(回答)

  1. 賃借権などが設定されている土地、家屋について物納の許可を受けた後に、物納に係る税額を金銭により一時に納付又は延納により納付することができることとなったときは、その物納の許可を受けた後、1年以内に申請することにより、税務署長の承認を得てその物納を撤回することができます(相続税法46条1項、2項)。
     ただし、撤回の承認を得ようとする財産が既に換価されていたとき、又は公用若しくは公共の用に供されており若しくは供されることが確実であると見込まれるときは、物納の撤回は承認されません(相続税法46条1項)。
  2. 物納の撤回により一時に納付すべき相続税額及び物納許可から撤回までの期間中の管理費など有益費の額については、税務署長から納付すべき金額の通知が発せられた日の翌日から起算して1か月以内に納付する必要があります。
     なお、有益費の納付がされない場合には、物納の撤回承認申請は取り下げられたものとみなされます(相続税法46条9項、10項)。
  3. 物納の撤回により納付することになった相続税額については、納期限又は納付すべき日の翌日から完納の日まで(延納による納付する場合には当該延納許可の日まで)の期間に応じ、利子税がかかります(相続税法53条3項、4項)。

※ 利子税の割合は、年「7.3%」と「前年の11月30日の公定歩合+4%」のいずれか低い割合が適用されます。
なお、延納により納付する税額については、延納許可後は不動産割合に応じた延納利子税がかかります。

  1. 物納の撤回の申請があった場合には、当該申請書の提出があった日の翌日から起算して3か月以内に当該申請の承認又は却下をすることとされており(相続税法46条3項)、この期間内に承認又は却下が行われない場合は、承認があったものとみなされます(相続税法46条11項)。