併せて提出していただいてもかまいません。
平成22年4月1日以後に「消費税課税事業者選択届出書」を提出して課税事業者となった法人が、課税事業者となった日から2年を経過する日までの間に開始した各課税期間中に調整対象固定資産(棚卸資産以外の固定資産で100万円(税抜き)以上のもの)の課税仕入れを行い、かつ、その仕入れた課税期間の消費税の確定申告を一般課税で行う場合には、その課税期間の初日から原則として3年間は、課税事業者の選択をやめること又は簡易課税制度を選択することができない制度(消法9、37
)が平成22年度の税制改正により設けられましたが、東日本大震災に係る消費税法の特例の適用を受ける法人については、その制度の適用はありません(震災特例法42
)。
また、平成22年4月1日以後に設立した新設法人が、基準期間がない各課税期間中に上記と同様に調整対象固定資産の課税仕入れを行い、かつ、その仕入れた課税期間の消費税の確定申告を一般課税で行う場合には、その課税期間の初日から原則として3年間は、その新設法人の納税義務が免除されない制度(消法12の2)も同改正により設けられましたが、東日本大震災に係る消費税法の特例の適用を受ける法人については、その制度の適用はありません。ただし、国税通則法第11条の規定の適用を受けない新設法人は届出が必要となります(震災特例法42
。次の事例をご覧ください。)。
平成22年4月1日に設立した法人(資本金1千万円以上で事業年度が1年の3月末決算法人)で、国税通則法第11条の規定の適用を受けない法人が、平成25年3月期について免税事業者となる場合(平成24年3月期に調整対象固定資産を購入。指定日が平成23年12月末までに到来する場合)
※ 国税通則法第11条の規定の適用を受け、申告期限等が延長されている法人以外の新設法人が、震災特例法第42条第4項の規定の適用を受ける場合には、基準期間がない事業年度のうち最後の事業年度終了の日と指定日のいずれか遅い日までに「震災特例法第42条第4項の規定に基づく消費税法第12条の2第2項不適用届出書(PDF/114KB)」を所轄税務署長に提出してください(震災特例法42)。
国税通則法第11条の規定による申告期限の延長に伴い、消費税の中間申告期限と確定申告期限が同一の日となる場合には、その消費税の中間申告書については提出を要しません(震災特例法43)。
なお、年3回、年11回の中間申告を行う必要のある事業者のその中間申告期限のみ同一の日となり、確定申告期限と同一の日とならない場合には、この特例は適用されません。この場合、申告期限が同一の日となる複数の中間申告については、中間申告対象期間ごとにそれぞれの中間申告書を提出する必要があります。これは仮決算による中間申告書を提出する場合であっても同様です。