1 酒類の産地に主として帰せられる酒類の特性に関する事項

(1) 酒類の特性について

山形の清酒は総じて、やわらかくて透明感のある酒質を有している。

その中でも、純米酒・本醸造酒は酸味や旨味が調和した、ふくよかで巾のあるやわらかな味わいを有している。また、純米吟醸酒・吟醸酒は、やわらかな口あたりと果実様の香りとの調和により、透明感が更に感じられる。

(2) 酒類の特性が酒類の産地に主として帰せられることについて

イ 自然的要因

山形県は、日本海式気候に属しており、冬期に多くの積雪があるが、これが酒造りに欠かせない連峰・山系特有の優良な地下水を恵む。その水質は酒造りに適した鉄分の少ない清冽な軟水であり、これを仕込み水として醸造することにより、「透明感のある」酒質が形成されてきた。
 また、山形県の冬の厳寒は、酒造りにおける雑菌の繁殖抑制と低温長期発酵に適しており、いわゆる「吟醸造り」には最適な地である。これが、清冽な仕込み水とあいまって、「やわらかな」酒質が形成されてきた。

ロ 人的要因

山形県では、山形県工業技術センター及び山形県酒造組合(技術研究委員会)が中心となり、官民・地域一体となった人材育成と醸造技術の向上の取組を行ってきたことにより、清酒の搾りたての新鮮な品質を出来る限りそのまま残すようにろ過や火入れ、貯蔵を行う技術が県内全体に浸透してきた。
 また、果実の特産地でもある山形県では、清酒の果実様の香りの嗜好において、バナナ様の香りの他、ふじリンゴ、メロンやラ・フランスといった特産果実の香りが調和した果実香が好まれる傾向にあり、吟醸酒を中心とした製造技術研究も行われてきた。
 昭和53年から山形県工業技術センター及び山形県酒造組合が継続して実施している「清酒製造技術短期研修」により、酒造技術に関する講義と実習を通じて山形清酒製造にかかる人材育成を図っている。昭和62年には、県内清酒製造者と山形県工業技術センターの職員により構成する「山形県研醸会」を発足し、特に吟醸酒製造に力を入れた研修を実施し醸造技術の向上を図っている。
 また、昭和56年より、山形県を代表する大吟醸酒を開発することを目的として、「山形讃香」の取組を開始し、昭和60年には、山形讃香審査会による平均合格率は3から4割という厳格な審査に合格した清酒のみを、統一ブランド「山形讃香」として商品化した。この「山形讃香」の販売を通じた消費者の客観的評価が、研修会等を通じて製造者に還元されることにより、山形県全体として清酒の製造技術が底上げされている。
 これらの取組により、山形らしい清酒の特性が形成されてきた。

2 酒類の原料及び製法に関する事項

地理的表示「山形」を使用するためには、次の事項を満たしている必要がある。

(1) 原料

  1. ・ 米及び米こうじに国内産米のみを用いたものであること。
  2. ・ 水に山形県内で採水した水のみを用いたものであること。
  3. ・ 酒税法第3条第7号に規定する「清酒」の原料を用いたものであること。
  4. ただし、酒税法施行令第2条に規定する清酒の原料のうち、アルコール(原料中、アルコールの重量が米(こうじ米を含む。)の重量の100分の50を超えない量で用いる場合に限る。)以外は用いることができないものとする。

(2) 製法

  1. ・ 酒税法第3条第7号に規定する「清酒」の製造方法により、山形県内において製造されたものであること。
  2. ・ 製造工程上、貯蔵する場合は山形県内で行うこと。
  3. ・ 山形県内で、消費者に引き渡すことを予定した容器に詰めること。

3 酒類の特性を維持するための管理に関する事項

地理的表示「山形」を使用するためには、当該使用する酒類を酒類の製造場(酒税法(昭和28年法律第6号)第28条第6項又は第28条の3第4項の規定により酒類の製造免許を受けた製造場とみなされた場所を含む。)から移出(酒税法第28条第1項の規定の適用を受けるものを除く。)するまでに、当該使用する酒類が「酒類の産地に主として帰せられる酒類の特性に関する事項」及び「酒類の原料及び製法に関する事項」を満たしていることについて、次の団体(以下「管理機関」という。)により、当該管理機関が作成する業務実施要領に基づく確認を受ける必要がある。

管理機関の名称:山形県酒造協同組合

住所:山形県山形市緑町一丁目7番46号

電話番号:023−641−4050

ウェブサイトアドレス:http://www.yamagata-sake.or.jp/

4 酒類の品目に関する事項

清酒