平成13年12月28日
警察庁
厚生労働省
国税庁

 本年12月5日に未成年者飲酒禁止法(大正11年法律20号)の第1条に「営業者ニシテ其ノ業態上酒類ヲ販売又ハ供与スル者ハ満二十年ニ至ラザル者ノ飲酒ノ防止ニ資スル為年齢ノ確認其ノ他ノ必要ナル措置ヲ講ズルモノトス」の1項を加えること等を内容とする「未成年者喫煙禁止法及び未成年者飲酒禁止法の一部を改正する法律」が成立し、12月12日公布されました。 警察庁、厚生労働省及び国税庁は、同法改正を受け、未成年者の飲酒防止等対策の一環として、酒類小売業界に対して別添の文書(12月28日付)を発出し、同法改正の趣旨等を踏まえた未成年者飲酒の防止に資する取組について強力に推進するよう指導いたしました。

別添

警察庁丙少発第31号
健発 第1152号
課酒 4−11
平成13年12月28日

全国小売酒販組合中央会 会長 幸田昌一 殿
(社)日本フランチャイズチェーン協会 会長 藤井林太郎 殿
日本チェーンストア協会 会長 渡邉紀征 殿
日本スーパーマーケット協会 会長 清水信次 殿
(社)日本ボランタリー・チェーン協会 会長 林信太郎 殿
(社)日本セルフ・サービス協会 会長 増井とく太郎 殿
(社)日本通信販売協会 会長 石川博康  殿あて

警察庁生活安全局長
厚生労働省健康局長
国税庁審議官

平素は、未成年者飲酒防止に関しまして、御理解、御協力を賜り厚く御礼申し上げます。  
 さて、本年12月5日に未成年者飲酒禁止法(大正11年法律20号)の第1条に「営業者ニシテ其ノ業態上酒類ヲ販売又ハ供与スル者ハ満二十年ニ至ラザル者ノ飲酒ノ防止ニ資スル為年齢ノ確認其ノ他ノ必要ナル措置ヲ講ズルモノトス」の1項を加えること等を内容とする「未成年者喫煙禁止法及び未成年者飲酒禁止法の一部を改正する法律」が成立し、12月12日公布され、同日施行されました。
 これを受け、今回の改正の趣旨、改正内容等、また、昨年8月30日の「未成年者の飲酒防止等対策及び酒類販売の公正な取引環境の整備に関する施策大綱」を踏まえ、未成年者飲酒防止の観点から関係省庁が連携して酒販店等に対し、指導を行うことといたしました。
 致酔性、依存性、慢性影響による臓器障害及び発育途上にある未成年者の心身に対する悪影響等の酒類の特性にかんがみ、未成年者飲酒防止に資するため年齢の確認その他の必要な措置を積極的に取り組んでいくことが緊要であると考えます。
 「未成年飲酒防止に資するため年齢の確認その他の必要な措置」としては、下記の取組などが考えられますので、貴会におかれましては、傘下会員等に対して周知し、これらを強力に推進していただくようお願いいたします。

1 未成年者と思われる者に対する年齢確認の徹底
 「年齢確認」とは、酒類を販売する場合において、未成年者と思われる者に対して本人の年齢の確認ができる「運転免許証」、「身分証明書」等の提示を求めることをいう。

2 特に夜間における未成年者の酒類購入を責任をもって防止できる者を配置するなど販売体制の整備
 「未成年者の酒類購入を責任をもって防止できる者」とは、酒類の特性等を理解し、酒類を購入しようとする未成年者に対して的確な指導等ができる者をいう。

3 未成年者が酒類を清涼飲料と誤認して購入しないよう、酒類特に清涼飲料的な酒類と清涼飲料との分離陳列の実施
 「分離陳列」とは、酒類と清涼飲料との売場を離れた場所とする、冷蔵庫の扉や陳列ケースを別々にする、陳列棚に酒類である旨の表示をすること等により、明確に酒類と清涼飲料との分離を行うことをいう。

4 未成年者のアクセスを防止するよう改良された酒類自動販売機(以下「改良型酒類自動販売機」 という。)以外の酒類自動販売機の撤廃及び設置した改良型酒類自動販売機の適切な管理
 「改良型酒類自動販売機の適切な管理」とは、未成年者のアクセス防止機能を常時正しく稼働させること、IDカードの発行の際に本人の年齢の確認ができる「運転免許証」、「身分証明書」等の提示を求め、成年者にのみ発行し、その発行履歴を適切に保存すること等をいう。

5 カタログ販売やインターネット販売等の通信販売形態で酒類を取り扱う場合における未成年者飲酒防止の注意喚起及び申込者の年齢記載・年齢確認の徹底
 (1) 「未成年者飲酒防止の注意喚起」とは、申込書等に未成年者の飲酒は法律で禁止されていること及び未成年者に対しては酒類を販売しないことを表示すること、納品書、商品の配送の際の包装紙等に酒類であることを表示すること等をいう。
 (2) 「申込者の年齢記載・年齢確認の徹底」とは、(イ)通信販売形態を行う営業者やその従業員が顧客と接する場合は、当該顧客が未成年者であると思われるときは、本人の年齢の確認ができる「運転免許証」、「身分証明書」等の提示を求めることをいう。(ロ)郵便を利用して配達させる等、通信販売を行う営業者やその従業員が顧客と接することがない場合は、酒類の購入の申込みを受けるに際し、当該顧客の年齢の確認ができる「運転免許証」、「身分証明書」等の写しの送付を求めること等をいう。

6 ポスターの掲示などによる未成年者飲酒防止の注意喚起
 「ポスターの掲示など」とは、未成年者の飲酒は法律で禁止されていること、未成年者に対しては酒類を販売しないこと等を表示したポスター、ステッカー等の掲示、同趣旨の店内放送を行うこと等をいう。

7 アルコール飲料としての酒類の特性、特に未成年者の心身に対する悪影響及び未成年者と思われる者に対する年齢確認の実施方法などの従業員研修等の実施
 「従業員研修等」とは、未成年者飲酒防止のための従業員に対する年齢確認の実施方法などの研修、経営者自身の研修等をいう。