平成13年8月21日
国税庁

1 酒類自動販売機の撤廃に係るこれまでの経緯

(1)  中央酒類審議会報告

 国税庁は、平成6年10月に中央酒類審議会の「アルコール飲料としての酒類の販売等の在り方について(中間報告)」において、「屋外に設置された現行の酒類自動販売機については、関係各方面より、対面販売の趣旨の徹底が未だ不十分であるとの強い指摘がなされていることから、消費者の利便、零細な小売酒販店の省力化及び経営の合理化等の観点を踏まえて総合的に検討を行ったところである。その結果、対面販売の趣旨の徹底が困難な現行の屋外酒類自動販売機は撤廃の方向で検討がなされるべきであり、酒類自動販売機に技術的改良がなされ、未成年者のアクセス防止が可能となる場合には、設置が認められるべきとの結論に達したところである。」との内容の報告を受けました。

(2)  全国小売酒販組合中央会及び国税庁の取組

 この報告を踏まえ、全国小売酒販組合中央会(以下「小売中央会」という。)は、平成7年5月の総会において、「より良い飲酒環境を形成し未成年者飲酒防止の観点から、現行酒類の屋外自動販売機は、平成12年5月を期限として撤廃する。」旨の決議を自主的に行いました。
 国税庁としても、平成7年7月、各国税局(沖縄国税事務所を含む。以下同じ。)に対し、現行の酒類自動販売機(以下「従来型機」という。)の撤廃等を指導する旨の長官通達「酒類自動販売機に係る取扱指針」を発出し、新たに酒類自動販売機を設置する場合には購入者の年齢を確認できるように改良された酒類自動販売機(以下「改良型機」という。)以外の酒類自動販売機は設置しないよう指導すること等を指示し、小売中央会の取組を支援してまいりました。

(3)  平成12年5月(撤廃期限直前)における取組

 その後、従来型機の撤廃期限直前の平成12年5月に、小売中央会においては、「酒自販機撤廃啓蒙ステッカー」等を組合員に対して配付し、取組の徹底を図りました。また、同月、小売中央会からの要請を踏まえ、国税庁から各国税局に対し改めて長官通達を発出し、引き続き、従来型機の撤廃及び改良型機への切り換えの指導の徹底を指示するとともに、小売中央会に対し総会決議の完全な履行に向け徹底を図るよう要請するなどしてきたところです。

(4)  平成12年6月以降における取組

 平成12年6月1日現在(撤廃期限直後)における酒類自動販売機の設置状況を調査し、その結果を平成12年9月29日に公表しました。

 【 公表内容(概要) 】
  小売中央会の撤廃決議直後の平成8年3月31日現在の全国の従来型機の設置台数186千台に対し、平成12年6月1日における従来型機の設置台数は119千台であり、従来型機の残存率(平成8年3月31日現在の設置台数を100%とした場合)は64%となっています。

  この調査において、相当数の従来型機の設置が見られたことから、これらの自動販売機を設置している酒類業者に対して、未成年者飲酒防止について理解を求め、完全な撤廃を図るべく指導を行ってきたところです。

2 平成13年4月1日における酒類自動販売機の設置状況

 小売中央会の撤廃決議直後の平成8年3月31日現在の全国の従来型機の設置台数186千台に対し、平成13年4月1日における従来型機の設置台数は80千台です。
 したがって、従来型機の残存率(平成8年3月31日現在の設置台数を100%とした場合)は43%となっています。
 平成13年4月1日における従来型機の設置台数(80千台)のうち、今後、撤廃予定等のものは29千台であり、これを勘案すると従来型機の残存率は27%となります。
 なお、従来型機を撤廃していない主な理由としては、「酒類売上に占める自販機による売上の割合が大きい」、「撤廃又は改良型機への切り換えに係る費用負担が難しい」及び「周辺地域の酒販店が撤廃していない」などがあげられています。

(注) 平成13年4月1日における酒類自動販売機の設置状況は、別表のとおりとなっています。

3 国税庁としての今後の取組方針

 平成8年3月31日から平成13年4月1日までの間に、半数以上の従来型機が撤廃されたものの、依然として相当数の設置があることから、引き続き自動販売機の撤去を指導するとともに、やむを得ず酒類自動販売機を設置する場合には、改良型機を設置し適切な管理を行なうよう指導を徹底することとしています。


別表

平成13年4月1日現在における酒類自動販売機の設置状況


撤廃決議直後の設置台数(H8.3.31現在)(A)
設置台数(改良型以外)
(B)
残存率
(B)/(A)
撤廃予定等の状況
撤廃予定
(C)
改良予定
(D)
稼働して
いない(E)
計(F)
(C+D+E)
全国計
千台
185.8
千台
79.7
%
43
千台
9.9
千台
14.6
千台
4.8
千台
29.3
東京局管内
30.5
10.7 35 1.9 2.2 0.7 4.8
関信局管内
23.1
9.4 41 1.5 2.0 0.8 4.3
大阪局管内
41.0
26.0 63 2.5 5.5 0.5 8.5
札幌局管内
4.0
0.5 13 0.1 0.1 0.1 0.3
仙台局管内
12.1
2.0 17 0.3 0.4 0.4 1.1
名古屋局管内
19.7
9.1 46 1.0 1.2 0.6 2.8
金沢局管内
5.8
1.1 19 0.2 0.2 0.1 0.5
広島局管内
18.6
6.7 36 0.9 1.0 0.6 2.5
高松局管内
10.6
5.6 53 0.4 0.7 0.2 1.3
福岡局管内
11.5
5.3 46 0.8 0.8 0.4 2.0
熊本局管内
8.8
3.3 38 0.4 0.5 0.4 1.3
沖縄所管内
0.2
- 0 - - - -


撤廃予定等の台数を勘案した場合の
改良型酒類自動販売機の設置状況
設置台数
(G)
(B-F)
残存率
(G)/(A)
全国計
千台
50.4
%
27
千台
9.6
東京局管内
5.9 19 1.6
関信局管内
5.1 22 1.6
大阪局管内
17.5 43 1.5
札幌局管内
0.2 5 0.3
仙台局管内
0.9 7 1.1
名古屋局管内
6.3 32 0.6
金沢局管内
0.6 10 0.6
広島局管内
4.2 23 1.3
高松局管内
4.3 41 0.3
福岡局管内
3.3 29 0.4
熊本局管内
2.0 23 0.4
沖縄所管内
- 0 0.02